またたびが猫に与える効果や使用する時の注意点

またたびが猫に与える効果や使用する時の注意点

「猫にまたたび」ということわざがあります。意味は、「とても好きなものの例え」として使われています。また、「猫にまたたびを与えると必ず効果がある」という意味もあるそうです。実際には全ての猫がまたたびに反応する訳ではありませんが・・・。この記事では、「またたび」という植物にスポットライトを当て、愛猫に与える効果や使用する時の注意点などについてお伝えしていきます。

4112view

SupervisorImage

記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

またたびとは

またたび

「またたび」は聞き慣れた言葉ですが、ではどんな植物なのか?と問われたら、中々思い浮かばないのではないでしょうか?またたびは、マタタビ科マタタビ属の落葉蔓生低木です。英語では「Silver vine」と呼びます。

またたびは、日本ではもちろん、北半球の広い地域で見られる植物です。6月から7月にかけて、白い花をつけますが、面白い事に地面に向かって咲き、甘い香りを発します。同時に枝の先についている葉の表面が花と同じ白に変わり、とても美しい様子になります。葉の色が変わるのは、虫を寄せ付けるためだと言われています。

猫用に加工されたまたたびは、またたびの実や葉、枝が使われています。それらをそのまま乾燥させたものや、実を粉や液体にしているものもあります。使う場合は効果の強弱や愛猫の好みがありますので、色々試してみると良いでしょう。

尚、またたびの実には「虫癭果(ちゅうえいか)」と呼ばれる特別な実があります。これはつぼみや花が咲く直前に、花の中心にある子房に「マタタビノアブラムシ」という小さな虫が産卵する事で出来る実なのです。「えっ!虫の卵?」と思うかもしれませんが、この虫癭果は昔から漢方薬としても使われてきたものです。

虫が産卵せずに出来た実と虫癭果では、猫に対する有効成分の量が違います。虫癭果の方が有効成分の量が多くなります。また、外見も虫癭果は異常な発育をする為に、通常の実よりも大きいです。何だか面白いですね。

またたびは猫だけの物ではなく、人間に対しても有効な薬として使われています。血流を良くしたり、免疫力を高めたり、胃の健康を保ったりする効果があるそうです。

またたびを猫に与えるタイミングと効果

遊ぶ猫

またたびを与えると効果的なのは、食欲が落ちている時やストレスを感じている時です。また、しつけなどにも使う事が出来ます。粉末などをご飯に振りかけると食べてくれる事もあります。水に入れても良い、という話もありますが、愛猫がふらふらして水の容器をひっくり返さないように注意しましょう。

気が散ってしまうので、ご飯や水には混ぜない方が良い、という意見もあります。愛猫の様子をみて、逆に食事などを妨げるようでしたら、おやつとして与えると良いでしょう。またたびを使ったおやつも市販されています。

しつけ用として使う時は、例えば爪研ぎにかけると効果的です。専用の爪研ぎを用意しているのに家具やその他の場所で爪研ぎをしてしまって困る時、またたびの粉末を振りかけておけばそこで爪研ぎしてくれる、という狙いです。市販されている爪研ぎには大抵、またたびの粉末が付属されていますね。せっかくですからこの粉末を利用して、愛猫がどういう反応をするか、確認してみても良いでしょう。

またたびを猫に与える時の注意点

寝ころぶ猫

またたびは猫には安全だと言われていますが、与え過ぎには注意した方が良いでしょう。科学的に根拠のある情報はありませんが、呼吸困難になるという話や、猫が飼い主の知らない間にまたたびの入った袋を出して、死亡してしまった、という話もあるようです。この猫の場合、またたびが原因かどうかははっきりしている訳ではありませんが、特に持病もない若い猫だった為、恐らくまたたびの大量摂取により死亡したのだと推測されたようです。

確実にまたたびが原因だとはっきりはしていないですが、死亡する可能性があるのなら、注意するに越した事はありません。1回に与える目安量は、粉だったらほんのひとつまみです。老猫や体が弱い子には少量ずつ、様子を見ながら与えるようにしましょう。

またあまりに頻繁に与えると、慣れてしまい反応しなくなる事もあります。猫自身もつまらないでしょうから、ある程度の期間を空けて与えるようにすると良いでしょう。いずれにせよ、何でも与え過ぎは良くありません。

またたびを与える時には、愛猫が危険にさらされないよう、必ず側で見守ってあげましょう。どこかに体をぶつけてケガ、高い所から落ちてケガ、など考えられます。あまりに長時間ふらふらしているようだったら正常ではありませんので、早急に受診するようにしましょう。

またたびに反応しない猫もいる

またたびに反応した猫

実は、全ての猫がまたたびに反応する訳ではありません。子猫やメス猫、去勢をしたオスや妊娠中のメスには効果が薄いと言われています。猫が反応するまたたびの成分は「イリドミルメシン」「アクチニジン」「βーフェニルエチルアルコール」と言われています。これらの成分を「ヤコブソン器官」というフェロモンを感知する器官で受け、猫の神経を刺激し、性的快感を感じさせるのだそうです。(いわゆる「マタタビラクトン」はイリドミルメシンやネペタラクトンなどを含んだ混合物の名称です。)

それでクネクネしたり、ガジガジしたり、酔っぱらったように脚に力が入らなくなったりと、面白い行動にでる訳です。効果は長くても20〜30分程度で、効果が切れると何事もなかったかのように元に戻ります。性的快感、という事で、子猫や去勢した猫などがあまり反応しない訳が分かりますね。個体差がありますので、「ウチの子、反応しない!?」と驚く事はありません。

