猫の去勢手術はいつから?時期や費用、注意する事

猫の去勢手術はいつから?時期や費用、注意する事

猫の去勢手術はいつからするべき?と悩む方も多いのでは?「猫の去勢手術をおこなう際に一番ベストな時期はいつからがいいのでしょうか?」この質問はよく飼い主さんから聞かれることが多く、中には「猫に去勢手術自体する方がいいのか」という声もありました。去勢手術は猫が健康な状態であれば基本的にいつでもすることはできますが最適な時期にすることでどんなメリットがあるのでしょうか?今回は猫の去勢手術はいつからするべきなのかご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の去勢手術はいつからできる?

去勢手術をした猫

飼い主さんから「猫の去勢手術はいつからできますか?」とよく聞かれます。

猫の去勢手術は生後6ヶ月から

  • 生後6ヶ月以上
  • 体重が2kg以上

メス猫の避妊手術と同様にオス猫の去勢手術も生後6ヶ月頃で体重が2kg以上の時期がよいといわれています。ただ正直はっきりした最適な時期というものはありません。が、生後6ヶ月を過ぎると猫の成長期が終わり体重の増加も緩やかになり、性成熟の成長も終わるからです。

しかしいつからに対する回答である「生後6ヶ月」では、早すぎるイメージがあると思いますが、生後6ヶ月頃にした方がいい理由をいくつかあげてみました。

性格が穏やかになる

猫の去勢手術はいつからがいいかというと、生後6ヶ月頃なのです。なぜならば早い時期で猫に去勢手術することで性格が穏やかになるといわれているからなのです。

特にオス猫は縄張り意識が高いので去勢手術していないと常に性格が攻撃的になり自分の縄張りに誰かが入ることをとても嫌い、他の猫や飼い主さんに対しても攻撃して追い出そうとする場合があります。

マーキング行為の防止

猫は発情期を迎えると家中あちこちに尿スプレーによるマーキング行為をするようになります。

猫は同じところに尿スプレーをする習性があるので場合によってはカーペット下の床まで匂いがついてしまい、床ごと新しいのに交換しなければいけないケースがあります。

しかし個体差によりますが一度でも猫が尿スプレーをしてしまいそれが癖となった場合は去勢手術しても改善されない傾向があります。ただし男の子の気質からくるマーキング行動であれば改善される可能性がありますので、猫の去勢手術はいつからがいいかというと生後6ヶ月頃なのです。

猫の去勢手術を6ヶ月未満でするのは危険

早い時期に猫に去勢手術をすることで性ホルモンによる攻撃的な行動やマーキング行為を抑制することができますが、早すぎるのはよくありません。もちろん医学的な関連性はよくわかっていない部分はありますので、ご参考までに捉えてください。

成長の妨げになる

生後6ヶ月も満たしてない場合に猫に去勢手術をしてしまうとホルモンバランスが崩れ、成長が途中で止まり様々な臓器に障害をおこす危険が出てくると考えられている場合もあります。

麻酔のリスク

また去勢手術も麻酔をかけておこなうため通常でも麻酔のリスクは伴います。しかしまだ成長段階時期に麻酔をかけることは体に大きく影響をあたえてしまう場合も可能性的にはあります。

したがって、猫の去勢手術はいつからがいいかというと生後6ヶ月頃なのです。

猫の去勢手術にかかる費用

去勢手術の費用と猫

猫の去勢手術はいつからがいいのかが分かったら、次は手術にかかる費用が気になります。

猫の去勢手術の費用は動物病院によって異なりますがだいたい10,000円〜15,000円くらいです。避妊手術の場合は30,000円ほどかかるので去勢手術の方が安く済みます。

猫の去勢手術も避妊手術と同様に性ホルモンに関係する行動や病気を予防するためにおこなうので保険対象外となり全額負担です。事前に動物病院に問い合わせるとよいでしょう。

