子猫の目が開かない!開くようになる期間や目の病気について

子猫の目が開かない!開くようになる期間や目の病気について

生まれたばかりの子猫はとても小さく天使のような可愛さですよね。生後まもない子猫はまだ目が開いていませんが時間の経過とともに徐々に開き始めるようになります。しかし子猫の目が開かないままの状態が続き、何らかの原因によって目が開かないことがあります。そこで今回はいつ頃子猫の目が開き始め、何が原因で目が開かないのでしょうか?

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

子猫の目が開かないのはいつまで?

目が開いた生後まもない子猫

子猫の目の開き方、時期

一般的に生後10日前後や、生後16日以内に子猫の目が開かない状態から、両目が開くようになるといわれています。ですが、目が開かない状態から完全に開くまでの期間は個体差がみられ、早く目が開く子猫もいれば、逆になかなか目が開かない子猫もいます。

生まれたばかりの子猫は、わずか体重が100gほどととても小さな体です。まだ両目の目が開かない開かない状態で、耳も聞こえていません。歩くことがままならない状態ですが、子猫の鼻先による触感は敏感に感じとるため、感触だけで自分の力で母猫のおっぱいを探し、母乳を飲むことができます。

子猫の目が開かない原因

目が開いてない生まれたばかりの子猫

生まれたばかりの子猫はまだ目が開かないですが、通常であれば大体生後16日以内に目が開き始めるようになります。しかし16日以上経っても子猫の目が開かない場合は、何らかの原因が関与している可能性があります。

目やにの量が多い

目ヤニの量が多いことで、瞼にくっ付いてしまい子猫の目が開かないことがあります。そのため、目ヤニの量によっては目が開かないのは片目だけの場合もあります。

目が開かない原因が目ヤニであれば、拭き取ることで目が開くようになるでしょう。その頃の子猫は少しの刺激に対しても敏感なので、目ヤニを拭き取る際は、刺激を与えないために濡らしたコットン等で優しく拭き取りましょう。

感染症や目に関する病気

しかし、通常の目ヤニで目が開かないこともありますが、子猫が感染症にかかることが原因で大量の目ヤニが出てしまい、目が開かないことがあります。猫風邪による感染症の他にも、結膜炎などの目に関する病気に子猫がかかることで目が開かない場合もあります。

また、子猫が生まれつき瞼が内側に入り込んでいる眼瞼内反症による遺伝的な病気で、目が開かないことも考えられます。

子猫の目が開かない病気

生まれたばかりの子猫たち

猫風邪

症状

猫風邪に感染すると頻繁にクシャミが出たり、黄色や緑色をした鼻水が出たりしてきます。ドロッとした鼻水なので鼻づまりが起きやすく、鼻で呼吸することができなくなるため息苦しくなったり、匂いを感じとることができなくなったりするので食欲低下もみられます。

クシャミや鼻水の他によく見られる症状としては、目ヤニが大量に出てしまうことで、瞼にくっ付き目が開かない状態になることがあります。目ヤニの色も特徴的で、膿が混ざるため黄色や緑色の目ヤニが出ます。

また猫風邪の原因の一つであるクラミジアに子猫が感染した場合、感染してから2〜5日後くらいに片目から結膜が赤く腫れたり、瞼のケイレンなど結膜炎の症状をおこしたりして、やがて反対側の目にも症状が現れてきます。

厄介なことに猫風邪は慢性化するので、一度でも感染すると子猫の体内に残り続けるため、症状が改善したとしても免疫力が下がったときに再び現れてきます。

原因

猫風邪はヘルペスウイルスやカリシウイルス、クラミジアなどによる病原体が原因で感染すると、鼻や目、口腔内などに炎症をおこします。猫風邪は感染率が高いため感染猫の鼻水やクシャミ、ヨダレなどで簡単に感染します。

猫風邪に感染している猫との接触によりうつってしまいます。多頭飼いで1匹でも猫風邪に感染した場合、他の同居猫に感染する恐れがあります。特に体力や免疫力が弱い子猫は猫風邪にかかりやすく、症状が重症化しやすい傾向があります。

