子猫にミルクを与える時間
- 1日6〜8回
- 3時間〜4時間おきに与える
子猫にミルクを与える回数は、生後3週から4週ごろまでは、目安として1日のうち6〜8回です。ミルクを与える時間の間隔は、3時間〜4時間おきということになります。
子猫がミルクをあげた後3時間から4時間の間に、再びお腹が空いて鳴き始めたり動き回ったりすることが多いので、子猫の行動を見ることも必要になります。
授乳の時間に子猫が眠っていたら、無理やり起こしてまで与える必要はありません。また、子猫がニャーニャー鳴いてミルクを欲しがる時には、時間が経っていなくても与えるべきです。ただしその際には、与えすぎのないように調節する必要があります。
生後4、5週ごろから、ミルクを与える回数は1日に5回ほどで、与える時間の間隔ものびてきます。この頃には、離乳食も併用するようになってきます。
このように、赤ちゃん猫にミルクを与えるためには、母猫のようにほぼ24時間つきっきりでお世話をする必要があります。
子猫に与えるミルクの量
子猫のミルク量は体重から判断する
子猫に与えるミルクの量は、子猫の体重から判断します。赤ちゃん猫のうちは、1日で体重がぐっと増えるので、毎日体重計で測りながら、ミルクの量を決めます。
猫の生後日齢とミルクの量の目安は次のようなものです。赤ちゃん猫用ミルク製品のパッケージなどにある給与量表を確認して、そちらを参考にしてください。
粉ミルクの場合は、猫の生後日数に合わせ、1日に粉ミルクスプーン1杯にお湯何ml(cc)、といったように記載されています。それを指定の回数ぶん(8回であれば8等分)に分けてミルクを作って与えます。
1日に必要な量は、必ず与えるようにしましょう。必要なカロリーが取れないと、必要な栄養がとれずに栄養失調になる可能性があります。
子猫が生後1週(生まれてから7日ごろまで)
1日のミルク量は15mlから65mlで、1日に6回から8回に分けて与えますので、3時間から4時間おきに与えることになります。
体重は1日に最低5gから10gずつ増えていくので合わせて増やします。1回にミルクを与える量は、2mlから9mlということになります。
実際の1日のミルク量の例は次のようなものです。
- 体重50gで1日15ml
- 体重100gで1日30ml
- 体重150gで1日43ml
- 体重200gで1日58ml
子猫が生後2週(生後8日から14日)
1日のミルク量は65mlから95ml。1日の授乳回数は7回ほど必要なので、やはり3時間から4時間おきに与えることになります。
体重は1日に最低10gずつ増えていきます。生後14日では体重は250gから325gほどになっています。
実際の1日のミルク量の例は次のようなものです。
- 体重250gで1日72ml
- 体重300gで1日87ml
- 体重325gで1日94ml
子猫が生後3週から5週(生後15日から35日)
1日のミルク量は95mlから125ml。4週ごろから離乳食も与えるようにしますので、ミルクの量は様子を見て加減していく必要があります。1日の授乳回数は、6回から5回、4回と、成長に合わせて減っていきます。
実際の1日のミルク量の例は次のようなものです。
- 体重350gで1日101ml
- 体重375gで1日108ml
- 体重400gで1日116ml
子猫のミルクの作り方
ミルクを作る時に必要なもの
- 子猫用ミルク
- 子猫用の哺乳瓶
- 計量スプーン
- 一度沸騰させたお湯
授乳期の子猫用ミルクは、ペットショップか、動物病院で手に入れることができます。ホームセンターにあることもあります。
粉ミルクの場合
- 1日分の量を1日に与える回数で割って、1回分のミルクに当たる粉ミルクを測ります。計量スプーンとすり切り棒などを使って測りましょう。
- 粉を哺乳瓶に入れて、よく降ってダマのないように溶かします。
- 溶かしたミルクを、人肌より少し温かいくらい(38〜40度)に冷ましてから子猫に与えます。
簡単な目安として、手の甲にミルクを少し出してみて、温かいと感じるくらいです。ミルクが熱すぎるとやけどしてしまいますし、冷ましすぎると飲まなくなったり、飲んでも下痢になってしまったりします。
冷めすぎた場合は、作ってそれほど時間が経っていなければ、湯煎で温め直すと良いでしょう。作って時間が経ったミルクや、飲み残したミルクは捨てて、次の授乳時には必ず新しいミルクを作って与えてください。
液体ミルクの場合
- 1日分の量を1日に与える回数で割って、1回分のミルクに当たるミルクを測ります。
- 子猫用の哺乳瓶に測ったミルクを入れ、湯煎で温めます。電子レンジは使わないようにしてください。
温度の目安は粉ミルクと同じで、人肌より少し温かい程度です。
子猫のミルクの与え方
子猫の体勢
子猫のお腹を下にするようにして抱くか、タオルで支えるなどして体を起こします。首と頭を支えながら口が少し上に向くようにします。
哺乳瓶を子猫の口元に持って行く
