猫が去勢しても発情してしまう原因
猫を去勢するタイミングが遅かったから
猫の発情対策の予防として最もポピュラーな方法の去勢手術ですが、実は初めての発情期が来る前に行わないと、手術を施したとしても猫が発情してしまう場合があります。また、既に2回以上の発情期を迎えてしまうと手術後も発情期と同じような行動を取ってしまいます。したがって、猫を去勢するタイミングは早ければ早いほど発情期対策になります。
猫の手術に問題があったから
考えにくいですが、極稀に去勢手術に問題があり、猫が発情してしまうというケースも考えられます。
例えば、オス猫の場合パイプカットという方法で去勢する病院がありますが、この方法だと精巣が残ってしまうため、発情期を抑えられません。また、メス猫の場合は卵巣を全て摘出し切れなかった場合に発情を起こしてしまう場合があります。
したがって、猫の去勢手術を行う場合には、しっかりとカウンセリングを受けた上で行わなければなりません。特にオス猫の場合は手術方法についてよく医師と話し合う必要があります。
猫にストレスがあるから
引っ越しや模様替えが頻回になったり、他の動物と共同生活していると稀に猫が発情してしまう事例があります。ストレスによる発情は癖になると、去勢したにも関わらず毎年のように発情期を迎えてしまうため、猫にとってストレスフリーな環境を整える事が大切です。引っ越しや模様替えが頻繁になるのであれば、猫とのスキンシップを沢山取り、愛情を注いであげましょう。
また、他の動物と共同生活している場合には、他のペットにマウンティングを取られないように、生活範囲を区別したり、部屋を広くするという方法も選択肢としてあげられます。
猫が去勢後も発情する時の対処法
猫を再手術をする
去勢手術に問題があった猫に対しては性別に関係なく、再手術を行う事が出来ます。特にオス猫の場合は、医院に手術方法を問い合わせ、パイプカット法であった場合には再手術をお願いしましょう。
メス猫であった場合は、一度子宮摘出手術を行っているため、術後の容態が順調でないと再手術は厳しいと考えられます。また、残ってしまった卵巣組織を見つけることが困難な場合もあります。すぐにではなくても卵巣を全摘出してもらえるように獣医師によく相談しましょう。
猫に内服薬を処方してもらう
猫に精神安定剤やホルモン剤を処方してもらい、服用させる事でストレスが軽減され結果的に発情行動を抑える事が可能です。再手術を行うよりも猫に対して負担が軽く、直ぐにでも始められるので選択される事が多い発情期対策手段です。しかし、服用期間が長期にわたる可能性も高いので、定期的に通院しなければなりません。したがって、投薬が困難な猫の場合、 飼い主への負担が大きい治療法であると言えます。
猫のストレスの原因を取り除く
多頭飼いをしていると、猫にとっては他の動物がいる環境は大きなストレスになる事があります。よって、猫の住処を別々に分けお互いが干渉し合わないような工夫を凝らす必要があります。また、発情している猫に対して秘密基地を作ったり、明確な生活テリトリーを決めて示す事によって猫の心は安定します。生活空間を決める事は動物同士のマウンティングを防ぐ効果も期待出来ます。
去勢後も発情する猫に対する接し方
猫が去勢後も発情してしまうと飼い主は戸惑うと思われます。手術したのにどうして発情が止まらないのだろう、とくよくよする事はありません。どの猫も去勢しても発情する可能性は等しい確率で存在します。
まずは、発情している猫に対して攻撃的にならない事です。猫の気をそらしてコミュニケーションを取ってあげたり、脱走にさえ気を付けていれば他の猫に迷惑を掛けたり掛けられたりするような事はありません。発情期中は出来るだけ異性の事を考えさせないように気を付けてあげましょう。
その後、再度動物病院を受診し、獣医と相談して発情期対策をしていきましょう。慌てずに落ち着いて対処する事が猫にとっても飼い主にとってもストレスフリーとなります。
まとめ
去勢後も猫が発情する可能性は低いですが、あります。猫の発情は本能なので、手術をするタイミングを誤ると猫の身体に負担が掛かるだけで意味を成しません。したがって、去勢手術をするタイミングは初回の発情期を迎えるまでに行う事が大切です。
また、術後に猫が発情してしまっても焦らずにまずは動物病院を受診しましょう。多くが内服治療となると思われますが、再手術を希望する場合にはその旨を必ず医師に相談して下さい。
猫の発情期を乗り越える事は大変ですが、対策さえしてしまえば、穏やかな日々を過ごす事が出来るようになります。万が一手術が失敗してしまっても、落胆せずに次の一手を打ち、猫に負担の掛からない方法を選択していきましょう。