猫のせいで寝不足…夜寝てくれるようにする5つの方法

猫のせいで寝不足…夜寝てくれるようにする5つの方法

「猫に夜中たたき起こされて寝不足…」そんな飼い主さんはいませんか?今回は猫に夜中起こされて、寝不足になっている飼い主さんのために、寝不足におすすめの対策を紹介します。そもそも、なぜ猫が夜に寝てくれないのかについても解説するので、是非、参考にしてみてください。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫による飼い主の寝不足、その原因は?

ガラクタの上に佇む猫

「猫がなかなか夜眠ってくれない」「猫が夜中に起こしてくるせいで寝不足」といった寝不足の悩みを抱えている飼い主さんは案外多いみたいです。いくら可愛い愛猫といえども夜中に睡眠を邪魔されて、翌日寝不足になってしまうのは困ってしまいますよね。

ということで今回は、寝不足で悩める飼い主さんへ、猫が夜に睡眠を邪魔してくる時の原因と対処法を詳しく解説していきます。

室内飼いの猫は寝不足にならない

野生の猫であれば一日の間に様々な場所をうろうろしたり狩りをしたりするので、体力も自然と消耗していきます。しかし室内飼いをしている猫は当然家の中だけで歩き回ることしかできません。そのため、野生の猫と比べると室内飼いの猫は短い睡眠時間でも寝不足にはならず、活発に活動できる傾向にあります。そもそも猫は、昼間も短いサイクルの睡眠を繰り返している薄明薄暮性の動物なので、猫の夜の睡眠時間が短い、飼い主さんが寝ている時間帯にも活動することは猫としては全く不自然ではなく、夜中に猫が寝ていないからと言って猫が寝不足になるとは限らないのです。

その原因は

飼い主の寝不足の原因でもある、夜に猫が起きて激しく動き回る行動はエネルギーが有り余っている証拠です。特に昼間たっぷりと猫が睡眠をとっている場合、有り余ったエネルギーを消耗させるために夜泣きをして激しく動いている可能性があります。

猫にとって眠りやすい環境が整っていない

猫にとって家の中が「眠りにくい場所」であった場合、猫が夜中に寝ようとしても、なかなか寝付くことができず、結果、寝不足のままずっと起きている状態になっていることもあるのかもしれません。

その原因は

猫は、人間以上に音やにおいに敏感な生き物です。そのため、いつもと違う音が鳴っていることや、知らない人や生き物のにおいがしていると、猫は寝不足だったとしても目が冴えてしまいます。また、落ち着いて眠れるような猫用のクッションや布団、猫用ハウスなどが家にないといった状態も、夜に猫が安心して眠りにくい原因になりかねません。このことは特に、同居動物がいる場合には注意が必要です。それぞれの猫、それぞれの動物がみんな、安心できる自分だけの休む場所をいつでも使える状態にしておく必要があります。

夜の時間帯にお腹が空いている

猫によっては、空腹を覚えているせいで夜中起きているケースもあります。猫の食事の時間がずれていた、いつも置き餌などをしていて夜中に餌がなくなった場合、空腹を訴えるために寝不足の飼い主さんを起こそうとしている可能性も考えられます。

その原因は

猫も人間と一緒で、空腹状態だと目が冴えやすく、反対に満腹状態だと自然と眠くなってくるものなのです。飼い主さんが寝不足の時でもお構いなしにしつこく猫に起こされる場合は、何かしらのメッセージを伝えたいのだと考えましょう。

病気

今までは、猫が夜中に静かに寝てくれていたのにある時から突然、夜中に激しく動くようになったり鳴くようになった場合。病気のせいで夜に眠れないのかもしれません。

その原因は

からだに痛みや違和感を覚えているせいで眠れない、眠れないせいで寝不足になって余計に体調が悪い、それを飼い主さんに伝えるために、またその痛みや不快感がひどくて鳴いていて起きているのだとしたら、できるだけ早いうちに対策をとってあげることが必要です。これは特に老齢の猫に多く起こる問題でしょう。猫の体や動きに異変がないか昼間もよく観察しておきましょう。

寝不足な飼い主を救う猫を寝かす方法

眠っている猫

それでは以上の原因を踏まえた上で、おすすめの寝不足対処法を紹介していきます。猫が原因で寝不足に陥っているという人は、是非、以下の対処法を参考にしながら、寝不足改善をしてみてはいかがでしょうか。

