セルカークレックスの抜け毛は多いの?
セルカークレックスの被毛はとても密でボリュームがあります。抜け毛の量については、あまり抜けないと言う人から結構抜けると言う人まで様々です。
もちろん同じ品種でも猫ごとに体質や毛質が違うこともありますし、人によっても抜け毛が多いかどうかは感じ方に違いがあるでしょう。
また、セルカークレックスは、カールした特徴的な被毛を持っていますが、どの色や模様でも同じようなカールになっていくのでしょうか?次に、抜け毛の量以外にもセルカークレックスが持つ被毛の特徴について説明していきます。
セルカークレックスの被毛の特徴
アメリカをルーツに持つセルカークレックスは、生まれたときからすでにくるくるとした巻き毛のかわいい被毛を持っています。
ただ、生まれた後は半年程度でそのカールした毛が一旦抜け落ちて、8~10か月頃から大人の毛が生え始め、その後2歳くらいの成猫になるまでの間に特徴的な巻き毛の被毛が完成するそうです。
被毛の長さ
セルカークレックスの被毛の長さには「ショートヘア」と「ロングヘア」の二種類があります。そして、どちらのタイプでもくるくるとした巻き毛を持つことが特徴です。
また、セルカークレックスのショートヘアは、カールがあるため一般的な短毛種の猫より少し長めの毛になっています。
被毛の色
セルカークレックスでは全ての毛色と模様が認められていて、「黒」「白」「クリーム」「チョコレート」など様々な色を持っています。模様も「単色」「タビー」「キャリコ(三毛)」「トーティシェル(サビ)」「バイカラー」「ポイント」などの模様を持っています。そして、どの毛色や模様でもセルカークレックスの被毛はカールするという特徴を持っています。
密な被毛
セルカークレックスの被毛はとても密に生えています。またその被毛は、3層構造になっていると言われています。
セルカークレックスの抜け毛やもつれのお手入れ方法
セルカークレックスの抜け毛は、抜けた後するっと落ちるのではなく、多くが密に生えたカールしている被毛の中に溜まっていきます。これも、セルカークレックスの抜け毛の量について人によって感じ方が違う理由の一つでしょう。毛の量が多いため、それなりの量の抜け毛が生じます。ブラッシング(コーミング)でたくさんの抜け毛を取り除いて「セルカークレックスは抜け毛が多いなあ」と感じる方もいるでしょうし、たくさんの抜け毛があってもそれがあまり落ちて来ずに部屋に抜け毛が少ないと「セルカークレックスは抜け毛が少ないなあ」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
抜けた毛が被毛の中にたまった状態で放置してしまうと、毛玉になってしまいます。またセルカークレックスには、皮脂の分泌が多い子がいるため抜け毛が絡まってマット状にもなりやすいでしょう。
毛玉やマット状になった毛を放っておくと、皮膚がひきつれて痛いだけではなく皮膚炎などのトラブルを引き起こすこともあります。そのため、セルカークレックスの抜け毛のお手入れは、定期的に行っていきましょう。
- ブラッシング(コーミング)
- シャンプー
- 蒸しタオルやシャプータオルで体を拭く
ブラッシング(コーミング)
【必要な回数】ショートヘアでもロングヘアでも、週に2~3回行う必要があります。
コーミングとは、コーム(くし)を使って被毛をとかすことです。セルカークレックスの特徴的なカールをきれいに保つためには、ブラシよりコームを使うことが勧められています。また、抜け毛を取り除き毛のもつれや絡まりを防ぐために定期的なコーミングは重要ですが、やり過ぎてもカールが伸びてしまうことがあるそうです。
一般的な長毛種の猫のお手入れでは、毛玉やもつれがある場合は「スリッカーブラシ」で取り除きます。スリッカーブラシはピンの先が尖っているので、地肌を傷つけないように力加減を調整してください。また、強くブラッシングをすると、毛が切れやすくなるので注意が必要です。
また「ピンブラシ」もロングヘアの毛の軽いもつれを取るのに使われます。獣毛ブラシは、ショートヘア、ロングヘアどちらにも使われますが、カールした被毛にはあまり適さないでしょう。
シャンプー
換毛期など特に抜け毛の量が多い時期は、シャンプーをして抜け毛を洗い流すことも効果的です。猫が嫌がらない範囲で行うと良いでしょう。
また、セルカークレックスには皮脂の分泌が多い子がいます。皮膚や被毛があぶらっぽくなりやすい子では、換毛期以外にも定期的なシャンプーをする必要があるでしょう
蒸しタオルやシャンプータオルで体を拭く
適度に冷ました蒸しタオルやペット用のシャンプータオルで拭いてあげると、より体を清潔に保ちやすくなるでしょう。
セルカークレックスの抜け毛対策の注意点
猫に快適にブラッシングを受けてもらうためには、以下のような工夫が必要になります。ブラッシングをする際はぜひ次の事項もご確認下さい。
- 子猫の時に慣れさせる
- ブラッシングのし過ぎに注意
- 優しいブラッシングを心掛ける
- 体表の状態を確認する
子猫の時に慣れさせる
子猫の時からブラッシングに慣れさせておきましょう。リラックスをしている時に毛が絡まっていない部分にブラシやコームを優しく添わせることから始め、道具や体の色々な場所をいじられることに慣れさせましょう。毛の絡まっている箇所がある場合には、一度で全部ほぐそうとするのではなく、痛い思いをさせずに行って猫が嫌がる前に終わりし、少しずつ解いていきましょう。
