エルフキャットの見た目の特徴
猫好きな方でも「エルフキャット」という種類は、あまり知らない方が多いのではないでしょうか。
猫といえば、毛がモフモフというのをイメージする人が多いと思います。ですが、エルフキャットの見た目は普段よく見るモフモフの毛の猫のような姿ではなく、特徴があり個性的です。
エルフキャットと聞いただけでは、どんな猫か想像できない方やどんな猫か知りたいという方へ向けて、エルフキャットという猫について解説します。
スフィンクスの特徴を受け継いだヘアレスキャット
エルフキャットは、スフィンクスとアメリカンカールという猫種の交配により生まれた猫です。
スフィンクスは毛のない猫で、エルフキャットもそのスフィンクスの特徴を受け継ぎ、毛のないヘアレスキャットです。ですが、全く毛がないわけではなく、よく見ると産毛が生えています。
毛がほぼ無いため、猫に必ずと言っていいほど必要なブラッシングはする必要がないですし、服に毛がついたり、お部屋に毛が溜まったりすることがないので掃除も楽です。
また、毛がないので抜け毛が舞うこともなく、猫アレルギーの方でも飼える可能性があります。
外向きにカールした耳はアメリカンカールの血統
上記で説明したように、エルフキャットはアメリカンカールの猫種も入っているため、アメリカンカールの特徴である外向きにカールした耳を受け継いでいます。
ですが、アメリカンカールでも耳がカールしていない子も一定の割合で生まれるため、エルフキャットでも必ずしも耳がカールしている子が生まれるわけではありません。スフィンクスのようなストレートな立ち耳の子が生まれることもあります。
エルフキャットは、まだ血統が安定していないため、正式な猫種ではないですが、このカールした耳が特徴的でこれから徐々に人気が出てくると思われます。
顔や体の皮膚にシワが寄っている
スフィンクスの体の特徴を受け継いでおり、スフィンクスのように顔や体の皮膚にシワが寄っているのもエルフキャットの大きな特徴です。
ほとんどの猫種は毛で体が覆われているため、このように毛がなく体がシワシワになっているのは不思議に感じますが、でもそこが可愛かったりします。
毛が生えている猫では味わえないような触り心地があるかもしれませんね。
筋肉質な体型
エルフキャットは、筋肉質でとても運動神経がいい猫種です。猫は毛がないと体が細く見える子が多いですが、エルフキャットは毛が無い状態でもがっしりとした体形で、筋肉質な猫です。
そのため、すばしっこく動き、運動が好きな子が多いため、飼うことになった時にはよく遊んであげることが必要です。
エルフキャットが生まれた歴史
普段、ほとんど見かける機会がないエルフキャットですが、2004年にスフィンクスとアメリカンカールの交配によって誕生しました。
エルフキャットは、カレン・ネルソンとクリステン・リーダムという2人の女性が、耳のカーブしたスフィンクスから新しい猫種の繁殖を試みて生まれた猫です。
アメリカンカールのように耳が外側にカールしている「ハイランダー」という猫種を交配に取り入れたこともありました。しかし、そのハイランダー自体が猫種として正式に認められるのに何十年とかかった経緯もあり、ハイランダーと交配することには反対するブリーダーも多いようです。
スフィンクスとアメリカンカールを交配した猫がエルフキャットと呼ばれていますが、正式に血統登録団体に認められているわけではないため、エルフキャットは正式な猫種ではありません。
そのため、現在はスフィンクスの変種とされています。正式な猫種として認められるのには、時間がかかるかもしれませんが、繁殖しているブリーダーも増えてきています。
エルフキャットの性格
エルフキャットは見た目がかわいいというよりは、鋭い目つきで体もシュッとしているため、ちょっと怖い感じやクールなイメージに見えます。
ですが、見た目からは想像できないような甘えん坊だったり、人といることがとっても好きだったりする猫なのです。そんな見た目とギャップのあるエルフキャットの性格をご紹介します。
活発で運動が大好き
エルフキャットの特徴で筋肉質な体型と解説しましたが、その体型に伴って運動することが大好きで、とても活発な性格です。運動神経が良く、高いところに登ったり走り回ったりするのが好きな猫です。