助成金制度

猫は人や犬と違い交尾することで排卵をする動物なので去勢手術や避妊手術をしなければどんどん猫の数が増えていきます。そのため住まいの地域によっては「助成金制度」があり猫の去勢手術および避妊手術の費用を自治体で負担してくれます。

しかし自治体によっては助成金制度自体がなかったり対象となる猫が飼い主がいない場合など異なります。猫の去勢手術がいつからがいいのかが分かったら、次は自分が住んでいる地域には助成金制度があるのか、あるいはどんな対象条件なのか確認するとよいでしょう。

猫の去勢手術を行う際の注意点

去勢手術を受ける猫

院内感染防止の為に事前にワクチン接種を

去勢手術も避妊手術同様に猫をお預かりをして手術をおこないます。動物病院では病気や感染症にかかっている子が来院するため猫がワクチン接種を受けていないと預かっている間に感染してしまう恐れがあります。

特に猫は鼻水やくしゃみなどの症状がでる猫風邪による感染症に非常にかかりやすく、原因であるウイルスによっては症状が慢性化します。

そのため猫に去勢手術をするのはいつからがいいのかが分かったら、去勢手術する前に必ずワクチン接種を受け、免疫力をつけさせることが大事です。

停留睾丸

猫の精巣(睾丸)はメスの卵巣と同じ系統であり性ホルモンの影響で精巣が陰嚢側へ下降します。だいたい生後1〜2ヶ月で精巣下降が終わりますが中には片方または両方の睾丸が下降していないケースがあります。それを停留睾丸と呼びます。

犬と比べて猫の発生率は非常に稀ですが、停留睾丸の場合は通常の睾丸の大きさと比較してとても小さくしっかりと機能を果たしていません。またそのままにしておくと年齢を重ねていくうえで精巣腫瘍になりやすく、猫は悪性腫瘍の確率が高いため予後が厳しくなります。

精巣下降のスピードは個体差により2ヶ月経っても降りてこない場合がありますので、猫の去勢手術はいつからがいいのか分かったら、去勢手術する前には猫の睾丸がちゃんと降りているのか確認のためにも病院に受診が必要です。

手術前は食事と水を控える

猫の去勢手術の場合も麻酔をかけておこないます。麻酔の影響で消化管の動きが悪くなるため手術中に胃に食べ物が入っていると嘔吐したり、誤嚥性肺炎をひきおこす危険性のため必ず手術前日は絶食をし、飲水も控えなければいけません。動物病院によって絶食絶水の時間が多少違うので事前に確認しておきましょう。

もし猫が少しでもご飯やオヤツを食べてしまった際は場合によっては手術自体を延期することがありますので必ず病院に連絡してください。

術後傷口の管理が必要

猫の去勢手術がいつからがいいのか分かり実際に去勢手術をした後、猫が傷口を舐めてたりいじっていないか注意する必要があります。動物病院によりますが抜糸が必要な場合があり、傷口をいじって縫合糸が取れてしまい傷口が開いてしまう恐れがあります。

猫はだいたい去勢手術して1週間ぐらいで傷口の確認や抜糸で病院に受診しますが、それまでの間はなるべく猫の目の届く範囲にいるようにしてください。

まとめ

去勢手術を終えた猫

猫の去勢手術はいつからがいいのかといえば、避妊手術と同様に早めに済ませることで発情に伴うマーキング行為や攻撃的な行動を防止することができます。しかし時期が遅すぎると変わりなかったり、逆に早すぎてしまうのも猫の体に影響をあたえてしまいます。

そのため猫の成長期がちょうど終わり発情を迎える前の生後6ヶ月頃におこないましょう。猫の去勢手術をはじめ緊急時の手術以外は基本的に事前にワクチン接種が必要になります。

特に子猫の場合はワクチン接種で病院に来院する機会があると思うのでその際に去勢手術の予定を入れるとよいでしょう。

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