猫の爪切りで血が出てしまった時の対処法
猫の爪から出血がおきてしまう多くの原因は爪を深く切りすぎてしまうことにより、中にある血管や神経まで到達したため血がでてしまうからです。また鋭い痛みも伴います。
特にお家で猫の爪切りをした際に出血し、血が止まらないと来院するケースがよくあります。もしお家で猫の爪切りをおこない血が出てしまった場合の対策があります。
対策1. 圧迫止血をする
まずすぐに手当ができることは猫の出血した部分を圧迫することです。ティッシュペーパーやコットン、タオルなどで血がでているところをおよそ約1〜2分抑えます。
多少の出血やそこまで深く爪を切っていなければ圧迫することで血が止まります。ですが圧迫する力が弱かったり、猫が暴れて上手く抑えきれていないと止血することができません。
そのため誰かに猫を抑えてもらいながら強い力で圧迫させることが大事です。また猫の出血が止まったとしても歩いたり遊んだりしたことで再び血がでることもあるため、ちゃんと猫の血が止まっているか確認することも必要です。
対策2. 止血剤を使用する
猫の爪を深く切りすぎてしまうと圧迫しても血が止まりません。その際はペット用の止血剤を出血している部分につけて止血させます。
ペット用の止血剤はペットショップやネット通販で購入することができ、誰でも手に入れることができます。止血剤は粉になっているためコットンや指に付け、出血部分に約10秒間抑えることで血が止まります。
猫の爪切りに慣れていなかったり血が出ないか不安な場合は止血剤を用意するとよいですが値段が高めなこともあり中々手を出しにくいのが現状です。ですが小麦粉や片栗粉、コーンスターチが止血剤の代わりになりますので家にあるもので補えることができます。
圧迫止血と同様に激しい痛みが伴うため猫が嫌がったりパニック状態になりやすいため誰かに抑えてもらい、猫を落ち着かせてあげながらおこないます。
対策3. 動物病院で処置をする
ほとんどの場合は止血剤で出血が止まりますが、とても深く爪を切ってしまったり一度血が止まったが再び出血した場合は早めに動物病院で処置をおこなうことが必要です。猫を血が止まっていない状態のままにしてしまうと出血部分から感染してしまい化膿することがありますので止血処置の他に消毒や化膿を抑える治療をすることがあります。
猫の爪切りで出血しないための正しい切り方
爪の角を切る程度にしておく
猫の爪切りで血を出さないようにするには深く爪を切りすぎないことです。猫の爪の中心部分に血管と神経が通っており、爪は白いので真ん中あたりに見える赤い部分が血管と神経になります。
そこまで切ってしまうと出血してしまうので、尖っている爪の先(角の部分)を切る程度にすることです。
一気に爪を全部切らない
猫は抑えられたり同じ姿勢のまま我慢することが苦手なため、爪切りに時間をかけてしまうと我慢ができなくなり暴れていたり攻撃してくる場合があり怪我をする危険があります。
そのため例えば今日は猫の右前足の爪を切り、明日は猫の左前足の爪を切るなど、いっぺんに全ての猫の爪を切ろうとせず少しずつ切ってあげます。1回に済む時間が短くなるので猫のストレスも抑えることができます。
無理に抑えつけない
動かないように猫を抑えないといけないのですが、嫌がっていたり落ち着きがないなどによって無理に猫を抑えつけようとすると逆にもっと抵抗することがあります。
また日によって機嫌がよくないときもあるため、むやみにやろうとせず一旦猫の爪を切る作業を止めて猫を解放してあげることも重要です。再びトライしても激しく抵抗した場合は中止して次の日におこないます。
猫にカラーや洗濯ネットを使う
爪切りに慣れていなかったり嫌がる猫は噛んできたりと攻撃してくるときがあります。その場合は猫の首にカラーを付けたり、洗濯ネットに入れると動きが制限できるので、爪を切る足だけ出しておこないます。
それでも嫌がったり落ち着きがなく1人でするのが難しい場合は無理にやろうとせず、2人体勢でおこないます。
猫の爪から血が出るその他の原因
爪がひっかかったから
猫の爪の先は鉤爪といわれておりフック状になっています。また猫の爪は伸び続けていくので定期的に爪を切っていないと、どんどん爪は伸びてしまい爪の先がカーペットや毛布の繊維などにひっかかってしまいことで爪が割れて血が出ます。またよじ登るタイプのキャットタワーなども原因で猫の爪が割れてしまうことがあります。そのため適度に爪が伸びていないかチェックをし、ひっかかりやすい猫の爪の先の角を丸く切ってあげるとよいです。
喧嘩したから
猫の爪は喧嘩のときに使う武器でもあるため他の猫との喧嘩の際に爪が割れてしまうことがあります。外に出入りする場合は完全室内飼いにし、同居猫との相性がよくない場合は距離を置くように隔離します。
爪の根元から折れた(剥がれた)から
猫の爪の構造は人と違い、何重にもなる層からできており爪とぎをすることによって古くなった外側の爪が剥がれ落ちます。しかし場合によっては猫の爪の根元まで剥がれてしまうことがあり完全に折れることがあります。根元まで爪が折れてしまうと肉芽部分が露出しているため膿がでてしまうなど化膿しやすいため動物病院で必ず処置をおこなう必要があります。
爪を噛むしぐさから
猫が毛づくろいしている時に爪を噛んだり引っ張ることがあります。手入れのために日常的におこなっていることもありますが、ストレスや爪部分が炎症していると過度に猫が爪を噛んでしまうことがあります。そのため出血や腫れたりしていないか全ての爪をチェックします。ストレスの原因となる要素は運動不足だったり退屈など様々なためオモチャで遊んであげたりしてストレス発散させてあげることが大事です。
まとめ
猫の爪切りはブラッシングや歯磨きと同様に日常的におこなうケアですが、爪の中心に血管や神経が通っているため深く切ってしまうと血が出てしまい痛みも伴います。そのため一回でも出血してしまうと猫が爪切り自体を嫌がってさせてくれなくなる場合があります。ですから、猫の爪切りをおこなうときには最新の注意が必要です。もし爪から血が出てしまった場合はすぐに圧迫処置や止血剤を使用して猫を落ち着かせてあげてください。
また猫の爪切りを怠ってしまい伸び続けてしまうと爪がひっかかったり過度なストレスなどにより爪が折れてしまうので定期的に爪切りをすることが大切です。もしお家で猫の爪切りが難しい場合は動物病院で切ってあげてください。