みんなの保護猫物語〜ニャン太ちゃん・喜次郎ちゃんとの出会い〜

みんなの保護猫物語〜ニャン太ちゃん・喜次郎ちゃんとの出会い〜

最近では、外で暮らしていた猫ちゃんを保護し、家族に迎える人も増えてきました。飼い主さんと保護猫ちゃん、どのように出会って、どんなふうに共同生活を築き上げているのでしょうか?飼い主さんのリアルな声をお届けします!

時を経て同じベンチを好きになった猫兄弟

今回の主役は茶トラ猫のニャン太ちゃんと、キジ白猫の喜次郎ちゃん。現在6と推定3歳になる男の子達です。

6年前のある日、お庭の物置の下に茶トラ猫が入っていく現場を目撃した飼い主さん。それが、ニャン太ちゃんとの最初の出会いでした。

そして2、3日経過した後に、「まさかもういないだろう」と思いつつ、「ニャー」と呼びかけてみたのだそう。

すると「ニャー」と返事が聞こえてきました。その後、物置から出てきたニャン太ちゃんは庭のベンチで過ごすようになったそうです。

「飼うか、飼わないか、家族会議を開きました」

結果的にお迎えすることを決心した飼い主さん家族でしたが、そこには決定打となった出来事がありました。

「主人が、ボス猫のパンチをくらって裏山をゴロゴロと転がり落ちるニャン太の姿を見たのです」

ちょうどその頃、ニャン太ちゃんは、飼い主さんが買い物から帰宅するタイミングを見計らって玄関へ行き、「ニャー」と出迎えるようになったのだそう。

「あまりの愛しさで、心にズキューンと刺さりました。今でも鮮明に覚えています。我が家からいなくならないこの子をもう放ってはおけないと思いました」

生後3〜4ヶ月の月齢で家猫となったニャン太ちゃんは、お家にすんなり馴染んでくれたそうですよ。

ニャン太ちゃんはもともと、飼い主さんご夫婦に「ニャンちゃん」と呼ばれていたそうです。お迎えした後に、「ニャン太」ちゃんへ改名しました。

一方、喜次郎ちゃんも飼い主さんのお家まわりでちょこちょこと姿を見かける猫ちゃんでした。しばらくして、喜次郎ちゃんは飼い主さんのお家でご飯を食べていくようになったそうです。

「最初は食べたらいなくなっていました。それが、半年ほど過ぎた頃から、ご飯を食べ終えても我が家の敷地のどこかにいるようになったんです」

雨の日はカーポートの下、晴れの日はニャン太ちゃんも気に入っていた庭のベンチが定位置になりました。

そして、2022年5月13日のこと。警報級の大雨が降るとの予報を聞き、「もう放っては置けない!!」という思いに駆られた飼い主さんご夫妻は、喜次郎ちゃんを保護することにしました。

「半年かけて築き上げた信頼関係のおかげか、主人が『ご飯あげるよ、入っておいで!!』と玄関の中にご飯を置くと、家の中に入ってきました」

思いのほかスムーズに心を許してくれた喜次郎ちゃんですが、ニャン太ちゃんの時とは違う大変さがあったそうです。

「猫白血病と猫エイズの検査をするのに3ヶ月待たないといけないので、その間の隔離が可哀想でした。人がいなくなると夜鳴きが激しくて」

そこで、寂しい思いをしなくて済むようにご主人が同じ部屋で寝るようにすると、夜鳴きがぴたりとおさまったそうですよ。

飼い主さん家族は、もともと喜次郎ちゃんのことを「キーちゃん」と呼んでいました。2番目にやってきた男の子だったので、「次郎」の文字を足して命名したそう。ちなみに「喜」はお祖母様のお名前から一文字をもらいました。

偶然にも、同じベンチを気に入って飼い主さんのお家で過ごすようになったニャン太ちゃんと喜次郎ちゃん。今は、すくすくと成長して幸せな毎日を過ごしています♡

ふたりの小さな弟がもたらした幸せ

飼い主さんによると、ニャン太ちゃんと喜次郎ちゃんの関係性は「特に悪くもなく、とても仲良しという訳でもない」様子なのだそう。お互いへの思いの強さは、喜次郎ちゃんのほうがちょっと上のようです。

「喜次郎はニャン太とずっと一緒にいたいと思っています。でもそれが、ニャン太にはうっとうしいと感じるようです」

一方、ニャン太ちゃんは、ちょっぴり臆病なところがあって家族以外の人は苦手。来客があると押し入れに隠れてしまうのだとか。インターホンが鳴る前に人の気配に気づいて、自らふすまを開けて逃げ込むほどだそうです。

喜次郎ちゃんは、家族の中ではお笑い担当!飼い主さんによると「大人しくて温厚な反面、アクションが大きくて面白い子」なのだそう。食いしん坊で、食卓のウインナーを持ち去ってしまうことがあるそうですよ。

ニャン太ちゃんと喜次郎ちゃんは、飼い主さん家族に新たな幸せを運んできてくれたようです。

「家族のかけがえのない唯一無二の宝もの。小さな弟が2人増えたような想いです。家族の中に、お互いを思いやる心や優しさ、笑いをくれました」

最後に、保護猫ちゃんをお迎えすることについてメッセージを送ってくださいました。

「お外で暮らす猫の寿命は3~5歳と言われるなか、おうちの子になるとその寿命はぐんと伸びます。お外の子は、いつもご飯を探し、さまよい、ケンカをして病気や怪我をしやすいです。決して生きやすい環境とは言えないでしょう。世の中にたくさんのそういう子がいると思うと心が締め付けられ痛みます。少しでもそういう子が、より良い環境を得て、幸せに暮らして欲しいと心から切に願っております」

ニャン太ちゃん、喜次郎ちゃん、飼い主さん、素敵なエピソードをシェアしてくださり、本当にありがとうございました!

※この記事は、取材協力者さまのご了承をいただいたうえで制作しています

取材/ねこちゃんホンポ編集部
文/めろんぱん

ニャン太ちゃんと喜次郎ちゃんをチェック♪

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