猫を電車に乗せても大丈夫?
猫と一緒に電車に乗ることは可能です。
JRなど主な鉄道会社では、たて、よこ、高さの合計が120センチ以内の専用のケージやキャリーバッグに入れ、ケースと動物をあわせた重量が10キロ以内であれば乗ることができます。
また、頭だけケースから出ている状態は避け、必ず全身をケース内におさめるようにしましょう。慣れない移動でびっくりした瞬間に脱走してしまう可能性も考える必要があります。
同じ駅や車両を利用している人の中には猫アレルギーをもっている人や動物が苦手な人もいますので、お互いが気持ちよく乗車するためには事前に準備しておくことが大切です。
さらに鉄道会社によって既定のサイズやルールに違いがあるため、帰省やお出かけの予定がある場合は前もって利用する鉄道会社のWebサイトを確認しましょう。
細かいルールがわからない場合は直接鉄道会社に問い合わせると安心して乗車することができます。
猫と電車に乗るときの料金
猫と一緒に電車に乗るときの料金は無料の場合と280円か290円と有料の場合があります。無料と有料の違いは各鉄道会社によるものです。
一部の鉄道会社の料金をご紹介します。
- JR全社 :290円
- 東武鉄道 :無料
- 東京メトロ:無料
- 小田急電鉄:無料
- りんかい線:290円
- 阪急電鉄 :290円
- 名古屋鉄道 :290円
- 西日本鉄道 :290円
- 京阪電気鉄道:280円
- 無料
- 280円
- 290円
扱いはスーツケースや楽器などの大きめの荷物と同じ「手回り品」で、別途猫用の乗車運賃はどこの鉄道会社も必要ありません。
持ち込み料金がかかる鉄道会社は手回り品用の切符が販売されているのでそちらを購入しましょう。
猫と電車に乗る際に用意するもの
猫と一緒に電車に乗るときまでにぜひ揃えてほしいグッズをご紹介します。猫が電車に乗るケースは帰省や引越し、猫をお迎えする場合などが予想されますね。
どのシーンでも猫を長時間キャリーケースに入れて移動しますので、猫の身の回りの準備が不可欠です。ではどんなものが必要なのかポイントをおさえながらひとつずつご紹介していきます。
キャリーケース
猫を安全に持ち運ぶために欠かせないのがキャリーケースです。どの鉄道会社でも共通して提示していた注意点は、ケースの中に猫の全身が入っていること、周りに迷惑がかからない状態にすることです。
たとえば身体を密着させて猫を抱っこできるスリングの場合は、頭が出ていますし猫が出入りできるので使用できません。
ペット用のカートも猫がカートから飛び出す可能性があり危険なので使用はやめましょう。猫の全身を入れられるからといって、人が使う荷物を入れるためのリュックは使用してはいけません。
そもそも猫の体にあったつくりではないため、通気性も悪く体も不安定な状態ですので大変危険です。ペット専用のリュックが販売されているのでそちらを用意しましょう。
ベストなのは布製ではなく、ハードタイプのキャリーケースです。ぶつかったり落としたりした場合も壊れにくく、さらに猫にも安全です。
猫が中から壊してしまう可能性も低いので、これから用意する場合はハードタイプをぜひ検討してみてください。
ハーネスとリード
猫の脱走対策に役立つのでハーネスとリードも用意しましょう。そして電車に乗るまでの期間に猫にハーネスをつけて少しずつ慣らしてあげてください。
初めて電車に乗るとなると、猫がパニックを起こす可能性もあります。そんなときにハーネスとリードを事前につけておけばやむを得ずケースから出さなければいけないときに、猫を危険にさらさずにすむので必ず準備しましょう。
トイレシート
トイレシートはキャリーケースの下に先に設置しておく分と、予備でさらに数枚あると安心です。おしっこを吸収してくれるのと、慣れない電車に酔ってしまい嘔吐するケースも考えられるので排泄用と排泄以外で汚れる可能性を考えて多めに持ち歩くことをおすすめします。
ウェットティッシュ エチケット袋
ティッシュでもいいですが、水分が含まれている分きれいに拭きとれるのでウェットティッシュがおすすめです。さらにペット用のウェットティッシュなら猫の体周りも吹くことができます。
