猫ニキビってどんな病気?原因と見分け方

猫ニキビは、猫の皮膚によく見られる病気の一つです。人間のニキビと同じように、毛穴の詰まりが原因で起こります。主に顎の下や唇の周りに発生し、黒いブツブツ(面皰:めんぽう、いわゆる黒ニキビ)として現れることが多いですが、ひどくなると炎症を起こし、赤みや腫れ、膿を持つこともあります。
猫ニキビの原因は、残念ながら「これ!」という一つの明確な原因はまだ特定されていません。毛包の異常な角化、皮脂腺の過剰な活動、ストレス、アレルギー、免疫力の低下、衛生状態、遺伝的要因など多くの要因が複雑に絡み合って発生すると考えられています。
猫ニキビは、初期は顎の毛に混じって小さな黒い粒々が見える程度で、猫自身はかゆがったり、痛がったりすることはほとんどありません。しかし、炎症期になると、黒いブツブツの周りが赤く腫れたり、猫がかゆがって顎を掻いたり、こすりつけたりするようになります。ひどい場合は、細菌の二次感染によって皮膚炎が悪化し、痛みや発熱を伴うこともあります。
これらの症状が見られたら、自己判断せずに動物病院を受診することが大切です。特に、炎症や膿が見られる場合は、早めに獣医師の診察を受けましょう。
猫ニキビの治療法(軽度・重度)

猫ニキビの治療は、その症状の重症度と原因の特定に応じて行われます。初期の軽度な状態であれば治療を必要としないこともありますが、炎症や二次感染が見られる場合は適切な治療が必要です。
1. 軽度な猫ニキビ(初期)の治療
清潔の維持
治療の基本は、患部を清潔に保つことです。拭き取りや、薬用シャンプーを用いることもあります。
生活環境の見直し
食器の交換、食器の清潔維持、ストレス軽減など
2. 進行した猫ニキビ(炎症期、二次感染を伴う場合)の治療
炎症が強く、赤みや腫れ、膿が見られる場合は、獣医師による専門的な治療が必要です。飲み薬や塗り薬が処方されます。
また、アレルギーが疑われる場合は、アレルギー検査などを行い、原因となるアレルゲンを特定し、食事療法や投薬などを行います。免疫力の低下が背景にある場合は、その原因となる基礎疾患(例: 猫エイズウイルス感染症、猫白血病ウイルス感染症など)の治療も並行して行われます。
猫ニキビは、一度治療しても再発しやすい傾向があります。完全に治癒するというよりも、管理していく病気と捉えることが大切です。そのため、獣医師の指示に従い、根気強く治療と日々のケアを続けることが重要です。
日常的なスキンケアと清潔の維持

猫ニキビは、一度発生すると慢性化しやすく、再発を繰り返すことがあります。そのため、治療で症状が改善した後も、日々のケアと予防策を継続することが、愛猫の皮膚の健康を保つ上で非常に重要になります。
- 1. 日常的なスキンケアと清潔の維持
- 2. ストレスを軽減する環境づくり
- 3. 食事の見直し
- 4. 定期的な健康チェックと獣医師との連携
猫ニキビは命に関わる病気ではありませんが、猫にとっては不快であり、放置すると重症化する可能性もあります。日々の愛情のこもったケアと、適切な医療の力を借りることで、愛猫が快適な皮膚で毎日を過ごせるようサポートしてあげましょう。
まとめ

猫ニキビは顎などにできる毛穴の詰まりで、ストレスや不衛生な環境が原因で悪化することも。黒いブツブツが見られたら早めに獣医へ。治療はスキンケアや投薬で行いますが、再発しやすいため、食器の清潔維持やストレス軽減など、日々の予防と獣医師との連携が愛猫の快適な生活のために非常に重要です。