そのため、エルフキャットを飼うことになった場合には、キャットタワーを用意したり、走り回れるスペースを確保したりすることが必要となります。
また、飼い主さんが毎日遊んであげる時間を確保しないと、猫が運動不足がなってストレスをためてしまうことになりますので、しっかりと遊ぶ時間を作るようにしましょう。
社交的で人と一緒にいることが好き
エルフキャットは犬に近い性格で、人が大好きな社交的な性格です。猫は気まぐれで人見知りな印象がありますが、エルフキャットはあまり人見知りしません。
そのため、家族が増えたりしても逃げたりせず、状況にすぐ順応することができます。飼い主さん以外でもなじみやすいので、しばらく自宅を空けてしまうといった際は預かってもらいやすいかもしれません。
寂しがりやでひとりでの留守番が苦手
猫はひとりの時間が多くても大丈夫なことが多いですが、エルフキャットはクールな見た目に反して、甘えん坊でひとりでいることが苦手です。
猫はよく寝る動物なので、昼間長く不在にしていても問題ないような印象ですが、エルフキャットはむしろ誰もいないと寂しくなってしまいます。
ひとりの時間が多いと、不安になって眠れなくなるとストレスになることもあるため、一人暮らしであまり家にいない方や留守番の時間が長くなってしまいそうな方には、エルフキャットを飼うことは難しいかもしれません。
猫も個体によって性格は様々なので、必ずしもエルフキャットが寂しがりなわけではないですが、そのような性格の子が多いため、飼う前には性格も考慮してあげると寂しい思いをさせずに済むかもしれません。
エルフキャットを迎え入れる方法
エルフキャットは2004年に誕生しましたが、まだまだ珍しい猫で普段見かけることはあまりありません。エルフキャットに興味を持って、迎え入れてみたいけど、どうやって迎い入れたらいいのだろうという方もいると思います。
そんなまだ珍しい猫エルフキャットの入手方法などをご紹介します。
珍しい猫種のためブリーダーからの購入が一般的
エルフキャットは珍しい猫種のため、知り合いから譲ってもらう、またはペットショップにいることはほとんどないでしょう。そのため、エルフキャットに一番出会いやすい方法としては、ブリーダーからの購入が一般的な方法となります。
ブリーダーは、それぞれの猫種を繁殖し育てて飼い方等を指導するといった専門的なお仕事をしている人たちです。ブリーダーは全国にいて、現在ではインターネットでもどんな猫が販売されているかを見ることもできます。
ですが、エルフキャットはまだまだ珍しい猫種ですので、ブリーダーでも販売していることが少ないため、見つけづらいかもしれません。
そのような場合には、スフィンクスのブリーダーがエルフキャットのブリーダーをしていることもあるため、スフィンクスのブリーダーに問い合わせてみてもいいかもしれません。
ブリーダーは猫についての知識が豊富で、飼い方や飼う場合の注意点などについても詳しいため、初めてエルフキャットを迎え入れる方や初めて猫を飼う方には、ブリーダーからの購入がおすすめです。
エルフキャットの値段の目安
ブリーダーの販売価格を調べてみると、エルフキャットの子猫の値段の目安は50万~60万円となっています。珍しい猫種のため、価格変動が激しく血統や性別などによっても変わってくるので、あくまで参考程度としていただければと思います。
実際に迎え入れてみたいと思った場合には、その時点でブリーダーに問い合わせていただくことが確実です。
里親募集サイトで探してみる
「里親募集」は、引き取り手がいなくなってしまった猫を里親として迎え入れるための手助けをしてくれるサイトです。
ブリーダーから購入することに比べると費用面が軽くなり、里親募集であれば行き場のなくなってしまった猫を救うことにもつながります。
ですが、エルフキャットはブリーダーで販売していることが珍しい猫種なため、里親募集に掲載されることはほとんどなく、出会うには根気よく待つことと強運が必要になります。
どうしても里親募集からが良いという方は、こまめに里親募集をチェックしてみるようにしましょう。
〈里親募集サイト一覧〉エルフキャットを飼う時の注意点
エルフキャットはモフモフの毛が生えている猫と違い、毛がほとんど無く掃除も楽で飼いやすい猫では?と思う方もいると思います。
