猫が落ち着く場所の特徴
安全を感じられる所
猫が落ち着くために最も重要なことは安全を感じられるかどうかです。ご存知の通り、猫にはハンターの習性があります。視力自体は人間より劣りますが、とにかく動くものを追うのが得意です。これは獲物を捕らえるためだけでなく、身を守るためでもあります。敵がいないか観察し、危険を感じると安全な場所へ移動します。ライオンのようなサバイバル能力があり、本能的に安全な方へ足が向くようです。そのためゆっくりとお昼寝をしている時でも、すぐ逃げられるよう部屋のドアが開いているか確認している光景も見られます。
周りが見渡せる高い所
高い所は安全を感じられる場所の一つです。部屋の状況を把握し、危険があればすぐに察知できるからでしょう。猫はとても用心深い動物なのでいつも観察を欠かせません。まるでビルの警備員が不審者が来ないか高い所から監視しているかのようですね。低い所に比べて敵に見つかりにくいのでリラックスしやすいと言えます。また他の猫に対して優位性を示すという意味もあるそうです。
暗くて狭い所
自分の体に比べて極めて小さい箱や穴に入るのがとても好きです。クローゼットの中やダンボールの中、棚と棚の隙間なんかも見ると入りたくなります。これもやはり安全性に理由があり、身を守ったり獲物があれば取られないように隠れたり、精神的に落ち着けるからです。私達の飼っている猫の祖先はヤマネコという種類だと言われています。ヤマネコはもともと砂漠に生息していて隠れる場所がほとんどなかったので、狭い岩場を見つけて隠れていたそうです。その習性は途絶えることなく今も続いています。
柔らかい所
ベッドやイスのクッション、ブランケットなどフカフカしているところも大好きです。特に冬は体の温度調整をするため、私達が服を着るようにフカフカした場所を選びます。また夏になると火照った体を冷やすために、ヒンヤリ冷たい床に寝そべることが多くなります。柔らかい布は猫がどんな体勢を取っても包み込んでくれるのも、猫が好きな理由かもしれません。
人がいる所
甘えん坊や高齢な猫は特に人が近くにいる場所を好みます。飼い主や一緒に住んでいる家族など、普段お世話をしてくれたり遊んだりしてくれる信頼出来る人の近くが落ち着きます。寄りそって寝そべることもあれば、飼い主さんを見守るようにしている猫もいます。
お家で出来る5つの事
①部屋のドアを開けておく
暗くて狭い場所に入るのは好きな猫ですが、ドアの閉ざされた部屋にいると落ち着きません。いざという時の逃げ道を確保出来ないと不安を感じてしまいます。いつでも自分の気分で部屋の外に出られるように、ドアを開けておいてあげましょう。そうすれば落ち着いて過ごす事が出来ます。
②それぞれの部屋に居場所をつくる
太陽の光を感じたい、狭い場所に入りたい、人のいる場所にいたい、猫にもその時の気分があり、いつも同じ部屋にいるとは限りません。どこにいても落ち着ける場所があれば、ストレスを防げます。イスやカゴなどを用意してお気に入りの場所を各部屋に作ってあげましょう。丸まってスヤスヤと寝ることが出来れば、そこはもう猫の居場所です。
③高い所にも行けるようにする
高い所は上から下の様子を見渡せ観察好きな猫にはベストポジションです。しっぽをゆらゆらさせながら観察する姿はとても落ち着きがあります。お家の中でも安全に高い所へ行けるよう、キャットタワーなどのアイテムを使ったり、猫専用に階段を作ってあげましょう。
④ベッドやイスにブランケットを敷く
ベッドやイスのように少し高さがある場所も落ち着けますが、ブランケットなど柔らかい布を敷いてあげるとより快適に過ごせます。温かい場所を好む猫が落ち着けるのもわかるでしょう。爪が引っかかることもあるので、縫い目が細かく少し厚みのある生地を用意してあげます。
⑤小さい箱を置く
猫は遊び心も持ち合わせています。猫の体より小さいダンボールや空き箱を置いておくだけでも、すっぽり体をはめ込んで安心感を感じることができます。身を隠す習性にぴったりですね。
まとめ
猫は大切な家族ですので、本来の習性や性格を尊重することが大切です。砂漠やジャングルのような敵のいない安全な家の中でも、落ち着くために高いところや狭いところ、周りを見渡せる場所を必要としています。猫の居場所を一つに絞ってしまうのではなくそれぞれの部屋に作り、その時の気分で落ち着く場所を決められるようにしてあげましょう。猫は縛られるより、自由にさせてくれることを求めているので、自由でリラックス出来る環境作りを心がけてくださいね。