猫の目にゴミが入っている時の取り方と注意点

猫の目にゴミが入っている時の取り方と注意点

猫の目にゴミや毛など異物が付いていることがあります。そのまま放置していてもなかなか取れずにそのまま付いているという経験はないでしょうか。猫の目にゴミが付いていた時の対処法、もしそのままにしてしまった場合にかかってしまう病気について記事にしました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の目にゴミがある時の取り方

きじ猫の目

猫が目にゴミが入っているのを気にしていない場合

猫の目にゴミがあるときは、猫の目のふちに湿ったコットンをあてて、優しくぬぐってください。それでも目のゴミがとれない場合は、スポイトなどに水を含ませ、猫の目の表面に数滴垂らして洗い流してください(水道水でも大丈夫です)。

猫が目を開けづらそうにしている、気にしている場合

目の近くを触るのをすごく嫌がる場合、無理に触って目のゴミをとろうとすると、猫が余計に目を気にしてかいてしまい傷つけてしまう危険もあるので、嫌がるときは無理に触らず、動物病院を受診するようにしましょう。

もしエリザベスカラーを持っている場合は、猫が自分で目を傷つけないように装着してください。

猫の目にゴミがある時に注意する事

目を手で覆う猫

むやみに目薬をささない

猫の目にゴミが入る症状によっては、猫にも私たちと同じ人間用の目薬を使用することもあります。しかし、猫の目にゴミ入る状態がわからない状況で、むやみに目薬を使用するのはよくありません。

例えば猫の目に強い痛みが伴うときに、刺激の強い目薬をさしてしまうと症状がさらに悪化することもあります。ゴミをとるため、猫の目に目薬を使用することはありますが、自己判断せずに必ず獣医さんの診察を受けてから目薬をさすようにしましょう。

目の表面は触らない

万が一、猫の目にゴミが入っているわけではなく、目の表面の傷などが、目にゴミが入っているように見えることもあります。無理にゴミだと思って猫の目の表面を触ると、目の表面をさらに傷つけてしまう危険があります。

もしくは、とれにくいゴミだった場合も無理に触れば目の表面を傷つける危険があるので、なかなかとれない場合は必ず動物病院を受診するようにしましょう。

猫の目になぜゴミが入るのか

白猫の目

猫の目の構造

猫の目は横から見たときに表面が少し前に出ています。そのため、ゴミや毛などの異物が付着しやすい構造をしています。本来は異物が目の中に混入すると、結膜から涙が分泌されて、目のゴミは涙と一緒に目の外へ排出されます。

しかし涙の量が少ないと、ゴミが入りやすくなります。また逆に涙の量が増えすぎても、常に目の表面が涙で濡れていることでゴミが付着しやすくなります。

猫の中でも、ペルシャやエキゾチックショートヘアなど鼻がさらに低い猫種は、特に目の中にゴミが入りやすいので注意が必要です。

猫の目にゴミが入ることで起こりうる病気とその症状

涙目の猫

流涙症

流涙症とは、涙が過剰に出すぎてしまう病気です。主な原因としては、猫の目にゴミなどの異物が入ってしまうことで結膜炎を起こして涙の量が増えている場合と、または目と鼻の通り道で涙が排出される鼻涙管と言われる場所が何らかの原因で涙が流れにくくなり、涙があふれることで起こります。

猫は涙が過剰に出ると、涙が流れる部分の毛が茶褐色に変色してしまう「涙やけ」という症状を起こします。

結膜炎

結膜は眼球と顔の皮膚を繋ぐ膜です。血管が多くある組織で眼球への栄養補給などの役割をしています。目の表面の膜をさし、外界と接しているので、猫にほこりやゴミ、毛などの異物が入って病気になりやすい場所です。

結膜は涙や粘液を分泌して目を保護する役割がありますが、猫の目にゴミが入ったままにしておくと、結膜で炎症が起こり、その機能が十分に得られず、白目が赤くなったり、目やにが出たり、涙の量が増えたり、目の内側が腫れるなどの症状が現れます。

角膜炎

角膜は目の一番外側にあり、眼球の約20%を占める血管のない透明な膜です。角膜は表面の細胞が密に配列されており外から細菌やウイルスが侵入するのを防いでいます。

しかし猫の目に入ったゴミが尖っていたり、刺激性のあるものだと、結膜炎だけでなく角膜炎まで起こす危険があります。

角膜には知覚神経が無数に分布しているので、障害を受けると猫は激しく痛みを伴い、目をショボショボさせ、目が開けられない、涙の量が増えるなどの症状が現れます。

乾性角結膜炎

いわゆるドライアイと言われる病気です。主に感染症や先天的な病気が原因で涙が作られる涙腺という場所から涙の出る量が少なくなってしまうことで起こります。

涙の量が少ないと、猫の目にゴミが入っても自然にとれることは少なく、猫の目にゴミが入ったままになってしまいがちです。涙は目を保護する役割があり、そのため猫の涙の量が少ないと目にゴミが入ったときに、より目を傷つけやすい状態となっています。

その結果、猫は結膜炎、角膜炎を引き起こし、白目の部分が赤くなる、目を開けにくそうにするなどの症状を示します。

まとめ

顔を洗う猫

猫の目にゴミが入ることは決して珍しいことではありません。少し様子をみて自然にとれていれば、何の問題もありませんが、目にゴミがついたままにしておくと猫が目を気にして、目をかいてしまうことや、ゴミが猫の目を傷つけてしまうかもしれません。

まずは猫の目のゴミをとってあげることが大切ですが、今回紹介した、目にゴミが入ったときの取り方は、あくまで猫が目を気にしていないときのやり方です。猫がとても目を気にしているときに目のゴミをとることは余計に目を傷つけてしまう危険がありますので、無理な処置はやめて動物病院を受診しましょう。

そして万が一、目のゴミがとれた後も猫が目を気にするような仕草を続けるようであれば獣医さんの診察を受けることをお勧めします。

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