猫が柔らかい体になった理由
猫が柔らかい体である理由とは一体何なんでしょうか?
猫が柔らかいのは狭い隙間に入るため
猫は本来、外敵から身を守る為や獲物を狩る為に、素早く隠れる必要がありました。また、瞬発力はあるものの、持久力がない為に長時間走って逃げ続ける事や、長時間獲物を追いかけ続けるのは苦手としています。
その為、身を守る為にも、獲物から隠れる為にも、どんな狭い場所にも潜り込める柔らかい体が必要だったのです。
猫が柔らかいのは骨が多いから
と言っても、もちろん徐々に猫の体が柔らかくなった訳ではなく、猫の骨格構造自体に柔らかさの秘密があります。人間の骨の数は約200個であるのに対し、猫は240個程の骨によって体が構成されています。
人間の場合、骨と骨が硬い靭帯によって繋がっているのですが、猫の場合は非常に柔軟です。背骨も緩やかな筋肉で繋がっている為、ビョーンと伸びたり、ぎゅっと丸まったりできるのですね。
猫はこのように多くの骨が、緩やかな筋肉で繋がっている構造である事から、ニャン体動物という言葉が生まれる程、柔らかい動きができると言われています。
猫が柔らかいのは鎖骨が無いから?
また、柔らかい猫は鎖骨がないと言われる事がありますが、正しくはとても小さな骨が、他の骨と連結せずに宙に浮いている状態である事から、頭の大きさに合わせて肩幅を縮める事ができるのです。「猫は頭が通る場所なら通り抜けられる」と言われるのも、この鎖骨が特異的な構造であるからですね。
ふにゃふにゃして柔らかい、愛くるしい猫の体ですが、本来は野生動物として生き残る為に必要だったものなのです。
猫の柔らかい所
猫の柔らかいところと言えば、どんな部位を思い浮かべますか?猫の柔らかい所についてご紹介します♪
- 猫の柔らかい所:お腹
- 猫の柔らかい所:肉球
- 猫の柔らかい所:前足
猫の柔らかい所① お腹
思わずモフモフと顔を埋めたくなるのは、やはりお腹ですよね。猫のお腹が柔らかいのにも、実は理由があるようです。猫を含め脊椎動物は腹部に骨はなく、お腹を守る構造になっていません。お腹が「急所」と呼ばれるのも、無防備な状態であるからです。
ちなみに有史以前の動物、つまり恐竜等にはガストラリアと呼ばれるお腹を守る役割を担う腹骨があったそうです。しかし、素早く動く為の軽量化、必要最低限の栄養で生存する為に、このガストラリアを持つ動物は殆ど居なくなったと考えられています。
つまり、お腹を骨によって守る事よりも、俊敏に動く事を優先したとも言えますね。
他にも猫のお腹が柔らかいのは、後ろ足の可動域を広げる為や、攻撃された際に内臓を守る為とも考えられています。一見、肥満気味かと思われがちな「ルーズスキン」等と呼ばれるお腹のたるみも、上記のように内臓を守る為に起こる現象だと考えられています。
完全室内飼いの場合によく見られる、お腹を出して眠る姿からは想像もできませんが、ふにゃふにゃと柔らかい可愛いお腹も、実は身を守る為に必要な物のようです。
猫の柔らかい所② 肉球
お腹に次いで猫の柔らかいところと言えば、やはり肉球でしょうか。とっても可愛い猫の肉球ですが、実は猫にとって非常に重要な役割を担っている部位なのです。
猫の柔らかい肉球は、その触り心地の通り、クッションの役割を担っています。高いところから飛び降りた時はもちろん、瞬発的に走り出す為の滑り止め、獲物に近づく際に足音を消す為等、その役割に多岐にわたります。
加齢と共に肉球も乾燥したり、その柔らかさから怪我をしてしまったりする事もあるので、日頃からしっかりチェックしてあげましょう♪
猫の柔らかい所③ 前足
これは、触り心地ではなく柔軟さのお話しになりますが、猫が上手に顔を洗う事ができるのも前足が柔らかいからと言えます。前足をねじって親指を外に向ける動きを「回外」と呼びます。
人間にとっては自然な動きですが、実は霊長類以外は苦手な動きとされており、例外は柔らかい体を持つネコ科だけと言われています。猫はこの回外の他にも、グリップと呼ばれる握る動きも得意としています。
猫は手先が器用だと言われるのも、このように前足の動きも柔らかいからこそなのですね。
柔らかい猫に対し、犬は?
