猫の耳カットは不妊手術済みの証
外を歩いている時に、耳の端っこがちょっぴり切れている野良猫を見かけたことはありませんか。単に猫同士の喧嘩で耳が切れてしまった猫も中にはいますが、実はそうではない野良猫もたくさんいるのです。
野良猫の耳が切れているのは「不妊手術済み」というマークでもあり、ボランティアによるTNRと呼ばれる活動で耳をあえてカットした猫の可能性が高いです。
猫に不妊手術をして耳に切れ込みを入れることを「耳カット」とよび、カットされた耳が桜の花びらの形に似ていることから、耳カットされた猫のことを「さくらねこ」とよぶ人もいます。
このTNR活動は日本だけでなく、世界中で行われている活動でもあるのです。
耳カットする理由
なぜ、わざわざ野良猫を捕獲して不妊手術や耳カットを行う必要があるのでしょうか。その理由は「猫の殺処分数を減らす」という目的にあります。
猫の殺処分とTNR活動がどのように関係しているのか、以下の項目で詳しく解説します。
なぜ野良猫の不妊手術を行うのか?
悲しいことに今でも年間に数万頭の猫が保健所に連れて行かれ、最終的に殺処分されています。殺処分される前に運良く里親が見つかるケースもありますが、それはまだまだ珍しいケースといえるでしょう。
しかも殺処分されているのは子猫であることが多いのです。せっかく生まれてきたのにすぐに殺されてしまうのはとても可哀想なことです。
そこで、野良猫が妊娠、出産を繰り返し、生まれた子猫が次々と殺処分されるという悲しい末路を辿らないように行われているのが、このTNR活動です。
これ以上猫が繁殖しないように猫に不妊手術を行い、その過程で耳カットも行います。
耳カットをすれば不妊手術済みかすぐに判断できる
猫が耳カットされていない場合、一目で不妊手術をされているか判断がしづらいです。そのため、TNR活動のために複数回捕獲されてしまうこともあります。
しかも、メスの場合は卵巣が摘出されているかどうかを判断するには、再度手術で開腹をしてみないとわからないこともあります。
すでに手術をしたにも関わらず、何度も不必要に手術をされることは猫にとって大きなストレスとなります。そのような事態を避けるために、一目で「不妊手術済み」と分かる目印として耳カットを行っているのです。
ちなみに、昔は耳カットではなく、猫の耳にピアスをつけていたこともあります。しかしピアスの場合、どこかに引っ掛けてしまうとピアスが取れてしまう可能性もあるため、今では耳カットが推奨されているのです。
耳カットされた猫に痛みはないの?
「耳を切られるなんて可哀想」と思う方もいるかもしれません。しかし、猫の耳のカットは不妊手術で麻酔をかけた時に行い、出血はほとんどなく、もし出血した場合でもきちんと止血も行った上で猫を解放してあげるので、猫にとって大きなストレスにはなりづらいと考えられています。
耳カットされる場所が違うのは?
耳カットされた野良猫をよく見てみると、右耳をカットしている猫もいれば、左耳をカットしている猫もいることに気が付きます。実はこれにもきちんとした意味があるのです。
メス猫に不妊手術をした場合は左耳の先端をカットします。そして、オス猫に不妊手術した場合は右耳の先端をカットするのです。
このように、猫の性別でカットする場所を変えることによって、不妊手術済みかどうかだけではなく、性別まで一目で判断できるというメリットがあります。
TNR活動とは
Trap(捕獲)、Neuter(不妊手術)、Return(返す)の頭文字をとってこのような名前をつけたのがTNR活動です。TNR活動を行っているのは、地域によって異なりますが猫好きな地域住民などが中心となって行っていることが多いです。
地域住民と協力しながら、野良猫を捕獲器で捕獲します。そして、捕獲した猫を動物病院に連れていき、不妊手術と耳カットも行います。自治体や病院にもよりますが、TNR活動の一環で不妊手術を行う場合は助成金が出るところもあるのです。
そして、耳カットを含め無事手術が終わったら捕獲した猫を解放してあげます。解放してあげた後も、猫を放置するのではなく、家の前に置き餌や猫トイレを設置しておき、猫が不自由なく過ごせるようにサポートします。
「去勢手術を行ったので一代で終わってしまう命だけど、その分地域が責任を持って面倒を見よう」というのがTNR活動における方針でもあるのです。
