英国の首相チャーチルと猫のジョック
チャーチルとジョックの出会い
もともとチャーチルは動物好きとして有名だったようですが、その晩年、彼が88歳のときに秘書から誕生日プレゼントとして贈られたマーマレード色の仔猫(茶トラ)をジョックと名付け、溺愛していたそうです。
その初代ジョックが食卓にいなければ、食事もとらなかったとか…ある意味、猫依存症ですね。
チャーチルの遺言
ジョックを愛するがあまり、チャーチルは
「チャートウェル・ハウス(チャーチルの邸宅)では、初代ジョックに似ている茶トラ(ただし胸と前手の先は白い猫)を飼い続けること」
と遺言を残したそうです。
チャートウェル・ハウスはチャーチルの死の翌年からナショナルトラストの管理下にありますが、彼の遺言どおり、今も茶トラ猫の引き継ぎが行われ、2018年現在ではジョック六世がその務め(?)を果たしています。
ジョック五世に会いに行く
チャートウェル・ハウス
2012年、ロンドン旅行を計画していた筆者はチャーチルとジョックの話を知り、ネットで検索したところ、なんとも可愛らしいジョック五世の画像を発見してしまいました。
もともと茶トラ好きだったため、迷わずチャートウェル・ハウス行きを決定。旅のメインイベントの一つに「ジョックに会うこと」が追加されました。
チャートウェル・ハウスは、ロンドンから一時間ほどで行けるケント州にあります。邸宅の見学や敷地内の散策なども楽しめるため、特に猫目当てではない人にもお勧めです。
ジョック五世と対面
チャートウェルに到着した筆者は、邸宅の見学も後回しにしてジョックを探しました。わりと広大な敷地なので歩き回りましたが、邸宅の裏口付近でジョック発見!予想以上にかわいいです!!
買い物袋を地面に置いて、無我夢中で写真を撮っていると、ジョックが袋の上に乗ってくれました。か、かわいい!
ふと、ジョックが足元に転がっていた灰色の塊をチョイ、チョイとつついていたので、なんだろう?と見てみるとネズミの死骸でした…ジョックが殺したのでしょうか…屋外で暮らす猫にとっては、日常なのかもしれません。気持ち悪いですが、座っているジョックがかわいいので、一応、写真を取りました。左手前に死骸が転がっています…。
チャートウェル見学
ひとしきりジョックと遊び(抱っこもさせてくれました)、写真も撮れたので、ジョックの暮らす場所をしばし見学しました。敷地内には菜園や花壇もあり、そこで黒猫さんに会いました。ジョックともお友だちでしょうか?
敷地内には大きめの池もあり、ブラック・スワンがいました。鳥も猫も共存しているんですね。
ジョック再び
邸宅と敷地の見学も終え、帰る前にもう一度ジョックに会いたい!と探したところ、ご機嫌にゴロンゴロンと転がるジョックがいました。
まるでストーカーのようにジョックについて回っていると、塀の上に飛び乗って、こちらに近寄ってきてくれました。変な日本人がついてくる…と気にするでもなく、ピュアなジョック。
その後も茂みに入ったり、窓辺でポーズをとってくれたりと、かわいすぎて消化しきれません。
ほかの観光客からも「あ、ジョックだ!ジョック〜♫」と声をかけられ、人気者のジョック。お別れするのがつらかったです(一方的に)。
終わりに
チャートウェルにはフェイスブックもあり、たまにジョックの様子がアップされます。
筆者は帰国後も「ジョックはどうしているかな…」とフェイスブックをチェックしていたのですが、知らない間にジョック六世に代がわりしていました。
ジョック五世は退職したスタッフに懐いていたため、そのスタッフに連れて行かれたそうです。六世もちゃんと白い手と胸を持つ茶トラさんなので、興味のある方はフェイスブックをご覧ください。六世も可愛いです。