猫のしつけ方の基本は?
猫のしつけは、猫の気持ちや行動の原因を考えながら時間をかけて行っていくことが大切です。猫のしつけは大変だというイメージがありますが、きちんと学習能力は備わっているので、習性やコツを理解してしつけることで良好な関係を築くことができます。以下で具体的なしつけの方法を見ていきましょう。
猫に効果的なしつけのコツ
猫の習性を利用する
猫には「古典的条件付け」と「オペラント条件付け」を利用したしつけが有効です。
古典的条件付けとは、無意味な刺激と生理的な反応が結びつく学習形態の一つです。例として、動物病院で予防接種をされた猫が白衣を見ると逃げようとする、キャットフードの缶詰を開ける音で飼い主の元に寄ってくるなどの行動が挙げられます。飼い猫の名前を呼びながら叱ると猫が名前を呼ばれるたびに萎縮してしまうため、叱り方には注意が必要です。
オペラント条件付けは、行動の結果によって環境が変化すること学習させ、それを自発的に行うようにするという理論です。例えば、お座りをしたら餌を出すようにするとお座りをする回数が増え、遊びの途中で噛んだ時に遊びを中断すると徐々に噛まないようになっていきます。時間が経ってしまうと学習の効果が薄れるため、行動を起こした直後に変化を与えるとよいでしょう。
ご褒美はじらす
猫は期待感や緊張感ある時に学習能力が上がるとされているため、ご褒美をじらしてから与えるとしつけの効果が高まります。ただし時間をかけすぎると猫が興味を失ったり飼い主との信頼関係が薄くなったりしてしまうので注意が必要です。
ご褒美は必ずしも餌やおやつである必要はありません。なでる、グルーミングをする、おもちゃで遊んであげるなど、飼い猫が喜びそうなことをしてあげましょう。
しつけの方針を一貫する
人や状況によってしつけの方法が違うと、猫が正しいルールを覚えるのに時間がかかります。ご褒美を与える時のルールや禁止事項などを家族と共有し、しつけの方針を一貫するとよいでしょう。
犬ほど数は多くありませんが、動物愛護センターや自治体によっては猫のしつけ教室をやってくれているところもあります。しつけの方法に困った時はそれらを受講してみるのもよいかもしれません。
子猫のしつけのコツ
社会化期は人に慣れさせる
社会化期とは住む環境や人に慣れて生活に必要な力を養う時期のことです。猫の社会化期は生後2~9週と非常に短いですが、この期間に人と多く関わることで、愛情深くしつけのしやすい猫になると言われています。子猫の様子を見ながら少しずつ接触時間を増やし、人との生活に慣れさせていきましょう。
ストレスの原因を取り除く
猫が問題行動を起こす時は、要求を通そうとしている場合もあれば様々な要因でストレスを抱えている場合もあります。例えば、噛む理由には長時間なでられることを不快と感じている、病気やけがをしているなどが考えられます。猫の様子をしっかり観察し、理由が明確であればストレスの原因を取り除いてあげるようにしましょう。
また、猫が噛んだり引っかいたりするのは本能的な行動でもあります。しつけの一環として、噛んでもいいおもちゃを与える、爪とぎ用のグッズを用意するなど、代替物を用意してあげるのもよいかもしれません。
猫のしつけで体罰は必要?
猫に体罰は必要ない
猫には、叩く、殴る、閉じ込める、恐怖を与えるなどの体罰が必要ありません。猫は犬に比べて学習能力が低く罰を理解できないため、体罰によるしつけを行っても効果がないと考えられています。どこで何をすると正しいのかや、ルールを守ることでよいことがあると教える方が効果的だと言えるでしょう。
猫に体罰をするデメリット
体罰を行うと、痛みや恐怖によって飼い主と猫の信頼関係が崩れるというデメリットがあります。問題行動がひどくなったり、怒られると感じて逃げ出すようになったりする可能性があるため、体罰によるしつけを行うことは避けましょう。
体罰の代わりにできること
猫がいたずらをしたり噛んだりした時は「ダメ」、「やめなさい」などひと言で終わる言葉で伝えるようにしましょう。少し大きめの低い声で言うとより効果があります。
音や道具を利用する場合は、猫の顔の前で手をパンッと叩く(猫だまし)、霧吹きで水をかけるなど、猫が驚く程度に留めましょう。インターネットやペットショップでは様々なしつけ用のグッズが売られているので、それらを利用するのもよいでしょう。
猫のしつけに効果があるグッズ
コンビネーションサークル にゃんこ向け2段+スペースセット
組み合わせパーツを使って自由に広さを変えることができるサークルで、引っかき癖や留守番のしつけに有効です。上下2段にすることができるため、猫が広々と運動をすることが可能です。子猫から成猫まで使えるだけでなく、他のセットと組み合わせれば多頭飼いにも対応できます。
猫ちゃん大好き つめとぎ ソファ M
爪とぎとソファが一体化したおしゃれなしつけグッズで、猫に爪とぎの場所を覚えさせることが可能です。Mサイズは幅が60センチメートル、奥行が28センチメートルと猫の体が収まる大きさなので、ソファの上でくつろぐこともできます。インテリアとしても邪魔にならないデザインが嬉しい商品です。
ヒッカキノン100(100mL)
臭い、辛み、酸味を利用したしつけグッズです。猫が嫌う成分を配合しているので、傷をつけられたくない家具やスリッパなどにスプレーするだけで猫が近づかなくなる効果があります。スプレー液は透明なので、スプレーしたものに染みがつかない点も安心です。
トーラス おマル上手トイレしつけスプレー
マーキングの習性とフェロモン類のにおいを利用したトイレのしつけ用グッズです。トイレの中央にスプレーするだけで、猫がおしっこやうんちの場所を覚えやすくなります。トイレのトレーニングを始める子猫に使うとよいかもしれません。
Leeko クリッカートレーニング
クリッカーとはボタンを押すとカチッと音がするしつけグッズのことです。犬に利用されることが多いですが、猫にも使うことができます。おすわりなどの行動ができた時に音を出してすぐにご褒美を与えることで、猫に「この行動は正しい」、「この音がしたらご褒美がもらえる」と学習させることが可能です。
まとめ
猫のしつけには時間と忍耐力が必要ですが、きちんと向き合うことできちんと学習させることが可能です。体罰は必要なく、猫の習性を利用したりご褒美をじらしたりすることがポイントとなるようです。しつけ教室やしつけ用のグッズなども利用しながら、猫との良好な関係を築くことができるとよいですね。