おうちの猫ちゃんのシニア期をどんなふうに気づいたらよいのか

猫ちゃんは個体差があると言えども、一定の距離感を好み、マイペースな性格の子が多い生き物です。
飼い主さんとの関係性や生活スタイルも様々で、普段の猫ちゃんがどのように過ごしているか実は飼い主さんもあまり気にしていないということもあるのではないでしょうか。
いつまでも若いつもりでいても、加齢が進んでいるということもあります。
日常生活の中で以下のようなことに気を付けてみましょう。
遊びや生活の変化
猫ちゃんの特徴として、高い場所や狭い場所なども遊びの場にすることができることが挙げられます。
壁の上の方に上ってしまったり、棚の狭いところに入り込んで、飼い主さんもそのまま見守るしかなかったという経験がある方もいるのではないでしょうか。
加齢とともに体力も変化し、関節の違和感などから遊び方も変わります。
生活パターンや遊び方の変化を把握しておくと、早期に体の変化に気づきやすい場合もあります。
食べ物の好みの変化
加齢とともに消化機能や口腔内の環境も変化します。
若いころ好きだった食べ物も、加齢とともに食べづらくなったり、食べた後に体調変化が現れたりすることもあります。
気づかぬうちに歯周病になり、歯が抜け落ちていて固いものを食べづらくなっていたり、ひどい口内炎ができてしまっているということもシニアの猫ちゃんあるあるです。
好みを把握しておくことや、食事の間の様子も観察する習慣をつけましょう。
健康診断の結果など
病院が苦手な猫ちゃんはたくさんいます。
病気になってから動物病院へ行くという猫ちゃんも多いのではないでしょうか。
しかし健康な時の猫ちゃんの全身状態はどのようなものなのか、現在の猫ちゃんの体の状態はどのような状態かということを定期的にチェックする習慣をつけることで、細かい体の変化に早期に気づける可能性が高いです。
血液検査などの数値の変化やレントゲン、超音波検査などの画像検査により把握することができます。
また、信頼できるかかりつけの先生を見つけられると、小さな体調変化に気づいた際の相談など、見送りまでの頼もしいパートナーとなってくれるかもしれません。
飼い主さんとしてどんな準備をすべきか

体調変化についてはかかりつけの先生などの専門家との協力が必要となりますが、お家で飼い主さんが準備をしなければならないこともあります。
飼い主さんでなければ選択できないことや、お見送りに向けて、猫ちゃんが負担や苦痛を感じずにいられるようにしてあげるべきことをすることが、お見送り後に感じる後悔を減らすことにもつながるでしょう。
どこまでの診察や治療を望むか
命に直結する病気にいつなってしまうか、だれも予想することができません。
しかし、いざ病気が発覚すると驚いて、頭が真っ白になってしまう場合もあるでしょう。
健康な頃から、おうちの猫ちゃんが病気になった際に、どこまでの診察や治療を望むのか、家族内で相談しておくことをおすすめします。
猫ちゃんの性格によっては、受診が大きな負担となってしまう場合もあります。
また、難しい病気である場合や、大きな手術などの高度な医療が必要となった場合は、かかりつけの先生ではなく大学病院などの二次診療施設への紹介をしてもらうことが可能なこともあります。
どこまで治療をすることを望むのか、飼い主さんたちの願いやおうちの猫ちゃんへの負担を考えながら選択する必要があります。
かかりつけの先生との連携や往診のできる病院を探す
若くて元気な頃は、動物病院を受診するのは予防の際や体調を崩した際のみという猫ちゃんがほとんどでしょう。
高齢になると持病や体の変化、器官の衰えなどから専門家であるかかりつけ医との連携や獣医師の力を借りる必要が生じるケースが多くなります。
かかりつけの先生の選び方は様々ですが、若いころ以上に話をする機会も増え、より深刻な話や込み入った話をするようになる場合もあります。
信頼できる関係性であることや、診療時間、診療時の方針など飼い主さんの考える介護や見送りの考えに近い先生、動物病院などを探すことが大切です。
猫ちゃんの場合、動物病院が苦手という子も多く、体調不良で受診ができないために治療をあきらめるというお話も聞きます。
あきらめることが少ないよう、あらかじめ往診が可能な動物病院を探すなども選択肢の一つです。
生活環境の見直し
全身状態の悪化や体力の消耗などで、猫ちゃんの生活パターンも変わります。
高いところに上りにくくなったり、狭いところに入ったら抜け出せなくなって、けがや出ようと必死でもがいて体力を消耗してしまうことも。
猫ちゃんにとって危険のない生活環境づくりをしてあげましょう。
また、夜中は猫ちゃんと一緒に寝ることで、体調を見守れる場合もあるので、全身状態によっては寝る場所なども見直すことをおすすめします。
お見送りの時期が来たら

どんな猫ちゃんでも、飼い主さんよりも先に旅立つことが多く、お見送りをしなければなりません。
寿命の長い子では20歳くらいまで生きてくれる子もいますが、平均寿命では13から14歳くらいと言われています。
いつか来るお見送りの時まで、飼い主さんも心の準備が必要です。
おうちの猫ちゃんの性格を考えてしてあげたいことを
猫ちゃんは個性が様々です。
おうちの猫ちゃんのことは一番飼い主さんが理解されているでしょう。
どんなことを嫌がり、どんなことを望むか、家族で相談してみましょう。
飼い主さん一人の希望ももちろん大切ですが、猫ちゃんも家族の一員です。
おうちの猫ちゃんはこんな子だという見え方も家族によって異なっている可能性もあります。
猫ちゃんのもついろいろな一面を理解したうえで、最適と思える最期の過ごし方を考えてあげてください。
後悔のない寄り添いを
猫ちゃんにとって負担があるかどうかということも大切ですが、飼い主さんがどうしてあげたいかということもとても大切です。
後悔のないような寄り添いをしてあげることをおすすめします。
療法食など生活の制限もあるかもしれませんが、食べさせてあげたいものや行ってあげたい場所、一緒に過ごしたい時間など考えてみてあげてください。
入院が最適な治療方法もありますが、自宅で最期を過ごさせてあげたいという飼い主さんの気持ちもある場合もあるでしょう。
治療との兼ね合いや、飼い主さんの希望について、まずはかかりつけの先生と話し合ってみるとよりよい選択ができると思います。
今までの感謝の気持ちをもって接して
おうちの猫ちゃんが老いていく様子や衰弱していく様子を見ているのがつらいという気持ちも飼い主さんの中に芽生えることはあります。
猫ちゃんのことを愛するが故の気持ちであり、多くの方に芽生える感情ともいえるでしょう。
しかし、残された時間は有限です。
猫ちゃんにとって大好きな飼い主さんであり、今までの生活で築いてきた温かい関係性がそれぞれの猫ちゃんと飼い主さんにあるでしょう。
猫ちゃんへの感謝の気持ちをもって、最期の時間をともに過ごすことが後悔を減らすことにつながるのではと思います。
まとめ

猫ちゃんをお迎えしたタイミングはそれぞれと思いますが、どの猫ちゃんも老いは必ずやってきて、最期の時を迎えます。
つらい現実ですが、後悔を少しでも減らせるように、シニア期を迎えたころから飼い主さんも準備を始めましょう。
大好きな猫ちゃんとの思い出が、悲しい気持ちや辛い気持ちだけで終わってしまわぬよう、後悔をできるだけ減らせるように飼い主さんもまっすぐに向き合って、猫ちゃんとの生活の締めくくりをできると良いのではないでしょうか。