ミルクの入った哺乳瓶を子猫の口元に持っていき、口に軽く当てます。少しミルクを出しておくと、飲んでくれやすくなります。子猫が自分から吸い付いて飲むのを待って、ミルクを与えます。
お腹いっぱいのサイン
子猫が哺乳瓶を嫌がって口から離したり、舌で押すようにしたりすれば、お腹がいっぱいになったサインです。
飲み終わったら口元を拭く
飲み終わったら、口元を濡らしたガーゼなどで拭いて、ついたミルクを拭いてあげるようにしましょう。そのままにしておくと乾いて固まることがあります。
あまったミルクは捨てて、次の授乳時には新しく作ります。
子猫にミルクを与える際の注意点
必ず授乳期の子猫用のミルクを与える
ミルクは、授乳期の子猫用ミルクを与えてください。人間の飲む牛乳や、猫用でも授乳期の赤ちゃん猫用でないものは、赤ちゃん猫にとっては必要な栄養素が足りていないため、栄養失調になってしまうおそれがあります。
ただし、子猫を保護した時に夜間などでミルクが手に入らない時には、緊急用に作ったミルクを与える方法もあります。
子猫のミルク 緊急用の作り方
- 牛乳1カップに卵黄1個と、砂糖を小さじ4杯いれたものをよくかき混ぜて、ゆっくり温めます。
- 鍋に入れて温める場合には、タンパク質をこわしてしまわないよう、沸騰させないようにしてください。
- 哺乳瓶がなければ、小さいスプーンやストローなどで口元に持って行きます。
これは、子猫用牛乳を手に入れるまでの緊急的なものとして考えましょう。
子猫に合わせた量、温度の適切なミルクを与える
子猫が生後何日かにより、与える量は変わってきます。1日に必要とする量のミルクを与えるようにして、栄養失調や体調不良にならないようにしましょう。
与える時の温度が低いと、子猫はミルクを飲まないことが多く、もちろん熱すぎればやけどをしてしまいます。ミルクの温度は適切につくり、危険がないことを確認してから与えてください。
手の甲に出して温度を測ると、人肌より少し温かい温度になっているかどうかがわかります。
子猫の体勢に気をつける
子猫はお腹を下にした体勢で、母猫のおっぱいを飲んでいるのと同じ状態にしてミルクを与えましょう。抱き上げてお腹を上にして与えると、ミルクを詰まらせることがあります。片方の手で子猫の体や首を支え、もう片方の手で哺乳瓶を持って、与えましょう。
実際の子猫は、母猫やきょうだい猫と一緒にいることで体温を保っています。ミルクをあげる時には子猫の体温が下がらないように、暖かい部屋で与えてください。
消毒して清潔にした哺乳瓶で与える
子猫の哺乳瓶は使用後しっかり洗い、できれば煮沸消毒をして、常に清潔にしておきましょう。子猫用哺乳瓶は、汚れが取れなくなったら買い替えをして、吸い口の部分も予備を保管しておくことをお勧めします。
またミルクの作り置きは、時間が経つと雑菌が繁殖して痛んでしまい、子猫が飲むとお腹を壊す可能性が高く、子猫の命に関わりますので、絶対に与えないようにしましょう。
子猫のケアも行う
ミルクを飲んだ後には、口周りを拭いてミルクの残りを取り、背中をやさしくさすったりお腹をマッサージしたりするなどして、げっぷをさせてあげましょう。
また、ミルクを飲んだ後には、排泄をさせておくと良いでしょう。濡れたガーゼなどで刺激して、おしっこやうんちをさせます。
まだ赤ちゃん猫の間は、ミルクを飲む時間以外は眠っていることが多いものです。成長のためにとても大切なので、ミルクをあげて、排泄のお世話もしてあげると、眠っている時間の邪魔をしないですみます。
子猫に合わせた対応をする
1日に必要な量を与えることは大切ですが、子猫が飲みたくなそぶりをした時に、無理矢理飲ませることはよくありません。
ミルクの温度を適切にしたり、子猫の体を温めたり、哺乳瓶の吸い口を変えたり、少し時間をおいたりするなどして、再び与えてみましょう。
子猫が眠っている時には、起こさないで寝かせておきます。子猫が目覚めて動いたり鳴いたりしたら、ミルクを与えるようにしましょう。
ただし、授乳の時間が空きすぎると、低血糖になってしまうこともありますし、命に関わります。様子を見て、6時間から8時間以内には、次の授乳をするようにしてください。
子猫に異常があったらすぐ動物病院へ
まだ赤ちゃん子猫のうちには、少しのことでも体調を崩しやすくなります。ミルクをあげていて、子猫に異常を感じたら、できるだけすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
まとめ
ミルクが必要な子猫の世話をすることはとても大変です。24時間体制で様子をみる必要があり、ちょっとしたことでも子猫は体調をくずしやすく、気が抜けません。
ただ、注意点をしっかり守ってお世話をしてミルクを与えて育てれば、子猫はちゃんと成長してくれます。子猫は、生後3週間〜4週間ほどまではミルクだけで栄養をとりますので、しっかりとミルクを飲ませて、健康に育つようにしてあげてください。
母親がわりになって、子猫にうまくミルクを与えてくださいね。