引っ越すからもう飼えない…保健所に持ち込まれた黒猫の運命は?

引っ越すからもう飼えない…保健所に持ち込まれた黒猫の運命は?

避妊までされているのに、引っ越しするので飼えなくなったとセンターに持ち込まれた黒猫のお話です。

引っ越しで飼えなくなった黒猫

センター持ち込み

引っ越しで飼えなくなったからと、1匹の黒猫がセンター(保健所)に持ち込まれました。

センターでは「殺処分になりますが、よろしいでしょうか?」と必ず確認しています。しかし、その人はこれまで愛猫として可愛がっていたであろう黒猫をセンターに置いて行きました。

引っ越しでセンターに犬や猫を持ち込みされるケースは珍しくありません。その人にとっては、引っ越しの際に捨てる家具や不用品と同じ感覚なのでしょうか?そういう人に説得を試みても「連れて行けないので仕方ないでしょ!」と言われます。

しかし、信じていた人に、突然、殺されるかもしれないセンターに持ち込まれる猫の気持ちは計り知れない戸惑いと恐怖でいっぱいになったことでしょう。

センター持ち込み

誰にも知られず

センターに持込される犬猫達は、センターのホームページでは公開はされません。公開されるのは、迷い犬猫たちだけ。飼い主さんがいる可能性があるので、お迎えに来てもらうために公開されているのです。

しかし、愛猫愛犬の持ち込みの場合は、飼い主さんがわかっているので公開する必要がありません。つまりその子が飼い主さんに持ち込まれた場合は、手続きをしたセンター職員さん達以外は誰にも知られないのです。

想像できますか?誰にも存在を知られず、不要な犬猫として処分されていくのです。誰も助けてくれる人は現れないのです。だって、その存在を誰も知らないのですから。

それほど恐ろしいことはないと思いませんか?どんなに泣き叫んでも、その叫びは誰にも届かないのですから。助けの手は誰からも差し伸べられないのですから。

私の地区のセンターでは、登録ボランティアであろうともセンターが一般公開している犬猫にしか会えません。センター職員さんが、相談してくれなければ、その存在は一切わからないのです。

存在

相談

この黒猫は運が良かったです。何故なら、センター職員さんが私達ボランティアにこの猫の存在を相談されたのですから。

避妊もされており健康そうでまだ若くもともと飼い猫だったから、里親が見つかるのではないかと相談されました。それで会ってみることになったのです。

最初は怖がってシャーシャー言ってましたが、すぐに触れました。

公開できない

この場合、私達は管理棟での面会時に写真や動画を撮れます。けれども、その映像を一般公開はできません。

公開せずに言葉だけで、里親探しをしなければなりません。そして本気で考えていただける希望者にだけ、その映像を見せることができます。

しかし、映像がなければ、誰も興味を持ってもらえません。なかなかハードな里親探しとなります。

奇跡的に

当時、別の猫の里親探しもしていました。同じ管理棟に収容されていたキジ猫です。

キジ猫は、迷い猫としてセンターが公開した1枚の写真があったので、SNSでその写真を投稿することができたので、たくさんの人たちが興味を持ってくれて、シェアされ拡散されました。

SNSで里親探しを懸命に手伝ってくれていた方に、電話でこの黒猫の存在を話し「興味がある方がいれば、紹介して欲しい」と伝えました。

すると、埼玉県の女性を紹介してくれました。こちらは山口県で距離があったため、リモートで里親審査と飼育環境をチェックしたところ問題が無かったため、黒猫の里親様になっていただくことになりました。

ノミダニ駆除、ウィルス検査(陰性)、ワクチン接種を行ってから引き渡すことになりました。

初期医療

レスキュー

里親さんとは空港で待ち合わせしました。キャリーケースは、あらかじめ里親さんがネットで注文し、私たちに送ってくれていました。そのキャリーケースを事前にセンター職員さんに渡し、その中に入れていただきました。

途中でパニックになって脱走するといけないので、里親さんには自宅に着くまで絶対にキャリーケースは開けないように約束をしていただき、首輪にはもちろん迷子札をつけました。

黒猫さんは、飛行機で羽田まで移動し、そこから車で埼玉県の自宅へと向われました。飛行機の爆音にかなり怖い思いをしたみたいで、お空の上で寒くないようにと私たちが着せていたお洋服が、おうちに着いたらおむつカバーのようになっていたようです。

お洋服

茶々ちゃん

黒猫は『茶々ちゃん』と命名されたのとのこと。「黒猫、茶々ちゃん。主人にも凄く甘ったれでゴロンゴロン娘になってます!私にもはじめは警戒モードでしたが、すぐにゴロンゴロンと懐いてくれました。毛艶もだんだんと良くなって来ましたよ。」と連絡をいただきました。

茶々ちゃん

新しい生活

里親さんの家には先住猫さんがいるため、念のために最初はケージで隔離していただいています。しばらく時間を置いて様子を見て、問題がなさそうと判断できるようになったら、いずれ家の中で自由にしてもらうことになるでしょう。

最後に

実は茶々ちゃんは、前の飼い主さんがベランダで網を張って飼っていた猫でした。暖かいお家の中は初めての経験だと思います。

寒くなる前に、安心して暮らせる終生のおうちを見つけられて本当に良かったと思います。

茶々ちゃんは、元飼い主さんがセンターに持ち込んだことで、殺されるかもしれないとても怖い思いをしたでしょう。今は、心も体も暖かい本物の幸せを見つけることができました!

※こちらの記事は動画や画像の撮影・制作・配信をしている団体より許可を得て掲載しております。
 掲載団体名:ディ・アンク

ディ・アンク

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