正しい飼い方を知って猫との生活を楽しもう!
初めて猫を飼うときに初心者は何を気を付ければいいのかわからないですよね。間違った飼育をすることで猫との暮らしに不便がないよう、正しい飼い方を知って楽しい猫ライフを過ごしましょう。
猫の飼育初心者が気を付けるべきポイントは
- 健康管理
- 飼育環境
- 触れ合い方
- しつけ
の4つです。
ひとつずつ解説していきます。
やってはいけない猫の飼い方【健康管理】
猫の健康を守るために、何を気を付ければいいのでしょうか。
おやつやご飯を猫にあげすぎて太らせてしまう
人間に一日の摂取カロリーが決まっているように、猫も一日に必要な摂取カロリーは決まっています。規定量を守らず欲しがるままに食べ物を与えると肥満になり、病気や怪我のリスクも高まります。
特に子猫の場合、胃や腸の消化器官が成長しておらず、食べ過ぎると下痢や嘔吐の原因になることもあります。症状が続くと消化器官に負担がかかり、健康を損なう可能性もあるので注意が必要です。
また、人用のご飯を与えるのもやめましょう。猫と人では必要な栄養が違い、調味料などで味付けをした人用の料理は塩分も多く、過剰摂取になってしまいます。
猫は生まれつき腎臓が弱いので、濃い味付けは腎機能にも影響を与えるので、肉や魚を与える場合は一切調味料を使わないように気を付けましょう。
猫にとって中毒性のある食材もあります。「玉ねぎ」「チョコレート」「ブドウ」といった、家庭でよく食べられている食材が猫にとって毒となるものも多いです。
猫を飼い始めたら食べこぼしや物を出しっぱなしにせず、猫が間違えて食べてしまわないよう十分に気をつけましょう。
完全室内飼いをせず猫を外に出してしまう
猫を外に出すことによって、様々な危険が伴います。
一番怖いのは、車や自転車などに轢かれて事故に巻き込まれてしまうことです。他にも野良猫との縄張り争いや盗難・虐待など予期せぬ事故や事件に合うことも。
ノミやダニの被害や感染症などの病気のリスクも高まるため、外に出すことはおすすめしません。
狭い部屋の中ではかわいそうと思うかもしれませんが、猫は自分の縄張りから出たいと思うことはないので、最初から家の中で飼育していれば外に出たいとは思わないのです。
外に出すことで鳴き声や糞尿など、近隣の住民に迷惑がかかることもあります。あえて猫を外に出すメリットはほとんどないので、飼育するのは家の中だけにしましょう。
健康診断や予防医療を受けさせない
健康診断が必要とされる一番の理由は、病気の予防と早期発見の為です。
猫の健康診断は成猫で年に一回が目安です。老猫や持病がある場合は半年に一度が推奨されています。猫は痛みや不調を隠そうとする動物で、気づいたときには病気が進行して手遅れになってしまうことも。
また、室内飼いだからといって感染症にかからないわけではありません。定期的なワクチン接種やフィラリア症の予防が必要です。
病院を嫌がる猫も多いですが、大切な飼い猫の健康を守るためにも必ず定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
猫が嫌がるお手入れを無理やり行う
猫には日頃から飼い主が行わなければならないお手入れがあります。
爪切り
爪が伸びてしまうと、肉球に刺さり怪我をしてしまったり、カーペットやカーテンなどに引っ掛かり爪が根元から折れてしまう可能性があります。
爪切りが嫌いな猫は多く、特に子猫の小さい爪を切るのは難しいですが、猫が落ち着いているときに後ろから一本ずつ切るようにしましょう。
嫌がる場合は一度にすべて切ろうとせず、何回かに分けても大丈夫です。終わったら頑張ったご褒美をあげるようにしましょう。どうしても難しい場合は病院で切ってもらうこともできます。
ブラッシング
ブラッシングは猫によって好き嫌いが分かれます。体を触られるのが嫌いな子は逃げてしまうので、リラックスしているときにそっと後ろから撫でるように行いましょう。特に長毛種の猫には毎日してあげることが理想です。
ブラッシング用のブラシはたくさんの種類があるので、毛の長さや飼い猫の好みに合わせて使うようにするといいですね。
歯磨き
猫には歯磨きも必要です。キャットフードなど細かく柔らかい餌は食べかすが残りやすく、歯垢や歯石となって「歯周病」の原因になります。