ですが、逆に毛が無いことによって、普段気を付けるべきことや性格上からも、一緒に生活する際に注意するべき部分があります。下記のようなことに注意して飼うようにしましょう。
紫外線や寒さから猫の体を守る対策は必須
ヘアレスキャットは毛の生えている猫と違い、被毛といった遮るものがないため紫外線が皮膚に直撃します。そうすると、皮膚が炎症を起こしてしまい、皮膚炎になってしまうこともあります。
ヘアレスキャットは基本的に室内飼いとし、直射日光が当たる部屋などにはあまり行かせないようにしましょう。
また毛がある猫は、冬毛に生え変わることで冬の対策ができるため、寒さには強く、毛でおおわれていることから夏の暑さに弱いとされています。
ですが、ヘアレスキャットは毛がないため、毛で温度調節がしづらく、寒さも暑さもどちらにもケアが必要です。夏は日差しに当たると炎症を起こしたり、冬は毛で寒さを防ぐことができずに体調を崩したりしてしまう可能性が高いです。
そのため、エルフキャットを飼う場合には、室内の温度調節は必須となります。冬は暖房をつけてあげて、さらに暖まることができるクッションなどを用意しましょう。
夏には日差しの当たらない部屋で日焼けを防ぎ、暑くなりすぎないようにクーラーをつけてあげて、室内が寒くなった場合には体温調節ができるように毛布なども設置しておくといいでしょう。
皮膚へのダメージを防ぐお手入れやケガの対策を行う
ヘアレスキャットは皮膚の汗腺が毛のある猫より発達しており、暑い場合には汗をかきやすくなります。
そうすると、体が皮脂で汚れやすく臭いも出やすくなるため、こまめに体をペットシートなどで拭いてあげましょう。シワの部分にも汚れが溜まりやすいのでしっかり拭いてあげてください。
さらに、皮膚を保護する毛がないためケガをしやすく、爪で皮膚を掻いたりすると体に傷がつきやすいです。エルフキャットは運動が大好きなので、走り回った際にケガをすることがないよう、周りにあまり物を置かないなどの配慮が必要です。
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また、猫特有の後ろ脚の爪で皮膚を掻いたりする行動で、爪が伸びていたりすると掻いたときに傷となってしまうことがあるため、爪切りをこまめにするようにしましょう。
ケガや引っ掻き傷対策のために、猫用のお洋服を着せてあげるのもいいかもしれません。
運動できる環境を整える
エルフキャットは筋肉質で運動が大好きな猫です。自由に走り回れる空間の確保やジャンプしたりすることができるキャットタワーを用意してあげましょう。
また、飼い主さんは日々猫とコミュニケーションを取ることも大事です。飼い主さんもおもちゃで遊んであげる時間を毎日作ると、猫との距離もより近くなると思います。
とても活発な猫種なため、動き回ってケガをすることもあるかもしれませんので、激しく動き回ったあとには、体にケガをしていないかなども気にしてあげてください。
留守番の時間をあまり作らないようにする
エルフキャットは甘えん坊で人が大好きな性格です。そのため、ひとりでいる時間が苦手で寂しがってしまうことがあります。ひとりにされることがストレスとなってしまい、留守中にいたずらをしたり暴れたりしてしまうことがあるかもしれません。
あまり家を留守にする時間が長くならないようにしましょう。また、家族がたくさんいる家庭で飼うことは安心感を与えるので、そのようなにぎやかな家庭のほうが飼うことに向いているでしょう。
あまり寂しがるようであれば、他の猫を迎え入れるなど猫同士で遊べる環境を作るのもおすすめです。
まとめ
珍しい猫種であるエルフキャットについて詳しくご説明しましたが、知ってみたら飼ってみたくなった・気になるという方もいるのではないでしょうか。
特徴的な見た目でちょっとクールな感じがしますが、実は甘えん坊で寂しがりというかわいい性格です。まだまだ見かけることが少ない貴重な猫種なので、迎え入れるのは簡単ではないですが、迎え入れたらとっても愛らしい猫です。
遊ぶことが大好きでフレンドリーなエルフキャット、もし飼うことになった場合には、たくさん一緒に遊んでコミュニケーションを取ってあげてくださいね。