また野良猫の半数以上は、猫風邪を含め何らかの感染症を持っているといわれており、大量の目ヤニにより目が開かない猫や子猫もいます。

治療法 又は 対処法

猫風邪に感染した場合は、原因であるウイルスに対して増殖を抑制させるインターフェロンや二次感染防止に抗生物質の投与を行います。しかし症状が重度で食欲不振が続いていたり、脱水状態を引き起こしたりしている場合は、点滴による治療を行うことがあります。

また、猫風邪に多く見られる大量の目ヤニや結膜炎などの目の炎症がある場合は、目薬を点眼します。そのときに子猫の目に付いている目ヤニを、綺麗に拭き取ってあげます。

目ヤニの取り方としては、ぬるま湯に付けたコットン等で優しく目ヤニを取り除いてあげましょう。目ヤニが固くてこびりついている場合は、ふやかしてから、少しずつ取ってあげます。

結膜炎

症状

子猫が結膜炎の症状をおこすと、瞼の内側にある結膜に炎症がおき、赤く腫れます。そのため目の痛みや痒みが生じるので、床に擦りつけたり前足でしきりに目を掻いたりする行動をとります。

また、結膜炎になると涙や目ヤニの量が多くなり、目ヤニが瞼に張り付くことで目が開かない状態になったり、大量の涙により常に目の周囲が濡れてショボショボしたりするようになります。

原因

結膜炎になる主な原因は、猫風邪などのウイルスや細菌による感染症のほか、目にホコリや砂などが入ったことによる刺激で、結膜に炎症をおこすことがあります。また、遺伝的な免疫性の疾患やアレルギーなども関与しているといわれています。

治療法 又は 対処法

基本的に子猫が結膜炎を発症した場合は、抗生物質やインターフェロンが入った目薬を点眼します。また子猫の目に大量の涙や目ヤニが付いている場合は、コットン等で優しく拭き取り清潔にしてあげることが大切です。

結膜炎をおこした原因が猫風邪による場合は、ウイルスが子猫の体内に残ってしまうため、一旦は治療して症状が良くなったとしても、免疫力が低下したときに再びぶり返し慢性化しやすいため、ワクチンによる予防接種を行ったり、ストレスがない生活環境を心がけたりすることも大切です。

眼瞼内反症

症状

瞼が内側に入り込んでしまうため、瞼に生えている毛が眼球の表面を刺激してしまい、眼球の痛みや瞼のケイレンをおこします。

また目を気にしてよく擦りつけたり、目の充血、目ヤニが出やすくなったりするので場合によっては目ヤニで目が開かないこともあります。涙の量も増え、目がショボショボするようになります。症状が重症化すると、結膜炎や角膜炎になることもあります。

原因

眼瞼内反症をおこす原因として、先天性と後天性に分けることができます。先天性の場合は生まれつき元々瞼の皮膚が長いことにより、余ってしまった瞼の皮膚が内側に入り込んでしまうことで発症します。

一方で後天性の場合は、何らかの感染や喧嘩などによる目の外傷による痛みや老化現象による瞼のたるみ、逆さまつげが原因で内側へ入り込み炎症をおこします。また、ペルシャ猫やヒマラヤンなど遺伝的な素因を持っている猫種や、鼻が低い猫などにみられることがあります。

治療法 又は 対処法

内側に入った瞼の皮膚や毛により炎症を起こしている場合は、目薬を点眼します。しかし先天性が原因であったり、瞼が長すぎたりする場合は外科的な手術をする必要があります。

まとめ

セーターを着て眠っている子猫

生まれたばかりの子猫はまだ目が開かないですが、生後10日前後、平均でも生後16日以内には両目とも目が開くようになります。成長スピードに伴い子猫の目が開くまで個体差があり、早く目が開く子猫もいれば遅くに目が開く子猫もいます。

ですが、生後16日を過ぎても子猫の目が開かない状態が続いている場合は、猫風邪や結膜炎など何らかの感染症や病気が関与している可能性があります。特に子猫の頃は体力や免疫力も弱いため、症状が重症になりやすかったり、症状が目だけではなく全身的に及んだりする場合があるため、動物病院に受診しましょう。

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