猫をマンションで飼う前に知っておきたいこと
猫をマンションで飼う前に知っておきたいことについてご紹介します。
①ペット可マンションかどうか確認する
- 猫の飼育が可能か確認する
- 猫を新たに迎える場合は事前に大家さんと管理会社にその事を伝えておく
まず、猫をマンションで飼う前に知っておきたいこととして最重要視すべきは「ペット可物件」であるかどうかです。ただ、一言にペット可物件と言っても、その大半は「小型犬可」であるのが現状です。必ず「猫の飼育」は可能なのかどうかを確認しましょう。
また、入居前に猫の飼育が可能であることを確認している場合でも、猫をお迎えする前に必ず大家さん、もしくは管理会社に「○日頃に猫を迎えようと思っている」という報告をしましょう。というのも、多くのペット可マンションでは飼育の有無や頭数によって礼金や、月々の家賃に別途料金が上乗せされます。
同じペット可物件でも人だけの入居と、ペットとの入居では、賃貸契約書の内容が異なる場合もあります。その場合は改めて契約書を交わしたり、猫の写真を提出したりと手続きが必要になることも。ペット可マンションであれば、いつでも勝手に猫を飼っていいわけではないということをしっかりと頭に入れておきましょう!
②トイレの置き場所を考えておく
- 原状復帰に対応できる場所に置く
- ニオイがこもりにくい場所に置く
賃貸マンションの場合、退去時は「原状回復」が原則となります。原状回復とは、簡単に言えば「貸した時の状態で返してね」ってことですね。クロス(壁紙)や畳などは入れ替えすることができますが、部屋中に染み付いてしまったニオイは非常に厄介です。猫のオシッコはニオイがキツいので、トイレはなるべくニオイがこもりにくく、換気しやすい場所に設置するのがおすすめです。
③ベランダに出さない対策を考えておく
- 猫の落下や隣室への侵入を防ぐ
- ベランダに排泄させない
猫をマンションで飼う時、完全室内飼いが大前提となります。なるべくベランダにも出さないようにしましょう。部屋の位置や、ベランダの構造にもよりますが、落下や隣の部屋への侵入などの危険もあります。また、ベランダでの排泄は絶対にしないよう注意しなければいけません。
④脱走防止策を考えておく
- 全ての出入り口に脱走防止策を施す
- 子猫にはケージを準備するとよい
これはマンションに限らず言えることですが、脱走防止は徹底しましょう。ペット可マンションということは、他の猫や犬もたくさん生活しているということです。誤って他の部屋に侵入してしまうようなことがあれば、他の動物と接触してしまう可能性は高いといえます。パニックになったり、喧嘩になったりすれば、愛猫だけでなく他所様の猫ちゃんやわんちゃんに怪我をさせてしまうことも。ベランダ、玄関、窓などすべての出入り口に脱走防止策を施しましょう。子猫の場合、お留守番中のみケージを利用するなどして安全を確保するのもいいですね。
⑤騒音対策を考えておく
猫をマンションで飼う時、騒音対策についてもしっかり考えておく必要があります。猫も、全くと言っていいほど鳴かない子もいれば、とても大きな声で鳴く子もいます。また、夜中の大運動会もなかなか大きな音をたてて走り回ります。犬と比べて、猫は騒音をたてるイメージが少ないかもしれませんが、お迎えする猫ちゃんが必ずしも大人しいとは限りません。近隣に迷惑がかからないよう、どんな工夫ができるのかを事前に考えておきましょう。
猫をマンションで飼う時のポイント
猫をマンションで飼う時に押さえておきたいポイントをご紹介します♪
①生活習慣を整える
- 猫にも飼い主と同じ生活リズムを作る
- 昼に遊んで夜は寝室に向かう習慣をつける
猫をマンションで飼う時、まずは飼い主さんと同じように昼に活動し、夜に眠るという生活リズムを作ることを心がけましょう。昼間や夜遅くなりすぎないうちに目一杯遊び相手をし、飼い主さんが眠る時は一緒に寝室へ行くなどの習慣づくりをするといいですね。そうすることで、夜間の騒音など近隣の方へ迷惑をかける心配を減らすことができます。
②遮音対策をする
- 遮音性カーペットを敷く
- 猫が上り下りする場所にジョイントマットを敷いておく
いくら生活リズムを整えるといっても、猫は本来夜行性の動物です。たまには、夜間に大運動会を開催してしまうこともあるでしょう。また、昼間だからといって騒音に気を配らなくてもいいというわけではありませんよね。「夜勤のため、昼間に休息を取りたいのに上や隣の部屋がうるさい!」なんてトラブルも少なくありません。
そんなトラブルを防ぐためにも、遮音性のあるカーペットなどを使用して対策しておきましょう。猫は、バタバタと音を立てて走り回るイメージは少ないかもしれませんが、夢中で遊び始めると高いところへジャンプしてみたり、飛び降りてみたりと意外と「ドンッ」と大きな音がします。(笑)遮音性のあるカーペットをお部屋の床全面に敷き詰めることは難しい場合は、キャットタワーなどの猫が登り降りする場所にだけジョイントマットを敷くのもおすすめです。
商品情報
・マット18枚セット
・17×17cmサイズ
・塩素や環境ホルモンを含まない素材で作られています。
③爪とぎ対策をする
- キャットタワーの周りや角張った部分に爪とぎ防止シートを貼っておく
- 退去時に多少クロスを修繕することは覚悟しておく
猫を賃貸マンションで飼う時、飼い主さんが最も心配するのが「爪とぎ」ですよね。正直なところ、猫を飼う以上、お部屋のクロスや柱などで爪とぎを絶対にさせない!というのはほぼ不可能に近いといえます。退去時は、多少なりともクロスの修繕が必要になることは覚悟しておいたほうがいいかもしれませんね。
ただ、猫が好む爪とぎを各部屋に設置したり、猫が過ごす時間が長いキャットタワーの周りや、角張った部分などに爪とぎ防止シートを貼ったりして被害を最小限に抑えられるよう工夫しましょう!
