みんなの保護猫物語〜おたまちゃんとの出会い〜

みんなの保護猫物語〜おたまちゃんとの出会い〜

最近では、外で暮らしていた猫ちゃんを保護し、家族に迎える人も増えてきました。飼い主さんと保護猫ちゃん、どのように出会って、どんなふうに共同生活を築き上げているのでしょうか?飼い主さんのリアルな声をお届けします!

「うちに来るにゃんこは200%幸せになる」の一言で…

今回の主役は茶トラ猫のおたまちゃん。推定4歳8ヶ月の女の子です。

可愛らしいお名前は、飼い主さんがよく行くお店のイメージキャラクターであるトラ猫のたまちゃんが由来になっているのだそう。「女の子だし『お』を付けておたまにしました」と教えてくれました。

飼い主さんとおたまちゃんが出会うきっかけをくれたのは、息子さんのお友達だったそう。「保護猫を迎えてほしい」と息子さんに打診があったそうです。

飼い主さんのお宅は、ご主人が単身赴任中で、当時は息子さんも就職のために地元を離れることが決まっていたそう。飼い主さんを気遣い、「一人になるよ、にゃんこ迎えたら?」と息子さんが提案してくれたのだとか。

「とりあえず一度会いに行こう」と誘われ、おたまちゃんを訪ねたそうです。

「会ってすぐ、迎えようと思うほどの可愛さでした」と振り返る飼い主さん。お迎えしたい気持ちが溢れる一方で、葛藤もあったといいます。

「命を預かるということに責任が持てるか。考えたら気安く受けてはいけないと迷いがでました」

飼い主さんが、慎重にじっくり考えたいと思った背景には、17年間苦楽を共にしてきたうさぎの"うっさん"との最期が関係していました。晩年は付きっきりでお世話をしたそうです。

「手がかかればかかるほど可愛くて可愛くてたまりませんでした。苦痛ではなく、お世話をするのが私の癒しでした」

しかし、その分お別れの悲しみは強く、周囲の人々に助けられながら立ち直ったそう。だからこそ慎重になった飼い主さんは、「再び命を預かり、幸せにできるのだろうか?時間を割いて寄り添えるのだろうか?」と熟考したそうです。

ここでもまた、背中を押してくれたのは息子さんだったそうで……?

「うっさんは母ちゃんのとこに来て200%幸せだった!!だから次にうちに来るにゃんこは200%幸せになる」

この一言が決め手となり、おたまちゃんを迎えたという飼い主さん。「今や私がおたまを幸せにしてあげてるのではなく、おたまが私を幸せにしてくれてます」と語ってくれました。

実は、おたまちゃんを迎えるにあたって「この子は警戒心が強く懐かない可能性があります」と保護主さんから言付かっていたという飼い主さん。

その言葉通り丸2日ほどはご飯も食べす、トイレにも行かず、籠城していたのだそう。

「付きっきりでお世話ができるように、予定を一切入れずに控えてましたが、全くお世話する事もないくらいでした」

後日、トイレの場所を教えた際もすんなりマスターできたそうで、「一度もトイレを失敗した事ないお利口さんです!!」と褒めていた飼い主さん。

ただ、レースのカーテンや網戸の破壊には少々手を焼いたといいます。

「それでも可愛さが勝って叱れませんでした。おてんばだなぁ...くらいの感覚です」

そこで、おたまちゃんを叱る代わりに網戸を撤去し、レースのカーテンは古いものに付け替えたそうですよ。「バリバリされてもいいようにしました」と教えてくれました。

優しい飼い主さんの元で育ったおたまちゃんは美猫さんへと成長し、より一層絆を深めていくのでした。

おたまちゃんとの"ふたり暮らし"を満喫♡

お迎えして4年になる今でも、警戒心の強さは相変わらずなのだそう。基本的には飼い主さん以外の人は受け入れられないのだとか。

「ピンポンが鳴れば2階へダッシュ、息子や主人が帰省するとクローゼットにずっと籠り、トイレやご飯はいないときを見計らって行っています」

だから"おたまちゃんを抱っこしたい、一緒に寝たい"というご主人と息子さんの夢はなかなか叶わないと語る飼い主さん。

一方で、帰省期間が長い時は少しだけ"お近づき"になれるのだそう。「最初の2日間は警戒し、3日目から徐々に近づきはじめ、ちゅーるを食べたり撫でてもらえるようになります」と教えてくれました。

ただ残念なことに、あと少しという所で赴任先に戻らなければならず、毎回のように振り出しに戻るそうで……?

「2人はおたまとふれあいたくてたまらない、そんな片思いを見るのも笑えます!」

普段は1人と1匹の生活を送る飼い主さん。おたまちゃんがいることで寂しさを感じることがないのだそう。

「全く寂しくない、むしろおたまと2人がサイコーに幸せで、主人息子の帰省がちょっと面倒くさくなったりします(笑)2人が帰宅する事でおたまも災難になるので」と語ってくれました。

また、猫がいる日常に、うさぎさんとはひと味違った魅力を感じるのだとか。

「一緒に寝たり、呼んだら返事をしてくれたり。うさぎさんとは違う密着感とというか、そういったものにものすごく癒されています」

そんなおたまちゃんの存在が、改めて保護猫ちゃんに目を向けさせてくれているという飼い主さん。野良猫を見かけると、「ご飯食べられているのかな」と心配になることがあるそうです。

「お水を飲めるように洗面器に水を張って庭に置いたり、少しでもほんの少しでも野良猫ちゃんに寄り添えたらと思います」

さらにペットショップの猫ちゃんを見ては、「おたまは無償で譲ってもらったけど変わらないし、むしろお金払うよりも可愛いもん」と感じるのだそう。

「生体販売なんかやめて、たくさんの保護猫ちゃんに目を向けて1匹でも野良猫ちゃんが減って幸せなにゃんこが増えたらいいなと思います」と胸の内を明かしてくれました。

今では里親募集の情報を得る度に、信頼できるご友人に「お迎えできそうな人がいないかな?」と連絡を取るのだそう。

「ちょうど近々友達が1匹迎えてくれる事がきまり、嬉しい限りです!何か少しでも力になれたらなと思っています」

素敵なご縁で結ばれ、みんなに愛されるおたまちゃん。これからも幸せいっぱいの猫生を送り、飼い主さんとの"ふたり暮らし"を満喫することでしょう。

おたまちゃん、飼い主さん、素敵なエピソードをシェアしてくださり、本当にありがとうございました!

※この記事は、取材協力者さまのご了承をいただいたうえで制作しています

取材/ねこちゃんホンポ編集部
文/めろんぱん

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