我が家の猫達は避妊手術をしていますが、そこまでまたたびに反応はしません。たまに与えると興味を持って匂いを嗅ぎますが、すぐに飽きて放置状態になります。1匹は少しクネクネしたり、多少興奮したように何かを噛んだりしますが、すぐに元に戻ります。

我が家の子達はすごく好き!という訳ではなさそうです。オモシロ可愛い行動を見られないのは残念ですが、反応しないならしないで諦めるしかありません。

ちなみにまたたびの効果の強さは、粉末>液体>実>枝>葉になります。もし枝で反応しない場合でも、粉末を与えてみたら反応してくれるかもしれません。更に、またたびは猫だけでなく、ネコ科の動物、ライオンやトラ、ヒョウなども反応します。体が大きいので、量はそれなりに必要なようですが・・・。

肉食で怖い印象のあるライオンなどが夢中になってかじりつき、ふにゃふにゃになっている姿は、猫と全く変わりません。動画はキャットニップを使っていますが、是非ご覧になってみてください!!普段は迫力のあるネコ科動物達の可愛らしい姿を見る事ができます♡

出典:https://www.youtube.com

またたびの保存方法と注意点

またたび

猫が反応するまたたびの有効成分は揮発性です。出しっ放しにしておくと、せっかくの有効性分が飛んでしまい、効果が薄くなります。密閉容器や袋に入れ、保存するようにしましょう。また保存の際には、猫の手が届かない場所にしまってください。誤飲や大量摂取から、愛猫を守りましょう!

またたびと「キャットニップ」の違い

キャットニップ

またたびと同じような働きをする植物に、「キャットニップ(西洋またたび)」があります。キャットニップ、というのは英語名で、日本ではイヌハッカ、という名です。キャットニップが約45~70%の猫が反応するのに対し、またたびは約80%の猫が喜ぶようです。

これはあくまでも参考値ですが、一般的にキャットニップよりもまたたびの方を好む猫が多い、と言われています。これは猫が反応する成分がまたたびは3つ以上あるのに対し、キャットニップは1つだけだから、と考えられているようです。猫用おもちゃにも、キャットニップ入りのものとまたたび入りのものがありますので、どちらが愛猫のお好みか、試してみても良いですね!

またたびの親戚のような「キウイ」

キウイ

実は「キウイ」は、元はまたたび科の「シナサルナシ」という植物をニュージーランドで品種改良した植物です。またたびとは親戚のようなものなので、有効成分の「マタタビラクトン」が枝や葉、根に(特に根に多く)含まれているそうです。ですから、ニュージーランドのキウイ畑では、たびたび猫がキウイを荒らしてしまう被害が出るそうです。きっと猫もたまらず、掘り堀りしてしまうのでしょうね!!

その他にも「キャットミント(ネペタ)」と言うキャットニップと同じイヌハッカ属の植物も、またたびのように猫を惹き付けるようです。キャットミントに含まれる「ネペタラクトン」という成分が猫にはたまらないのだとか。数多くあるキャットミントの中でも種類によってネペタラクトンの量が大きく違うようですが、この成分はキャットミントを切った時に出てくるので、道に生えているだけではほとんど反応しないようです。

海外ではこのキャットミントとまたたびを混ぜ合わせた商品も販売されているようです。お留守番させる時に愛猫がハッピーでいられるように、と紹介されています。見てなくて大丈夫なのか?と思ってしまいますが、そこは感覚の差なのかもしれません。

監修獣医師による補足

【またたびとキャットニップの効果に関する論文の紹介】
またたびとハニーサックル(スイカズラ)、バレリアン(セイヨウカノコソウ)、キャットニップの猫科動物に対する効果の違いを調べた論文がありますので、ご紹介します。(英語です)
Bol, S., Caspers, J., Buckingham, L. et al. Responsiveness of cats (Felidae) to silver vine (Actinidia polygama), Tatarian honeysuckle (Lonicera tatarica), valerian (Valeriana officinalis) and catnip (Nepeta cataria). BMC Vet Res 13, 70 (2017) doi:10.1186/s12917-017-0987-6

獣医師:木下 明紀子

まとめ

リラックスする猫

またたびの事、お分かり頂けたでしょうか?またたびは猫を酔わせるだけの植物かと思ったら、人の薬としても使われていたなんて、実はとても役立つ植物だったのですね!!正しく使って愛猫にも、またたびの恩恵を受けて貰いたいですね♪

投稿者

50代以上 女性 ごじちゃん

人間にも効果があるまたたび、なにしろ語源が、口にしたらどんな疲れた旅人も「また、旅にでよう」だとか言われているくらいですからね。我が家の猫たちは、皆、またたびがお気に入りで、またたびの粉末をよく利用しています。やはり段ボール製の爪とぎ、最初に粉末を少しつけてあげると、必死になって爪とぎしています。おかげで壁や家具の被害は一切ありません。
食欲のないときも、少しだけウェットフードに振りかけてあげます。薬を混ぜたごはんなども、これで騙して食べさせます。またたびの食欲効果ですね。
ただ日常的に多用していいものとは思いません。お祝いのときにたまに飲む高級ワインのように、忘れた頃に出てくる程度にしています。ないとは思いますが、またたび中毒なんてことになったらどうしましょうと、つい余計な心配をしています。
キウイの根っこはやられました。観賞用に鉢で育てるタイプを買ってきたのですが、これがまたたびの仲間だと知らなかったのです。外出中に、悲惨なことになっていました。猫たちもどうしてそんなことをしたくなったのか、わからなかったでしょうね。

スポンサーリンク