人間と同じように歯磨きが必要ですが、歯磨きが嫌いな猫は多いです。なるべく子猫のうちから慣れさせるようにしましょう。
いきなり歯を触るのではなく、口の周りを触られることに慣れさせるのがポイントです。歯を触らせてくれるようになったら、歯ブラシや歯磨きシートで磨くように段階を追って進めていきましょう。
上記3つは日頃からこまめに行う必要がありますが、猫が嫌がることも多いです。少しずつ慣らしながらやるようにしましょう。
猫に必要なお手入れでも、無理やり行うとストレスになってしまいます。猫の様子をよく観察して、落ち着いているときに少しずつやることが大切です。
やってはいけない猫の飼い方【飼育環境】
猫が快適に過ごせるように、飼育環境を整えることは非常に重要です。人間の快適さと猫の快適さは違います。猫の特性や性格に合わせて飼育環境を整えていきましょう。
猫が使うトイレや寝床が汚れたままになっている
猫はきれい好きで、トイレにこだわりの強い子が多いです。トイレが汚れていたり猫に合っていないと「気に入らないサイン」を出す子もいます。
汚れたままになることで粗相をしたり、逆にトイレを我慢したりすることも。ストレスにも繋がるので可能であれば排泄後すぐに、最低でも一日一回は必ずトイレを綺麗にしてあげましょう。
寝床も同様に汚いと病気やストレスに繋がるので、定期的に綺麗にするようにしてください。
猫に必要なグッズを室内にそろえていない
初めて猫を飼うのであれば必ず用意しなければならないものがあります。
トイレと猫砂
トイレは常に清潔を保つようにし、猫の体に合ったサイズのものを用意しましょう。猫砂は今まで使っていたにおい付きのものを混ぜて使うと、トイレだと認識してくれるので、引き取るときに必ず貰うようにしてください。
キャリーバッグ
病院に連れていくときに必要です。病院の時だけキャリーバッグに入れると入るのを嫌がることがあるので、日頃から入ることに慣らしておくと負担が減ります。
ゲージ
既に先住猫がいる場合や、新しい環境に慣れるまではゲージに入れてあげると安心です。お留守番の時もゲージに入れてあげると誤飲などの事故を防ぐことができます。
猫用食器と水飲み
猫は自分に合わない食器を使い続けると食欲不振や吐き戻しを引き起こすことがあります。高さや深さ、ひげが当たらないか等、細かくチェックしましょう。
水飲みもお皿や給水機、水の温度などで飲む量が変わることがあります。いつでも飲めるように複数設置してあげましょう。一頭の猫につき2つ以上の設置が目安です。
キャットフード
まずは食べ慣れているフードを用意してあげましょう。年齢や体格によって食べ方や量が異なるので、飼い猫に合うフードを与えてください。
爪とぎ
猫には爪を研ぐ習性があり、出来ないとストレスになります。マーキングや気分転換で爪とぎをするので、専用のものを用意していないと家具や壁で爪とぎしてしまうことも。
子猫のうちに爪とぎができる場所を作ることによって、家の中を守ることができるので覚えさせましょう。形状も材質も様々なので、選ぶのも楽しいですよ。
以上のものは最低限必要なものなので、必ず用意してから猫を迎えるようにしましょう。
アロマや芳香剤など香りの強いものを置く
嗅覚の鋭い猫にとって、アロマや芳香剤は強いストレスになります。また、アロマに使用されている精油は毒なので、舐めてしまうと中毒症状を起こし、最悪死亡してしまうこともあります。
人間にとってはリラックス効果の高いアロマや芳香剤ですが、猫にとっては悪影響を及ぼす可能性が高いので使用は控えましょう。
部屋におもちゃや小物を出しっぱなしにしない
好奇心旺盛な猫は餌だけでなくおもちゃや小物、ゴミなども誤って口に入れてしまうことがあります。
特に糸やひも状のものを好むことが多く、誤飲してしまうと腸閉塞を引き起こしたり、腸が傷ついて穴が開いてしまうことも。
日頃から猫の通る床や机の上などに誤飲の危険があるものは置かず、こまめに片づけるようにしましょう。
やってはいけない猫の飼い方【スキンシップ】
新しく猫が家にやってきたら、かわいくてつい構ってしまいたくなりますよね。でも、構い方を間違えるとストレスになってしまいます。
どのようなスキンシップが猫のストレスになるのでしょうか。
猫の構ってほしいタイミングを無視する
猫は構ってほしい時に「スリスリしてくる」「鳴く」「じっと見つめてくる」といった構ってサインを出すことがあります。
