猫の食べムラの主な原因

食べたり、次の食事では食べなかったりする食べムラが、猫によくある特性だとしても、食べないときには心配になりますよね。食べムラになる原因は次のようなものがあります。
- 健康上の問題
- 快適ではない環境
- フードの食べ飽き
- 好みの変化
健康上の問題では、歯肉炎や口内炎など、口の中のトラブルが考えられます。食べたい気持ちはあるものの、強い痛みのせいで食欲が出ず、空腹が限界になったときにだけ食べるという具合です。消化器系の軽い不調や腎臓病の初期などでも、食欲にムラが出てくることがあります。
繊細な猫の場合、部屋の模様替えや来客、近所の工事の音など、ささいな環境の変化にも緊張して一時的に食べなくなることがあります。
猫は性格によって、毎日同じフードだと飽きてしまうタイプも多く、このようなタイプは、年齢とともに好みが変わるケースもあります。
猫が「食べない=わがまま」と思って、強引に同じフードを継続しようとすると、食べムラが食事の拒否につながり、ひいては食欲不振の引き金になってしまう危険もあります。
試したい!家庭でできる猫の食べムラ対策

食べムラと「食欲不振」は異なります。食欲不振は、明らかに食べる量が減ったり、食べない状態が何日も続いたりするような場合で、体調不良のサインである可能性も。元気があるか、排せつは正常か、行動に変化がないかを観察しながら見極めることが大切です。
1.健康チェックと早めの受診
猫の食べムラが続くとき、まず確認したいのが健康状態です。
猫は体調不良を隠す傾向があるので、見た目には元気そうに見えるかもしれません。しかし、実際の食べムラのように食べないことがあるときには、何かの不調を抱えていることがあります。
元気な場合は、2日ほど様子を見てみましょう。そのときだけ、たまたま食べないということもあるためです。
しかし、食べない日が数日続く、お水もあまり飲まないなど、いつもと違う様子が見られる場合は、迷わず動物病院を受診しましょう。
何も異常がなければ安心できますし、健康であることを確認するためにも受診は有効です。
2.食事環境の見直し
健康に何も問題がなければ、食事環境もチェックしてみましょう。猫の食事にムラが出るようになる前に、おうちに新しい変化はなかったでしょうか。
あるいは、加齢や体重の変化などによって、これまでの食器が合わなくなってきていることも考えられます。シニアになると関節がかたくなり、首を下げる姿勢がつらくなることがあります。体重が増えた場合も姿勢が安定しづらく、食器の高さや角度によっては食べにくく感じることがあります。
食べやすさには食器自体の深さも関係してくるので、猫が食べているときにはよく観察してみましょう。
3.フードにひと工夫
もし、いつも決まった同じフードを与えているなら、少し変化を持たせると食いつきが戻るかもしれません。
たとえば、数種類のフレーバーが違うフードをときどき変えることで、猫の関心を引きやすくなり、食べムラの改善に役立つことがあります。
また、フードは600Wの電子レンジで10〜20秒くらいを目安に少し温めると香りが立って、猫の食欲を刺激することができます。熱くなりすぎていないか、与える前に必ず温度を確認しましょう。これはウェットフードだけでなく、ドライフードにも有効です。
ただし、いつものフードを一気に変えてしまうと、かえって食べない可能性もあるので、どちらも選べるようにするか、トッピングなどで工夫しましょう。
まとめ

猫の身体は胃が小さいため、どうしても一度にたくさん食べることができません。もちろん、一日に規定量を食べていれば問題ありませんが、食べ残したり、食事を飛ばしたりすることは猫の特性上、ある程度は仕方がないかもしれません。
ただ、急に食べなくなったときは、私たち飼い主も心配です。まずは、健康状態に変化がないかを確認し、必要に応じて獣医師に相談しましょう。健康的な猫であれば、次の食事にはきちんと食べてくれるでしょう。
もし食べないときがあっても、焦らず少しずつ原因を探り、猫にとって快適な食のスタイルに合わせてあげましょう。