みんなの保護猫物語〜こばんちゃんとの出会い〜

みんなの保護猫物語〜こばんちゃんとの出会い〜

最近では、外で暮らしていた猫を保護し、家族に迎える人も増えてきました。飼い主さんと保護猫ちゃん、どのように出会って、どんなふうに共同生活を築き上げているのでしょうか?飼い主さんのリアルな声をお届けします!

招き猫の日に保護された「こばんちゃん」

今回の主役は「招き猫の日(9月29日)」に保護された、こばんちゃん。ゴールドの瞳が美しい生後5ヶ月の女の子です。

この可愛らしいお名前は、“招き猫が抱えている小判”が由来になっています。保護された日や、母猫とはぐれてしまったという経緯から、「これからは幸せになってほしい」という願いを込めて小学生の息子さんが名付けたそう。

猫が大好きな息子さんは、猫と暮らす日を夢見ていました。飼い主さんご夫婦も前向きになっており、昨年9月には保護猫活動をしているご近所さんに相談してみようという計画も立てていたそうです。当初は共働きということもあり、成猫を候補に考えていました。

ところが、予想外の展開を迎えることになります。9月29日の夜、ご主人の実家から「庭に子猫が置き去りにされているが母猫の姿が見えない。うちでは飼えないから誰か育ててくれる人を知らないか」と連絡が入ったのです。

偶然にもこの日、飼い主さんは「いつか猫と暮らすときのために」と通販サイトで猫のおもちゃを購入したそう。不思議な縁に導かれるように、飼い主さん一家はこばんちゃんに会いに行きました。

連絡を受けた時は「まだ目も開いていないくらいの子だということだったので、そんなに小さい子はとても世話できない」と思っていたそうです。しかし実際に対面してみると、「このままではこの子は生きられない、何としても助けなくてはいけない」という思いに駆られ、家族に迎えたのでした。

保護直後のこばんちゃんには大量のノミやダニが付着しており、ノミ取りのクシが真っ黒になるほど大変なものだったそうです。獣医さんも「こんなについているのは珍しいくらい」と驚くほどだったと言います。

お家にやってきた当日は、ミルクこそ飲むことはできなかったものの力強く鳴いてくれたのだとか。飼い主さんは、「この子の生命力は強いのかもしれない」と感じたそう。翌朝動物病院へ行くと、体重わずか155g、生後2週間程度の月齢であることがわかりました。

この月齢の子猫は授乳や排泄のケアが欠かせません。「とにかく必死」にお世話をしたという飼い主さんご家族。仕事で忙しい平日は、お義母様がサポートしてくれました。

猫が苦手だったお義母様も、こばんちゃんと触れ合ううちに「可愛くてたまらなくなった」と、猫に魅了されたそうです。

そして、飼い主さんにはもう1人頼もしいサポーターがいたのだそう。それは、動物看護師をしている妹さん。気になることがあるとLINEで相談していたそうです。

こばんちゃんのことになると何かと心配性になるという飼い主さんは、「離乳前後はおなかの調子が悪いことがあり、何度も病院に行きました。今も気になることがあるとすぐに動物病院に行っています」と、気にかかることがあった時はすぐに対応するように心がけているそうです。

心強い味方に支えられ、皆に愛されて育ったこばんちゃん。保護当初ははかなげな印象でしたが、今では輝くような瞳がかわいらしい美猫ちゃんに成長しました!

こばんちゃんが教えてくれた「日常の中にある幸せ」

すっかり美系のサバトラさんへと成長したこばんちゃん。性格はとても優しく、怒ることが全くないのだそう。抱っこをされても困った顔をするだけで反撃することはないそうです。

そして、息子さんとも息ぴったりで、よく一緒に遊んでいるのだとか。飼い主さんは「猫ってこんなに穏やかなんだ!」と驚いています。

とはいえ、まだまだ遊び盛りなお年頃。人の肩に乗って遊んだり、息子さんの足に絡んで遊ぶことが大好きなのだとか。猫じゃらしで遊ぶときは高いジャンプを披露してくれるそうです。

また、こばんちゃんは食にも目がないのだとか。離乳後は食べムラや飲みムラが気になったそうですが、現在は食べることが大好き!「食事後もフードの入っている缶を頭で開けようと何度も挑戦しています(笑)」と、食欲旺盛なのだそう。

こうして、こばんちゃんとの運命的な出会いから5か月。

これまでの日々について、「哺乳瓶でミルクが飲めた、自分で排泄ができた、お皿から水が飲めるようになった、フードが食べられるようになった…と出来ることが増えるたびに嬉しかったです。人間の子育てと同じだと感じました」と振り返る飼い主さん。

さらに、「昨年は仕事のストレスが多くしんどい日々が続いていたのですが、こばんが家族になってからはふとしたことで幸せを感じられることが増えました」と教えてくれました。こばんちゃんの愛情表現の1つ1つが飼い主さんを救ってくれたようです。

一方、こばんちゃんの家族(母猫とそのきょうだい達)に思いを馳せることがあるという飼い主さん。

「今年の冬は雪が多かったので、こばんのお母さん猫やきょうだいたちは外でどんな暮らしをしているのだろうか、と心配にもなりました。すべての猫たちに幸せな一生を送ってほしいと願っています」

こばんちゃん、飼い主さん、素敵なエピソードをシェアしてくださり、本当にありがとうございました!

※この記事は、取材協力者さまのご了承をいただいたうえで制作しています

取材/ねこちゃんホンポ編集部
文/めろんぱん

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