突然現れたハチワレ子猫
出会いは突然に
3年前の9月。ニュースの天気予報では、「明日は台風が最接近します」と言っていました。台風に備えなきゃ!と買い物に向かうため自転車を走らせていた時、川の付近を通った際にか細い鳴き声が聞こえてきました。
そこは、いつも大雨の時に濁流となった川の水が押し寄せてくる橋の近く。やけに枯れた子猫の声が聞こえてきました。
放っておけるわけがなかった
自転車を路肩に停め、「猫ちゃん?どこにいるの?こっちにおいで!」と声をかけると、ドロドロの子猫がフェンスの脇から這い上がってきました。
声の主を見てびっくり。子供の頃飼っていた猫と同じ、ハチワレちゃんだったのです。子猫を一目見た瞬間、これは本当に運命かもしれないと思いました。しかし同時に、怖がられて保護できなかったらどうしよう…と不安にかられました。
しかし、そんな不安も一瞬で消えることになります。
不思議なくらい人懐っこかった子猫
普通の猫なら、見ず知らずの人間が「おいで」と声をかけても逃げるでしょう。
しかし、この子猫は不思議なくらい人懐っこく、私の服によじ登り「抱っこしろ」とでも言うかのような態度でした。これには驚きです。
結局、そのまま自転車のカゴに子猫を乗せ、自転車を押しながら帰宅。当時は家に猫グッズがひとつもなかったので、近所に住む保護猫活動をされている方に子猫キットを貸していただきました。
家族も「拾っちゃったか〜!」と言いつつもとても協力的でしたが、我が家にはひとつだけ、保護猫を迎えるにあたり問題がありました。
先住の保護犬が猫嫌いだった
当時、私の家には飼い主を亡くし保護した、ミッキーというワイマラナー(大型の猟犬)がいました。ミッキーは大の猫嫌い。猫を見ると、敵と見なすのかすぐに狩ろうとしてしまうのです。
本能なので仕方ないのですが、子猫を見ると大騒ぎ。その為、うちに来て暫くはキャットケージに入っての生活をせざるを得ませんでした。他にも先住犬は2匹いましたが、ミッキー以外はすぐに子猫と仲良くなりました。
動物好きな方は特に、既に先住の動物を飼っている状態から保護猫を迎えることもあると思います。私が1番苦労し、大変だったと思ったのはミッキーの対猫トレーニングでした。
最初はケージ越しに対面させ、慣れて反応しなくなったらマズルガードを付けて直接匂いを嗅がせ…。素人判断では難しいので、知り合いのトレーナーさんにも相談しながらのトレーニングでした。
ありがたいことに長期間のトレーニングを経て、ミッキーも子猫と打ち解けてくれるようになりました。子猫には「菜々」と名付け、今ではかけがえのない家族の一員となりました。
猫のいる暮らしは本当に幸せ
保護猫を迎えて良かったと思う事はたくさんあります。
まず、ありきたりかもしれませんが猫との暮らしはとても幸せなのです。私は犬も3匹飼っていますが、菜々がくれる幸せは犬たちとはまた違う、猫でなければ知りえない幸せを与えてくれていると感じます。ふわふわな毛並み、ゴロゴロと鳴る喉の音。菜々の存在自体が幸せでできているのでは?と思うくらいです。
さらに、猫を飼っていることで猫好き同士の人脈が大きく広がりました。犬好きさんとはお散歩で仲良くなったりしますが、猫は室内飼いが多いこともあり、菜々の話をして初めて身近な人たちが猫飼いさんだと知ることも。
そこからの紹介で友人関係が広がったり、保護猫活動をされている方と知り合いお手伝いをさせていただいたりと、様々な体験をもたらしてくれました。
自由奔放で常に楽しいことを探しているような
菜々を見ていると、自分の悩み事が馬鹿らしく感じるところも、菜々を保護して良かったと思える点のひとつです。保護猫のいる暮らしは笑顔に溢れています!
現在の菜々ちゃん
菜々を見つけた日から3年。今でも台風が来る度に菜々と出会った日を思い出します。ありがたいことに、とても健康で元気に育ってくれた菜々。保護時に1.7kgだった体重も、今は4.2kgの立派な美猫に成長しました。
毎日犬たちと仲良く遊んで過ごしています。人懐っこい性格もそのままで、ワクチン等で時々お世話になる獣医さんにも愛想良くご挨拶できる良い子です。
まとめ
これから保護猫を迎えようとしている方、私のように突然の出会いで猫を保護した方…保護猫との出会いは人それぞれでしょう。しかし、きっと保護猫を迎えて後悔する人はほとんどいないのではないでしょうか。
保護されることで幸せに生活できる猫さん達が1匹でも増え、その幸せをおすそ分けしてもらえる飼い主さんが1人でも増えますように。