そして汚れたものをまとめられてにおい漏れも防げるエチケット袋も用意しましょう。ペットシーツが入るくらいの大きさのものがあるといいですね。
水とスポイト フード
体調不良にならないようにこまめな水分補給が必要です。しかしケージから出して与えると脱走につながる可能性もあります。
そんなときはスポイトがあればケージからでなくても水分補給ができますので、ぜひ水とセットで持っていきましょう。
猫は慣れない電車移動の中で空腹が続くと胃液を吐くことがあります。長時間の空腹を避けるためにフードを与えることもありますが、1食しっかり食べてしまっても吐く恐れがあります。
お気に入りのおやつでもいいですし、水分補給を兼ねてスティックタイプのウェットフードを用意しておくと食べてくれる可能性が高いです。
ケージの隙間から与えられるサイズのフードですと手軽に与えることができます。
猫のにおいのついたタオルやおもちゃ
猫が普段自宅で使っているタオルやおもちゃを用意しましょう。猫は移動の間慣れないケージの中にいなければならず、聞きなれない音や声もたくさん浴びるのでとても不安になります。
少しでもその不安を和らげるためにも、自分のにおいや慣れ親しんだ自宅の香りがするタオルやおもちゃがあるだけで安心できます。ぜひいくつか用意してあげてくださいね。
保冷剤 ホッカイロ(包むためのタオル)
外の気温や電車の温度を事前に予想して、保冷剤やホッカイロを用意しましょう。どちらも猫に直接あててしまうと危ないのでタオルを巻いて下さい。
夏はとくに蒸れてしまうので携帯用の扇風機をときどきケージの外からあてるのもいいですね。その場合は猫の毛が舞うことを予想して周りに人かいないことを確認してから行ってください。
猫と電車に乗るための準備
猫と安全に電車に乗るために前もって準備してほしいことをご紹介します。事前に確認をしておくことで飼い主さん自身の不安も減らせますし、準備不足で電車に乗れないなんてことも防げます。
たとえば初めて猫をお迎えすることになったとします。電車を使って受け渡し場所まで向かった場合、引き取りが完了した後の帰りの電車は猫と一緒ですね。
このように連れて帰る間だけでもしっかり準備をしていただきたいので、ぜひ参考にしてくださいね。
乗車運賃を確認する
確認できた料金のパターンはこちらです。
ペットの持ち込みが有料の鉄道会社の場合は、1ケースにつき280円か290円の支払いが必要です。無料か有料かは利用する鉄道会社によって違いますので事前に有人改札で確認しましょう。
また、引越しなどの長距離移動の場合はJRから地下鉄に乗り換えるなど、別の鉄道会社をいくつか利用することもあると思います。
このように前もってイメージするだけでも当日に焦る場面を減らせますので使用する路線をぜひ確認してみてください。
乗車規定を確認する
猫の持ち込みはできても適切なサイズのキャリーケースを使わないと乗車できませんので事前にチェックしましょう。
鉄道会社によってキャリーのサイズ、猫を含めた重さ、持ち込み可能な個数の乗車規定はバラバラです。乗車運賃と同じようにまずは使用する鉄道をすべて把握する必要があります。
多くの鉄道会社はたて、よこ、高さの合計が120cm以内ですが中には90cm以内が規定サイズの場所もあるので、乗り換え先も必ず確認してください。
また、重さの制限にも注意が必要です。ほとんどの鉄道会社は猫とケースを含めた重さが10kg以内としています。2匹の猫を1つのキャリーに一緒に入れるのは猫同士くっつくことで安心できるのでおすすめですが、重さが越えてしまうと利用できないので前もって体重をはかっておいてくださいね。
キャリーケースに慣れさせる
電車移動用にと新しくキャリーケースを買ったら、ケースを身近に感じてもらうために猫が出入りできるように出入り口をあけて置いておきましょう。自宅や自分のにおいがケースにつくので安心できますし、当日ケースに入ってもらいやすくなります。
防災時にも役に立つので、ぜひキャリーケースは普段からしまわずに部屋の一角に置いて猫に慣れてもらってください。
