猫も『肩こり』に悩んでいるって本当?3つの原因や効果的なマッサージの方法もご紹介

猫も『肩こり』に悩んでいるって本当?3つの原因や効果的なマッサージの方法もご紹介

実は猫にも「肩こり」のような筋肉のこわばりが起こることがあると考えられています。原因は姿勢や運動不足、ストレスなどさまざま。この記事では、猫が肩こりになる主な3つの原因と、自宅でできる効果的なマッサージ方法をまとめました。愛猫へのスキンシップを通じて健康管理にも役立てましょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫も肩こりになる?その仕組みと3つの原因

憂鬱そうな猫

猫は人間のように「肩が重い」とは言いませんが、筋肉のこわばりやコリのような状態が生じることがあると考えられています。

特に肩甲骨の周りや首の付け根は、前足の動きに関係する重要な筋肉が集まる場所です。長時間同じ姿勢で過ごしたり、加齢や運動不足が重なると筋肉が緊張して血行が悪くなり、触ると嫌がる・グルーミングをしなくなる・動きがぎこちなくなるなどのサインが現れます。

こうした変化は単に疲れによるものだけではなく、体の不調から来ている可能性も。放置すると慢性的な痛みにつながる場合があるため、早めに気づいてケアすることが大切です。

原因1.姿勢のクセや加齢による筋肉のこわばり

寒そうにする猫

猫の肩こりの主な原因のひとつは姿勢のクセです。室内飼いの成猫は1日に10時間以上もの睡眠を取りますが、思うように寝返りが打てず同じ姿勢でいることが多いと、肩甲骨周りの筋肉が固まりやすくなりますと考えられます。。

特に年齢を重ねると筋肉量が減り、関節を支える力も弱まるため、ちょっとした姿勢の偏りが慢性的なこわばりにつながってしまう可能性があります。

また、寒い季節は筋肉が縮こまりやすく、血流が滞りやすい時期でもあります。冬場は暖房の風が当たらないよう注意しつつ、体を温めて血行を促すことが肩こり予防に効果的です。

いつもより動きが鈍かったり、首や背中を触ると嫌がったりする場合、筋肉疲労が原因のひとつかもしれません。 ただし勝手な判断は絶対にしないでください。

原因2.運動不足やストレスによる緊張

イカ耳の猫

運動量の低下や精神的ストレスも、猫の筋肉をこわばらせる大きな原因になると考えられます。室内飼いの猫は安全に過ごせる反面、運動不足になりやすい傾向があります。十分に体を動かさないと、血流が悪くなり疲労物質も溜まりやすくなってしまうため注意が必要です。

また、環境の変化や騒音などによってストレスを感じた猫は、筋肉が緊張した状態が続いて肩がこる可能性が考えられます。急に毛づくろいをやめたり、体を小さく丸めてじっとしている時間が増えたら、心身の不調を抱えているサインの可能性があります。

ストレスを減らす環境づくりと適度な遊び時間の確保が、筋肉の健康維持につながります。

原因3.関節や神経の異常

高齢の猫

単なる筋肉のこわばりによる肩こりではなく、関節炎、頸椎(けいつい)や肩甲骨付近の神経圧迫といった関節や神経のトラブルが肩周辺の違和感を引き起こしていたり、動かすたびに痛みを伴ったりしている可能性も考えられます。

高齢猫や肥満傾向のある猫は関節への負担が大きく、肩や背中の動きをかばうことで周囲の筋肉が硬くなりやすいです。特に「片側だけの毛づくろい」「歩き方がぎこちない」「触ると鳴く」などといった症状がある場合は要注意。

肩こりのように見えても、背骨や神経に関連する疾患が隠れているケースも少なくありません。自己流のマッサージは絶対せず早めに動物病院を受診しましょう。

効果的なマッサージの方法と注意点

マッサージされる猫

猫の肩こりをやわらげるには、やさしく筋肉をほぐすマッサージが有効です。

猫がリラックスしている時を選び、後ろ足のつけ根や肩甲骨まわりを、指の腹で円を描くようにゆっくりなでます。強く押さず、毛の流れに沿って軽く動かすのがポイントです。首から背中にかけて手のひらでスライドさせるように撫でると、血流が促進されて筋肉の緊張がやわらぎます。

もしも、猫が嫌がったり身をよじって逃げようとする場合はすぐに中止してください。また、体調が悪い日や関節に痛みがある場合のマッサージは逆効果になることもあるので気をつけましょう。

普段から体に触れる習慣をつくっておくと異変に早く気づけますし、愛猫が喜んでくれるスキンシップの時間にもなります。

まとめ

伸びをする猫

猫も人間と同じように、姿勢や運動不足、ストレスなどで肩まわりの筋肉がこわばることがあります。特にシニア猫や寒がりの子は血流が悪くなって筋肉が固まりやすい傾向があるので注意が必要です。

普段から猫の行動や仕草をよく観察し、触ると嫌がる部位や動きの違和感がないか確認しましょう。マッサージはあくまでスキンシップの一環として行い、力を入れすぎず「気持ちいい」と感じる程度にとどめるのがポイントです。

体調や年齢に合わせた適度な運動、バランスの取れた食事、ストレスの少ない環境づくりを意識すれば、猫の肩こり予防にもつながります。愛猫の体に優しく触れながら、毎日の健康チェックを兼ねてコミュニケーションを深めていきましょう。

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