飼い主が帰宅した時や仕事など作業をしているとき、眠い時などに構ってサインを出すことが多いです。
構ってサインを出しているにもかかわらず、忙しさで猫を無視し続けることはNG。大好きな飼い主に無視されることでストレスを溜めてしまいます。
無視されるストレスによって、「食欲不振」「攻撃的になる」「粗相をする」といった行動をとることもあります。酷くなると下痢や嘔吐といった体調不良にもつながるので、猫が構ってサインを出したら遊んであげるようにしましょう。
抱っこや来客との触れ合いを無理強いする
猫は体を拘束されるのを嫌う動物なので、基本的に抱っこされることを嫌がります。子猫のうちから慣らしていたり、性格によっては抱っこされても大丈夫な子もいますが、無理に抱っこすることはストレスに繋がります。
遊びに夢中の時や睡眠・食事中といった集中しているときは避けましょう。また、抱っこ中に猫が嫌がるそぶりを見せたらすぐに話してあげるようにしてください。
来客にも注意が必要です。かわいい飼い猫を見てもらいたくなる気持ちはわかりますが、慣れている人でなければ警戒心を抱きます。訪問時のチャイムを怖がる猫も多いので、必要な時以外は避けた方が良いでしょう。
写真を撮影する時にフラッシュをたく
猫を飼い始めると、つい写真に撮りたくなってしまいますよね。ですが、撮影の際フラッシュを猫の目に向けてしまうと網膜障害や痙攣をおこしてしまう可能性があります。
猫は人が感じる光よりも、瞳に二倍以上の負担がかかるため強い光は悪影響を及ぼしてしまうのです。暗闇で猫を撮影するときはフラッシュをたかないよう十分に気を付けましょう。
やってはいけない猫の飼い方【しつけ】
猫がいたずらをしたとき、どのように注意したらいいのでしょうか。猫への注意の仕方は人間とは異なります。叱り方によっては逆効果になってしまうので気を付けましょう。
実際にどのような叱り方が逆効果となるのか解説していきます。
猫を叩いたり大きな声で叱る
いたずらを発見した時につい大きな声を出してしまいがちですが、猫に対して大きな声を出したり叩いたりすることはほとんど意味がありません。それどころか、攻撃されたと思われ飼い主を危険人物と判断され、避けられてしまうこともあります。
猫にいたずらを止めさせるときは、「その場ですぐに」注意することが基本です。時間が経つと猫には何のことだか理解できないのです。
注意するときは「ダメ!」「いけない!」など、短い言葉を強く言いましょう。長い言葉では伝わらず、猫に不快感だけが残ってしまいます。
また、叩くのは絶対にやめましょう。臆病になってしまったり、反対に攻撃的になることもあります。
音や水で驚かせることも効果的です。猫がいたずらをする瞬間や最中に気づかれないよう手を叩いて大きな音を出したり、霧吹きなどで少量の水をかけたりして行動を制止させてみましょう。
猫が驚いて「この行動をすると嫌なことが起きる」と学習してくれます。噛み癖などは市販の防止スプレーを使用することも効果的です。
猫の首の後ろを掴んで動きを抑え込む
猫の首根っこを掴むと大人しくなることがありますよね。これはPIBI(ピビ)と呼ばれる反応で、受け身の状態になったりリラックス効果があると言われています。
ですが、力加減が難しく無理に引っ張ったり持ち上げたりすると、首の筋肉や神経を痛める原因になります。成猫の場合は特に体へ負担がかかるので、必ず体全体が床についている状態で行いましょう。
また、首を掴んだまま揺さぶったり、嫌がっているのに無理につかむことは怪我に繋がるので絶対にしないようにしてください。
しつけに首根っこを掴むことはあまりおすすめしません。マッサージなどのリラックス効果を利用するときや、外出時や緊急の時だけの方が良いでしょう。
まとめ
初心者が猫を飼うときは、気を付けることがたくさんあります。しつけの方法は様々ですが、猫にとって快適な環境を整えることが重要です。
猫を飼い始めてからはもちろんですが、猫をお迎えする前からしっかりと準備を進めていくとスムーズに新しい環境に慣れてくれます。
かわいいからといって、自分本位に可愛がるのは猫にとって良い環境とは言えません。猫の気分に合わせて、猫が求めるスキンシップを摂るように心がけましょう。
気を付けるポイントをしっかり押さえて、楽しい猫ライフを満喫しましょう。