また、猫は食べるものがないとゴミを漁るような問題行動を起こすこともあります。それだけでなく、猫トイレがないせいで、勝手に人の敷地に入って排泄するといった行動も問題視されているのです。
そのような野良猫による問題行動をなくすために、置き餌や猫トイレの設置をしています。置き餌を放置し続けると腐ってしまうため「猫が食べたあとはきちんと後片付けをするように」とのルールも設けられています。
もちろん、猫トイレの掃除もこまめに行うようにしているため、排泄物による臭いがしないように取り組んでいます。
まとめ
耳カットされている猫は地域住民から愛されている証拠でもあります。地域で協力して野良猫に不妊手術を行い、殺処分を防ごう!という取り組みでもあるので、耳カットしている野良猫を見かけたらそっと見守ってあげてください。
20代 女性 茶々
保護して避妊や去勢手術までしておきながら遺棄するのは人の道に外れています。
猫ちゃんを含めた多くの動物の三大欲は、食欲、性欲、睡眠欲なのに、当事者である猫ちゃんの承諾も得ないまま避妊去勢手術をするなら責任を取って飼い猫にするか、責任を持って里親さんを見つけるべきです。
とくにひどいのが、里親募集サイトで、「育児放棄された仔猫を保護しました」とか、「地域猫が生んだ仔猫を保護しました」等と書きながら、「耳をカットしました。サクラ猫です」等と平気で書いている人は最悪です。
猫ちゃんを保護して室内飼いしていて、里親さんにも完全室内飼いを求めておきながら、耳を切るのは全く理由がありません。
この猫ちゃんは避妊や去勢手術済みですと里親さんに伝えたら良いだけです。
50代以上 女性 匿名
雄猫だし、見ればわかっただろうに何故去勢済み(=誰かの飼い猫かもしれない)の子の耳を切る? としばらくモヤモヤ(実はいまだに)してましたね。きっとサクラねこ推奨派の方々には外に出してしまったこちらの責任だと言われるのでしょうけど…。
耳は結構長い間ジクジクして痛々しかったですよ。触られるのも嫌がっていたし、切られて「麻酔かけたから痛くない」なんてどうしてわかるんでしょう?
帰宅してからは家猫として暮らしてますが、片っ端から捕獲して処置することを正義とする最近の風潮には少し違和感を感じます。最終的に絶滅を目指しているの?
近所で仔猫を見ることもなくなってしまいました。
20代 女性 猫とともに生きる
猫の耳を切るのが虐待だと考えるのは見た目が痛そうという勝手な人間の判断ですよね。
どちらも人間の勝手な行動のせいで猫がかわいそうでかもしれませんが、去勢することで猫はストレスが減り寿命も延びますし、実際にうちの近所の猫嫌いな家も、今までは繁殖期にうるさくなるとすぐに保健所を呼んで、多くの猫が保健所に連れていかれたので、今はこの活動のおかげで猫もうるさくなくなり、猫嫌いな家が保健所を呼ぶようなことはなくなりました。また、耳がカットされていたらそういうことだから呼ばないで見守ってあげてほしいと周知されています。猫嫌いな人がすぐに保健所を呼んで、何の罪もない猫が殺されていく最悪な環境のことを考えた場合、どちらが今生きている猫ちゃんの幸せになるでしょうか?猫嫌いな人が近所にいないのであれば、わざわざこの活動をする必要はないと思いますし、やたらめったらこういうことをしているわけではないと思います。
40代 男性 匿名
虐待云々を考えるなら先ずは、野良猫、捨て猫問題が解決して初めて言える事だと思います。
これは我々人間の身勝手なエゴが招いた結果です。
知人は無責任な捨て猫、野良猫を引き取って去勢や里親を探すNPO法人で活動をしていますが一番厄介なのは可哀想等感情だけは一丁前の癖に何も行動しない人が一番迷惑とよく言ってます。 場所は都心から離れた多摩や八王子なのですが公園が多い分捨て猫が多いんですよね。
私も微力ながら使わなくなったケージを提供したり里親になりたい人を探す等自身の出来る範囲でお手伝いはしています。
暴論になるかも知れませんが野良猫に餌をやるなら責任を持って飼う。
飼えなくなったら他人に後ろ指差されようが保健所に任さす己の手でその猫の生涯を終わらすぐらいの気構えは持って当たり前だとは思います。
当たり前ですが私も猫飼ってます。