【私と愛猫との出会い〜ハクさんの体験談〜】
2020年11月上旬、姉から「職場の人が傘立ての中で子猫を見つけたらしい」との連絡が入りました。そのとき、姉も私も保護するつもりは一切ありませんでしたが、私が子猫の姿を見てみたくなり、姉に写真を送ってほしいと頼んだのです。
そしてその日のお昼頃送られてきたのは、怖がりながらもこちらに向かって威嚇しているサバ白柄の子猫の写真。その写真を見た時、私はふと「この子、引取り手が見つからなかったらどうなるんだろう…?」と疑問に思いました。
すぐさま姉に聞いてみると、もし引取り手が見つからなければおそらく保健所行きになるだろう、との答え。そしてその後すぐ姉から、未だに引取り手は見つかっていないとの追加情報が入ってきました。
その追加情報が入ってきた瞬間、私は「あ、この子引き取ろう」と直感的に思ったのです。
もちろん、命を飼うというのは簡単に決めていいものではないのは分かっていました。それに、我が家には先住猫が4匹もいますから、尚更直感で決めてはいけなかったのかもしれません。しかし私は、保健所に行く可能性がある子猫を放っておきたくはなかったのです。
引き取ろうと決めた後、まずは家族に許可を取らねばと思い、基本的に我が家の決定権を握る母に相談しました。すると「これで最後よ」という言葉と共に、案外すんなりと許可が下りたのです。
そういった経緯を辿りながら、サバ白柄の子猫は拾われた場所の名前の一部をもらい、「ぞの」と名付けられて我が家に保護されることとなったのでした。
ビビりまくりなぞの
元野良猫なせいか警戒心が強く、ビビり体質なぞの。その警戒心が原因で「ここでやっていけるのか?」と不安に思ったこともありました。
ご飯を食べてくれない…
ぞのが我が家に来た当初、警戒する余りご飯を全然食べてくれませんでした。
健康的な成猫の場合であれば丸1日程度なら食べなくても大丈夫だそうですが、ぞのは子猫。しかも、元野良だったために免疫が落ちており、肌荒れや目やになどの症状も出ています。そんな状態でご飯も食べないとなると、下手をすれば衰弱死してしまうかもしれません。
動物病院の先生にアドバイスを貰おうにも、閉院時間はとうに過ぎた後でした。そのため私は、ネットで情報を漁り、先住猫が食べなかった時の対処法を思い出しつつ実践して…。
そんな必死な思いの中、保護した日の夜中1時頃。私は「これが無理ならスポイトか…?」と思いながらも、ぞのを膝に乗せた状態で離乳食を乗せたスプーンをぐっと押し付けるように、ぞのの口元に運んでみました。
すると、最初は戸惑っていたものの、ゆっくりと食べ始めたのです。その後はお皿からも普通に食べられるようになり、量も増えていきました。
先住猫4匹との対面はドキドキ
ある程度様子が落ち着いてきたぞの。病院での検査でも特に異常はなく、うつるような病気も持っていなかったため、先住猫4匹と対面させてみることにしました。
まずはケージ越しから開始。4匹は興味津々、ぞのも何となく4匹に興味があるようで「思ったよりもお互い警戒していない?」とホッとした瞬間、ぞのが4匹に威嚇…。
しばらく様子を見ると、1時間も経たない内に自分に害を与えないと分かったのか威嚇は収まっていきました。とは言え、威嚇が収まるまでの1時間は「このまま威嚇が止まらなかったらどうしよう」「会わせるのが早すぎたか?」と不安しかありませんでした。
それでも5匹は私の心配をよそに、威嚇がなくなった後からはスムーズに対面が進み、最終的に直接会わせても最初の威嚇が嘘のように何も問題は起こりませんでした。
ぞのの元気さに皆が引っ張られる
ぞのが来てからというもの、運動不足気味だった先住猫4匹がぞのに引っ張られるかの如く、玩具で遊ぶようになりました。また、仕事で忙しく猫達と玩具でコミュニケーションを取るのを怠り始めていた私自身も、ぞのの可愛い遊んでアピールにより、自然と遊ぶ量が増えたように思います。
そして、遊ぶ量が増えたせいか、少食気味だった1匹の食べる量がほんの少しずつですが増えていき、そのおかげで痩せ気味体型から普通より体型へと変わっていったのです。
来た頃はきちんと馴染めるか不安だったぞの。今では私と先住猫達にこんなにもいい刺激を与えてくれます。
ぞの、現在推定8ヵ月!
来た頃は推定1ヵ月半でしたが、今では推定8ヵ月になりました。体質のせいか、保護する前の環境のせいか、成長スピードが平均よりも遅いですが特に病気もせず毎日元気いっぱいです。
出会った当初は威嚇してしまった先住猫達にもしっかりなつき、毎日のように遊んで攻撃を仕掛けています。先住猫達も遊んで攻撃を受けるのは満更でもないのか、程よく相手をしてその後は一緒にお昼寝をしたりして、仲良くやっているよう。
私に対しても、来た時のようなビビりな部分は一切なくなり、暇さえあれば撫でてアピールをかましてくる構ってちゃんへと進化しました。
まとめ
本来1つの命を保護するということは、とても大変なことなのだと思います。それでも私はぞのを保護したことを後悔することはありませんし、出来うる限りの力で幸せにするつもりです。
しかし、全ての猫がこんな風に保護されるとは思っていません。だからこそ「ぞのを拾って、保護出来て良かった、必ず幸せにするから」そう思います。それと同時に、1匹でも多くの子が幸せになってほしいと願い続けます。