1. 猫を昼間に遊ばせておく

猫を昼間のうちにたくさん遊ばせておけば、野生の猫と同じように体力が消耗されるため、夜になると体力を補うために眠りにつきやすくなります。「猫が夜中激しく遊び回って、大運動会を始めてしまう」という悩みを抱えている飼い主さんは、寝不足にさせられないためにも是非、猫と遊ぶ時間を増やしてみることをおすすめします。

1日数分程度しか猫と遊んであげていないという場合は、ストレス発散のため猫じゃらしなどを使って、たくさん遊ばせてあげると、大運動会を始めてしまうなどの行動が改善するかもしれませんよ。飼い主さんの寝不足を解消したいのであれば、猫のエネルギーを消費させることを考えましょう。
飼い主さんが時間をとることが難しければ、一人遊びできるおもちゃや電動の猫のおもちゃなどもおすすめです。また、垂直方向へ動くことは、猫の興味を誘って運動量が増えるでしょうし、猫の精神的満足にもつながります。キャットタワーやキャットウォークがなければ新たに設置してあげると良いでしょう。また、頭を使うことも疲労につながります。窓の外を見られる場所にお気に入りのベッドを置いてあげたり、窓に吸盤で取り付けるタイプの猫用ベッドを使うのも良いと思います。

2. 猫が寝る環境を整えてあげる

猫も寝不足を抱えているけど、寝床の環境が悪すぎるせいで寝付けないのかもしれません。そのような場合は、猫用ベッドや猫用ハウス、猫用のクッションなどを用意して、猫が寝不足にならないようにできるだけ快適な寝床を用意してあげましょう。

また、寝不足防止のためにできるだけ騒音が聞こえてこない部屋や、猫が安心するにおい(飼い主さんのにおいなど)のする部屋を、猫の寝室にしてあげるといった工夫をするのも寝不足防止におすすめです。

3. 猫の食事の時間帯を調整する

空腹のせいで猫が夜中に飼い主さんをたたき起こすことが原因で寝不足の場合は、猫の食事の時間を見直しましょう。ごはんを食べたら満足して寝付いてくれる猫も多いので、食事の時間を出来るだけ遅くする、飼い主さんが寝る直前にごはんを与えるようにする、といった改善方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。食べ過ぎにならなければ、夜中に置き餌をしても良いかもしれません。

飼い主さんをたたき起こして寝不足にしている原因を追求し、それを解消してあげることが猫を寝かせる秘訣だといえます。

4. 猫が入ってこない場所を寝室にする

様々な対策をとってみたけどイマイチ効果がなく寝不足が解消されない場合、いっそのこと猫が入ってこない部屋を飼い主さんの寝室にしてしまうのもひとつの方法です。

飼い主さんの寝不足状態がずっと続いてしまうのはからだにも良くないので、環境を整えているにも関わらず猫がしつこく起こしてくる場合は、寝不足解消のために飼い主さんが猫のいる場所から避難することも検討してみましょう。環境にも猫の体にも異常がなく、それでも構ってほしくて飼い主さんを起こそうとする場合には、無視して猫に諦めさせることも一つの方法です。

5. 体調に異変があるなら動物病院へ

もし猫の体調や行動に異変が見られる場合は、猫が体調不良に陥っている可能性が考えられます。そのため猫や飼い主さんの寝不足状態が続く前に、早い段階で動物病院に連れていきましょう。早い段階で動物病院に連れて行けば、症状が進行する前に病気を治せる可能性も高くなります。

【猫が夜中に眠りにくくなる病気について】

夜中に猫が眠れない、異常に活動する、鳴き続けるなどの原因になり得る状態には主に、痛みがある、甲状腺機能亢進症、認知症が挙げられます。痛みは膀胱炎や関節炎などで見られます。甲状腺機能亢進症は多くは高齢の猫ちゃんで見られ、異常に活動するようになる、よく鳴くようになる、食べる量が増えているまたは変わらないのに痩せていくなどの症状が見られます。これらの病気は薬によって症状を抑えることが出来ます。認知症の場合には、フードやサプリメントで症状を和げたり猫ちゃんも飼い主さんも穏やかに過ごせるように時には精神安定剤を使うこともあります。

獣医師:木下明紀子

まとめ

ソファーで寝るエジプシャンマウ

猫が激しく遊びまわり、飼い主さんをしつこく起こしてくるせいで、寝不足が続いていると余裕がなくなってしまいがちです。しかし一旦冷静になって、なぜ猫が寝ないのか原因を探ってみましょう。そうすることによって、自然と寝不足に対する対策が見えてきます。

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