商品情報
・一般的な壁紙の上から貼って猫ちの爪とぎを防ぐシートです。
・使用後もはがすことができます。
④室内を清潔に保つ
- こまめにトイレや抜け毛を掃除する
- 空気清浄機を利用する
これはマンションに限ったことではありませんが、猫が暮らす部屋を清潔に保つことは非常に大切です。トイレはもちろん、抜け毛などもこまめに清掃することを心がけたいですね。トイレや抜け毛を放置しておくと、部屋からニオイが漏れたり、換気の際に外へ抜け毛が飛散したりと近隣トラブルの原因にもなりかねません。毎日のお掃除はもちろん、空気清浄機などを利用して室内を清潔に保ちましょう!
⑤隣人への声かけをしておく
マンションで猫を飼う時、下やお隣などに声掛けをしておくのも一つの手です。ペット可のマンションの場合、同様に動物と暮らしている方も多いでしょうし、「猫を迎えたので、うるさかったり、ご迷惑なことがあれば言ってください!」と一声かけておくだけで関係が良好になる場合もあります。
実際、筆者も上のお部屋の方に「多頭飼いで、夜中に運動会を開催することがあるんです。うるさいかもしれません…すいません。」と声をかけていただいたことがあり、深夜に「ドーン!」と聞こえても、「お!運動会始まったか!」とほっこりしていました。(笑)もちろん考え方は人にもよりますが、個人的に一声かけておくのは非常におすすめです。
猫をマンションでこっそり飼うと
ペット不可マンションで猫をこっそり飼っていたのがバレた…というお話はよく耳にします。猫は犬に比べて鳴き声が小さい子も多く、足音も少ないので「バレない」と考える方は多いようですね。ただ、殆どの場合、近隣の方からの通報で「バレます」。
なかには、退去時までバレない方も稀にいらっしゃいますが、やはりニオイや爪とぎの跡などが残るため、最後まで隠し通すことは不可能です。ペット不可のマンションで猫が飼っているのがバレた場合、どうなるのかをご紹介します。
①強制退去になる
ペット不可マンションでこっそり猫を飼っているのがバレた場合、まず「猫をどこかへ預ける」ことを催告される場合が殆どです。「○日までに猫を預けられない、つまり手放せない場合は、退去してください。」という流れが一般的です。
大家さんに相談して猫を飼う許可をもらった!というお話を聞くこともありますが、これはかなり稀なケースです。と言うのも、ペット不可マンションには単に動物を飼う予定がないから住んでいるという人もいれば、動物アレルギーなどでペット可マンションには住めないからという人も居るのです。
つまり、そもそも契約違反をして猫を飼っている人を許すことで、他の住人の本来保証されているはずの生活を脅かす可能性さえあるということです。「そう簡単に強制退去にはならない」と言われることもありますが、賃貸契約書で契約違反と強制退去について明確な定めがある場合は、即刻退去を余儀なくされる可能性も十分にあります。「話せばきっと許してもらえる」「簡単には追い出されないだろう」などという甘い考えは捨てましょう。
②違約金を支払うことになる
ペット不可マンションで猫をこっそり飼っているのがバレた時の「違約金」の有無について気にする方は多いですよね。答えは「違約金は発生する」です。と言っても、賃貸契約書に「ペットを飼育することを禁ずる」「違反した場合は○○円の違約金の支払いを命じる」などという明確な定めがある場合は、それらに従う必要があるということです。
ただ、違約金というよりは退去時の「部屋の修繕費」だけで手を打つことが多いのが実際のところですね。しかし、この修繕費というのも非常に厄介で、クロスの張替えや畳の入れ替えだけであれば50,000円~100,000円前後の費用で済みますが、柱やドアの傷、部屋に充満したニオイなどが酷い場合はもっと高額になるケースもあります。
ペット不可マンションということは「ペットが暮らしていた」という事実があることで、入居者が決まりにくくなる可能性も十分に有り得ますので、貸主側としてはせめて「修繕費」は全額支払ってもらいたいのです。ペット可マンションであっても、基本的に退去時には「原状回復」が基本となりますが、ある程度清潔にしていればクロスの張替えや、ハウスクリーニングなどで済む場合が多いです。このようなことを考えると、ペット可マンションのほうが多少月々の家賃が高かったとしても、結果的に金銭的な負担が減ることさえあるんですよ!
