みんなの保護猫物語〜小夏ちゃんとの出会い〜

みんなの保護猫物語〜小夏ちゃんとの出会い〜

最近では、外で暮らしていた猫を保護し、家族に迎える人も増えてきました。飼い主さんと保護猫ちゃん、どのように出会って、どんなふうに共同生活を築き上げているのでしょうか?飼い主さんのリアルな声をお届けします!

生後7ヶ月で出産!!育児に奮闘した小夏ちゃん

今回の主役は、美しいハチワレ模様の小夏ちゃん。5歳の女の子です。飼い主さんからは「コンちゃん」と呼ばれている小夏ちゃんは、5月に保護されたそう。出会った季節が初夏だったので、小夏ちゃんと命名されました。

ある日の夕方、多摩川の遊歩道をジョギングしていた飼い主さん。多摩川へと降りる階段の中ほどで、生後7ヶ月ほどの子猫を発見したのだそう。

「困り顔をして不安な声で鳴いてる猫をみつけました。抱き上げると、私の腕の中で安心したのかフミフミをし始めました」と当時の様子を振り返る飼い主さん。

人馴れしていることから捨て猫だと察し、「ここまで育てて、何でこんなことをするんだ」と、怒りを覚えたと言います。

そんな人間の身勝手さに憤りを感じつつ、小夏ちゃんに心を痛め、そのまま一緒に帰宅したのでした。

猫と暮らしことのある飼い主さんは、「家に連れて帰って、洗濯かごにタオル敷いて部屋に隔離しました。すぐにスーパーに行きシャンプーやご飯、トイレを購入。ネットでキャリーバッグを購入しました」と迅速に準備を整えたそう。

それから動物病院へ連れて行き、必要な検査や予防接種、避妊手術の予約を済ませたのでした。ところがこの後、思いもよらぬ展開を迎えます。

なんと小夏ちゃんは既に妊娠中だったのです。日に日にお腹が大きくなっていきました。動物病院で妊娠が判明したとき「こんなに未成年のように見える子でも妊娠してしまうのだ」と、驚いたそう。

その後、無事6匹の子猫を出産した小夏ちゃん。華奢な体で懸命に育児に励んだものの3匹は虹の橋へ。旅立った子たちのためにも、残った3匹の育児に奮闘したそうです。

子育ての様子を間近で見守り続けた飼い主さん。「初産で、まるで子どもが赤ちゃんを産んでしまったような感じでした。3匹が部屋を動き回ると、一緒になって楽しく遊んでしまうほど小夏も子どものようでした。母猫というよりは、お姉ちゃん猫みたいでした」と、当時を振り返っています。

時は流れ、3匹の子猫達はすくすく成長し、里親さんの元へ巣立って行きました。そして小夏ちゃんは、予定通り避妊手術を受けることに。保護当初は2.7kgしかなかった体重も、術後4.2kgにまで増えたそう。まるで少女のような姿だった小夏ちゃんが、立派な大人へと成長を遂げたのです。

“お母さん”から飼い主さんの相方へ!!

人生経験ならぬ猫生経験が濃い小夏ちゃん。どこかしっかり者の印象を受ける顔立ちですが、性格はおとなしく甘えん坊なのだそう。そして、ちょっぴり怖がりさんの一面があるのだとか。

「とてもビビりで、すぐにベッドの下に入ってしまうのでベッドの下はふさいで、ダンボール箱など隠れる場所を作りました。今は、怖い時はそこに隠れています」

お互いを思いやる飼い主さんと小夏ちゃん。その強い信頼関係は、小夏ちゃんがある特技を身につける後押しもしたようです。

それは「ベル鳴らし」と「お手」!中でもベル鳴らしの完成度は高く、用事があると自らベルを鳴らして知らせるようになったそう。

「とても賢いです。親バカですが(笑)『ねぇねぇ』とポンポンしてきてかわいいです」

とても芸達者で甘え上手な小夏ちゃんは、飼い主さんにとっては家族であり、相方のような存在なのだそう。

「私が家にいる時は、ほとんどそばにいます。私の疲れや辛いことなどを受け入れてくれてます。猫は、性格も癖も人間並みに色々です。飼い主の思うようにはならないことが大前提だと思います。愛情をかけていけば、そのうち応えてくれるかもしれません。もし、猫にされたくないことがある時は、先手を打つようにすればされません(笑)」

小夏ちゃん、飼い主さん、素敵なエピソードをシェアしてくださり、本当にありがとうございました!

※この記事は、取材協力者さまのご了承をいただいたうえで制作しています

取材/ねこちゃんホンポ編集部
文/めろんぱん

小夏ちゃんをチェック♪

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