大人になり抜け毛の多い換毛期のブラッシングでは、猫が嫌がる場合には一度に全部の抜け毛に対応するのではなく、回数を分けて少しずつ進めていくと良いでしょう。
ブラッシングのし過ぎに注意
抜け毛が気になるからといって、あまり繁回にブラッシングをしてしまうとカールが取れてしまうことがありますのでご注意下さい。コームを使って優しく抜け毛だけを取ったり毛玉などをほぐしていくようにしていきましょう。
優しいブラッシングを心掛ける
セルカークレックスに限らず、被毛が絡まっていたり、毛玉が発生していたりする時は無理やり引っ張って取ろうとしてはいけません。ブラッシングが痛いものだと認識してしまうと、ブラッシングを避けるようになってしまいます。
絡まっている箇所を外側から少しずつ優しくほぐしていきましょう。ご自身でできない場合には、トリミングサロンや動物病院にお願いするのも良いでしょう。
体表の状態を確認する
セルカークレックスで皮脂を多く分泌する体質の子では、抜け毛も余計に体表近くに留まりやすいです。そのまま抜け毛を放置してしまうと毛が絡まってマット状になったり、そこで細菌などが繁殖してしまい皮膚炎につながることも考えられます。また皮膚があぶらっぽい子は、耳垢が出る量が多かったり耳の中が常に湿り気味になったりして外耳炎にもかかりやすくなっていることがあります。
ブラッシングをしながら、被毛以外にも次のことをチェックします。
- 体表にフケがないか
- 赤くなっている箇所はないか
- かさぶたや発疹が出来ている箇所はないか
- 部分的に毛が剥げている箇所はないか
- 耳垢が異常に多くないか、耳から嫌な臭いがしないか
これらを気を付けてみておきましょう。体表や耳に異常やいつもと変わったことを見つけた場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
セルカークレックスの抜け毛掃除のポイント
部屋に落ちた抜け毛を減らすためには、以下のような対策がとることができるでしょう。
- 掃除機を使う
- ぱくぱくローラー使う
- 粘着クリーナーを使う
- 空気清浄機を使う
掃除機を使う
抜け毛が部屋中に散らばりますので、掃除機でこまめに取り除くようにすることをおすすめします。ロングヘアよりもショートヘアの方が抜け毛が散らばりやすいです。
部屋の隅などに溜まった抜け毛を放っておくと、ダニなどが抜け毛などを餌にして増殖しますので、出来るだけこまめに掃除機をかけたほうがよいです。また、抜け毛はフワフワと漂ってしまうので、何回か往復しながらできるだけ取り残しのないようにしていきましょう。
ぱくぱくローラー使う
カーペットなどに付着した毛は、掃除機では取り除けないことがあります。そんな時は「ぱくぱくローラー」を使いましょう。何回か往復するだけで、驚くほど毛が取れます。ぱくぱくローラーは電気が必要ないので、使いたいときにすぐに使えます。
また、集まるのは毛だけではなく、カーペットの奥にある埃やチリなどのゴミなども取ってくれます。捨てる時は、本体のダストボックスに集まったゴミを捨てるだけなので、簡単に掃除をすることが出来ます。
粘着クリーナーを使う
服などについた毛は粘着テープがついているクリーナーをつかうと綺麗に取れます。大事な服は少し粘着力の弱いものを使うことで服を傷めることなく、抜け毛だけを取ることが出来ます。猫の毛が気になる場合は、特にお出かけ前に使うと良いでしょう。
空気清浄機を使う
掃除機をかけていても、空中には柔らかい抜け毛が漂っていることがあります。そんな空気中にふわふわと浮いている毛を集めるために空気清浄機を使うと良いでしょう。中にはペットの毛や臭いに対しての機能を持った空気清浄機もあり、空気中にある細かい毛なども吸い込んでくれます。
空気清浄機は、抜け毛だけではなく、家の中に舞っているハウスダストなどのアレルギー要因になるものを吸い込んでくれるので、年中稼働させておくと良いでしょう。
空気清浄機を使う場合には、空気清浄機自体の定期的なお手入れも欠かせません。
まとめ
ふわふわモコモコとしたカールヘアが特徴のかわいいセルカークレックスの抜け毛のお手入れ方法などについてご紹介しました。カールしているという特徴的な被毛を持っているからこそ、丁寧な抜け毛のお手入れが必要になってきます。
これからセルカークレックスを飼いたいと思っている方、現在セルカークレックスを飼っていて抜け毛に悩んでいる方は、こちらの記事を読んでぜひ参考にしてみてください。
交配実験の結果から、セルカークレックスの巻き毛は不完全優性遺伝であることが示されています。巻き毛を持つ兄弟と同時に直毛の子が生まれることもあり、ヒゲがカールしているかどうかで生まれた時点から巻き毛の猫なのか直毛の猫なのかの区別がつくそうです。
不完全優性遺伝ということは、巻き毛のセルカークレックスには巻き毛遺伝子をホモに持つ(ペアで持つ)猫とヘテロで持つ(1つしか持たない)猫がいて、ホモかヘテロかでカールの仕方が少し異なるそうです。
巻き毛を持つ品種には他に、コーニッシュレックスとデボンレックスがありますが、3品種ともに異なる遺伝子によって巻き毛が生じています。