犬は硬い!
ここまで柔らかい猫についてお話してきましたが、そんな柔らかい猫と対照的なのが犬です。以前、SNS上で猫を飼っている人が犬を抱っこしたら「かたい」、犬を飼っている人が猫を抱っこしたら「伸びた」という感想になるというお話しを見かけた時、思わず「それだ!」と納得してしまった事があります。
犬との暮らしが長かった私は、初めて猫を抱っこした時に「伸びた!長い!」と思ったのを覚えています。猫は、体が非常に柔らかい為に、抱っこしようとするとビヨーンと伸びますよね。
しかし、愛猫と暮らすようになってからは、愛犬を抱っこすると「かたい、伸びない」と思うように。(笑)これは、猫と犬の骨格構造の違いにあるようです。
犬は骨と骨がしっかり繋がっている
犬の骨格構造は、若干の違いはあるものの、人間が四つん這いになった状態とほぼ同じとされています。つまり、骨と骨が硬い靭帯で繋がれており、これも猫の骨格構造との大きな違いです。
犬の柔らかさと習性
また、犬本来の習性が猫の習性と真反対である事も関係しているかもしれません。瞬発的に獲物を追い詰め、捕らえていた猫に対し、犬は獲物が疲れるまで追い続けて捕らえる狩りを行っていました。その為、犬は非常に持久力に長けています。
これらは、犬や猫の体に分布している筋肉の割合も関係していますが、やはりどちらも本来の習性に乗っ取って進化した結果だと考えられています。
犬は背骨が曲がらない
また、柔らかい猫の場合、前足を前後左右に動かす事も、背骨を曲げて伸びたり、縮んだりする事もできますが、これらは犬には出来ません。犬の場合、品種によって異なるものの、お腹や皮膚のたるみも少なく、筋肉質である事も、猫と比べて「固い」と感じる理由の一つです。
猫は伸びる、犬は硬い
猫と犬の骨格や筋肉の構造の違いについて挙げ始めればキリがありませんが「猫は伸びる」「犬はかたい」という認識も、あながち間違ってはいないのかもしれません。柔らかい体でぐにゃぐにゃと伸びたり、縮んだりしている猫を見て「どうなってるんだ」と思っているのは、犬も同じなのかもしれませんね。(笑)
まとめ
猫が柔らかい体になった理由についてご紹介しました。確かに、愛猫が眠っている姿や、遊びでヒートアップしている姿を見ていると「一体どうなってるの?!」と思うような体勢になっている事がありますよね。柔らかいを通り越し、「溶けた」という言葉がしっくりくる程、ぐにゃぐにゃになっている事も。(笑)
この一見可愛いの塊である柔らかいボディーも、野生で生き抜く為に進化した姿だという事には少々驚きますが、猫の身体能力を考えると、納得ですね!
40代 女性 かな
お腹は上を向いているときに、触らせてもらいます。肉球は、普段から触っていますが、あまり嫌がりません。子猫の頃から匂ったり触ったりすることが、習慣になっていました。お腹をブラッシングしやすいし病気がないか触ってあげれるので、1日1回は上を向かせます。病気の早期発見にも繋がりますね。
40代 女性 みやこ
高い場所から滑り落ちてもあまり、怪我をしませんし無事に着地することが多いです。
体を捻りながら着地をしたりして必ずお腹を下にしてしっかり着地をします。感心してしまいます!うちの猫ちゃんは、よく、本棚から滑り落ちるのですが、いまだに怪我をしたことがありません。
これからも、体の柔らかさを生かして怪我なく過ごしてくれるように、私たちも気をつけてあげたいと思います。
男性 匿名
人肌恋しい冬なんか湯たんぽ代わりにもってこい。