また、布製のキャリーケースは乗車を拒否される場合もあるので事前に鉄道会社に確認しておくといいでしょう。新しく購入する場合はする場合は必ず顔を含めた全身が入るタイプのキャリーケースを用意してくださいね。
乗り物酔いの対策をする
食事は乗車の2時間から3時間前に済ませておくと酔う可能性が低くなり吐き戻し防止になります。
しかし空腹でも胃液を吐いてしまうことも。乗車時間が長い場合は途中で少量のおやつを与えるなどして空腹を防ぐことも大事です。
中には酔いやすいタイプの猫もいますので、食べたがらない場合は無理をしてフードを与えなくても大丈夫です。こまめに愛猫の様子をみることを忘れないようにしてください。
温度管理に気をつける
猫の体の負担にならないように暑さや寒さ対策を行いましょう。電車内の温度は季節によって外との温度差が大きいのでとくに注意が必要です。
また、駅までの移動を含めた道中の温度にも意識して準備をしてあげましょう。タオルを巻いたホッカイロや保冷剤を上手に使ってください。
とくに夏場は熱中症の恐れもあるのでケース内に空気が通るようにして熱がこもらないような配慮が必要です。
脱走防止の対策をする
慣れない移動で猫にストレスがかかり普段とは違う動きをすることもあります。そんな万が一に備えてハーネスや迷子札、マイクロチップなどの対策を行いましょう。
とくにハーネスはリード付きのタイプがおすすめです。リードをしっかり持っていれば猫が飛び出してしまってもリードの長さより先にはいくことができません。猫の体のサイズに合ったハーネスをぜひ準備してください。
猫と電車に乗るときのマナーや注意点
電車にはほかの乗客の方が多く乗っています。猫が一緒に乗ると思って乗車していないので、猫を連れていくこちら側が周りに配慮する必要があります。
どのようなことに気をつけたらいいのか、猫が鳴き続けてしまったときどんな行動がベストなのか、それぞれまとめましたのでご紹介します。
人の少ない場所を選ぶ
猫アレルギーの乗客がいる可能性を考えて、乗車中なら人の少ない車両を選び、駅構内でも開けた場所を選びましょう。さらにキャリーを布で覆うなどをするだけでも毛の飛び散りを防ぐことができます。
ほかの乗客へのストレス対策にもなりますが、猫自身布で覆われていると安心できるためストレス軽減につながるのでぜひ活用してください。
鳴いたり暴れたら一度降りる
電車に乗ってから猫が鳴いたり暴れたりすることもあります。そんなときは無理をして乗車を続けずに次の停車駅で降りましょう。電車内で猫の鳴く声や暴れている音が続くとほかの乗客の迷惑になってしまいます。
閉鎖的な空間なのでうるさいと思う人がいるのは自然なことですので、まずは猫の安全を確認するのが第一です。聞きなれない電車の移動音に驚いてしまい震えることもあります。
安心してもらうために水やおやつを与える際には、事故防止のためキャリーはあけずに隙間から手を入れる程度に留めてください。
また、このようにやむを得ず途中下車することも想定して、移動時間には余裕をもたせて計画を立てるといいでしょう。
もし2匹一緒に連れていく場合、一緒のケースにするか別々にするか猫同士の相性や外出の慣れ具合によって検討してみるといいです。
キャリーをあけて触る
長距離移動の場合猫に安心してもらうためにと、キャリーをあけてなでてあげたくなるかもしれません。
しかし周りには猫アレルギーの方がいる可能性もありますし、猫が迷子になってしまう可能性も。事故につながるリスクをあげてしまいますので、キャリーをあけるのは絶対にやめましょう。
まとめ
猫と電車に乗るときに大切なのは前もって鉄道会社の乗車規定を確認すること、そして事前準備をしっかり行うことです。
そうすれば電車に乗ることができないなどのトラブルを防ぐことができますし、猫への負担も最小限にすることができます。
慣れない電車に乗る猫に合わせて移動してほしいので、目的地までの移動時間に余裕をもたせて計画を立てましょう。飼い主さん自身が落ち着いて移動することができれば、猫も必要以上に不安にならずにいられます。
猫をケースから出すことはできませんが、様子をみながらときどき隙間から優しく声をかけてあげてください。いつもそばにいてくれる飼い主さんの声で猫は安心することができますよ。