③賃料が高くても猫飼育可の物件を選びましょう
賃貸マンションの敷金礼金、家賃などは地域などによって大きく異なりますが、一般的に猫を飼育することによって礼金が50,000円~100,000円プラス。月々の家賃が2,000円~5,000円プラスになることが多いですね。ただ、堂々と愛猫と暮らせることは考えれば、支払いする価値が十分にあるお金ですよ!
猫をマンションでこっそり飼うとどうなるのかについてご紹介しました。筆者が不動産業に携わっていた時、ペット不可マンションで犬や猫を飼育していた結果、通報によって飼育がバレてしまい、結局里親探しをお手伝いしたことがあります。愛猫家である筆者としては非常に心苦しいことではありますが、なかには動物アレルギーが命に関わる方もいらっしゃいますし、見過ごすわけにはいかないのです。ネット上には「バレない」「シラをきればいい」なんて意見もありますが、必ずバレます。愛猫のためにも、ペット可マンションを選びましょう。
猫専用のマンションもある
「愛猫との暮らしを豊かにしたい」そう願う愛猫家さんと愛猫のための「猫専用マンション」「猫専用アパート」が全国に続々と誕生しているのをご存知でしょうか。
①Gatos Apartment(ガトスアパートメント)
「ガトスアパートメント」は、東京都杉並区にあるネコ好きによるネコ好きとネコのためのネコ専用アパートメント。賃貸併用住宅となっており、1階部分は賃貸物件、2階部分はオーナーである木津イチロウさんご家族の自宅となっています。猫専用アパート誕生の裏柄には、猫と暮らすことが難しい現在の賃貸不動産事情が深く関係したようです。
木津さんは、奥様との同棲時代に「ペット不可マンション」で保護猫5匹と出会いました。猫達と堂々と暮らすためペット可マンションを探したところ、5匹の猫と暮らせるマンションが見つからず、「いっそ猫と暮らせる部屋を作ろう!」と思い立ったと言います。
Gatos AP監修猫専用アパートのお部屋は、猫専用扉、飛び出し防止用引き戸、キャットウォークなどが設置されており、広めのバルコニーには猫脱走防止用の2m塀も。掃除のしやすさや、トイレ置き場など、愛猫家だからこそ分かる細やかな気遣いが溢れているお部屋です。また、オーナーの木津さんは、ボランティア活動に参加したり、保護猫をお迎えした入居者に一時金を渡す「ノラネコ割」を導入したりと、一匹でも多くの猫に幸せになってほしいと願っていることが伝わります。
現在、Gatos AP監修猫専用物件は東京墨田区、葛飾、横浜にオープンしていますが、残念ながら全て満室だそうです。なかには、キャットシッター常駐の物件も。空き待ちをすることもできるようなので、是非問い合わせしてみましょう!
Gatos Apartment公式ホームページ
http://gatos-apartment.com/
②Felis北堀江(フェーリスキタホリエ)
大阪市西区北堀江にある猫専用ペット共生型賃貸マンション「フェーリス北堀江」。「愛する猫たちと、いつまでも安心して暮らせるマンションを」という愛猫家の思いから誕生した猫専用マンションです。
デザイン性はもちろん、防犯設計も高く、お部屋にはキャットウォークやくぐり戸、猫用トイレスペースなどが設けられています。また、マンションから徒歩5分の距離に最新の医療設備を備える「大阪動物医療センター」があることも非常に魅力的なポイントですね。
Felis北堀江
https://www.cjs.ne.jp/detail/1042407699.html
東京、大阪にある猫専用マンション、アパートをご紹介しました。残念ながら、まだまだ猫専用マンションは貴重な存在であり、すぐに満室になってしまうのが現状ですが、今後どんどん増えていってほしいですね。
まとめ
猫をマンションで飼うために知っておきたいことについてご紹介しました。筆者自身、不動産業に携わっている頃から「賃貸不動産の世界において、愛猫家は肩身が狭いな」と感じており、愛猫のために設計された部屋に住むためには、マイホームを建てるしかないと思っていました。だからこそ、「猫専用マンション」の存在を知った時は衝撃と、喜びと、言葉では表せないような幸せな気持ちになったのを覚えています。猫専用マンションの誕生は、日本が「猫にやさしい世界」に近づく大きな一歩になったのではないかと思います。
また、猫専用マンションではなくても、キャットウォークが設置された猫可マンションも少しずつではありますが増えつつあります。ペット不可マンションで隠れて猫を飼わなくても、選択肢はあるはずです。愛猫との暮らしを豊かにするために、マンション選びは慎重に行ってくださいね♪