猫の背中に隠された秘密
猫が猫背の理由
猫の背中は丸いことから「猫背」と言われています。猫背になるのは人間よりも関節が多いので、人間よりも柔軟に脊椎を動かすことができるのです。また、完全肉食性のため他の動物よりも腸が短くても生きていけるので、内蔵を支える必要があまり重大ではないようです。
猫背の柔軟性
- 丸まった背中は、獲物を捕らえるときにバネのように動かし、瞬発力を高める
- 高い所から飛び降りたり、落ちたりしても、背中を丸める柔軟性と衝撃を和らげるクッション性の働きがある
- 体の柔らかさから脊椎がどの方向にも曲がるので、内臓が自由に移動させることができる
猫の皮膚の特徴
人間の皮膚の層が10~15層からなるのに対し、猫は2~3層しかありません。そのため非常に柔らかく、よく伸び、弾力性に優れているそうです。また、一番外にある表皮が人間に比べて薄いと言われています。
猫の皮膚は微生物の侵入を防いだり、保湿の役目があったりするそうです。そして、猫の皮膚には様々な刺激を脳に伝えるのに必要な、感知器官が15種類もあるのです。人間と同じく、猫の皮膚も知覚神経と言って、感覚や痛みや温度を感じることができるのです。人間と違う所は、皮膚のほとんどが被毛でおおわれている所です。
背中を触ると反応するのは
猫の背中を触るとピクッと動くのは、触れた部分の皮膚に神経が多く集まり触れられた刺激に対して反応しているからかもしれません。
また神経質な性格もあり、少しの刺激でも敏感に反応してしまうのです。虫などが背中に止まったときに、毛を波立たせて追い払うこともあるそうです。背中に違和感を抱くと、知覚神経から毛を使い、守ろうとするからだと思います。
猫の背中が動く原因
寝ているとき
猫が寝ているときに背中をピクピクと動かすことがあります。それは、浅い眠りの「レム睡眠」ときに痙攣のような動きをさせるのです。背中だけではなく、手や足やヒゲが動くこともあります。追いかける夢や、怖い夢を見ているのかもしれません。
背中が痒いとき
背中や尻尾が痒くてピクピクさせることがあります。アトピーなどの皮膚の病気、ノミやダニが原因かも知れません。
違和感から痙攣を起こしているとき ①
猫が背中に違和感を抱いているときに痙攣を起こすようです。寝ているときの動きとは違い、痙攣が何分も続くようなら「てんかん」の可能性があります。
てんかんは、脳神経の回路異常が原因で起こる病気で、体を大きく震わせて手足が硬直し泡を吹くこともあるので、比較的気づきやすい病気です。
違和感から痙攣を起こしているとき ②
猫が背中に違和感を抱いて動かす原因に「知覚過敏症」と言われる病気があります。異常な行動をとり落ち着きがない状態になります。原因がはっきりとせずに、突然発作的に症状が出るそうです。てんかんから知覚過敏症の可能性もあります。
猫が知覚過敏症と判断されたら
知覚過敏症の主な原因
- 筋肉障害
- 神経疾患
- 皮膚炎
- 皮膚病
- 感染症
- ストレス
知覚過敏症の主な症状
- 背中がピクピク痙攣する
- 過度なグルーミング
- 人や物に攻撃的になる
- 急に走り回ったり、ジャンプしたりする
- 触ると嫌がる
- 過度に尻尾を振る
- 瞳孔が開く
- 一点を見つめる
- 頻繁に鳴く
知覚過敏症の治療法
猫に検査をしても知覚過敏症が起こる原因が突き止められないことがほとんどで、原因不明と言われています。環境の変化やストレスが猫の知覚過敏の引き金になっているとも言われています。
もしも猫に知覚過敏症の疑いがある場合は、環境の改善とストレスを与えない環境にしてあげることが第一です。猫の神経疾患や異常行動によるものは獣医さんの判断で、抗うつ剤、精神安定剤を処方してもらいます。
まとめ
今回、猫の背中を触るとピクッと動く理由について書きました。猫の背中は、皮膚が薄く敏感で反応しやすいのが理由と言えます。私も人に背中を触られるとゾクッとします。
人にもそれぞれ敏感に感じる部分があるように、猫の背中もそうなのだと思います。その過敏に反応するのが、背中に現れる病気に繋がると言うことが言えます。神経質で敏感な猫だから体にも出やすいのかも知れません。