YouTubeチャンネル『にゃんちゅうばぁCatTuber』に投稿された動画には、目も開いておらず、へその緒もついたままで保護された1匹の小さな子猫が、たくましく成長する日々が記録されていました。
先輩犬・猫たちや、保護主さんの子猫へのあふれんばかりの愛情が伝わるこちらの動画は、YouTubeで598万回以上再生され、1000件以上のコメントも寄せられています。
小さな体で懸命に鳴いて助けを求めた子猫の成長
ある日、アルミサッシ屋さんの倉庫の中で、たった1匹で助けを求め鳴いていた子猫が保護主さんのお家にやって来ました。
まだ目も開いておらず、へその緒もついたままで、体重はわずか85g、生後3日ほどと見られる小さな命です。保護された場所が由来となり、この子猫は保護主さんのお家で「あるみ」ちゃんと呼ばれることになりました。
哺乳瓶だとあるみちゃんが飲むまでにすぐに冷めてしまうため、シリンジでミルクをあげ、自力ではまだできない排泄のお世話も、お尻を刺激して行います。
母猫はなぜこの元気な子猫を置いていってしまったのか、「キミのお母さんはうっかりさんだね」と保護主さんが話しかけてお世話をするうちに、懸命に鳴いて疲れた子猫はやっとひと心地つけたからか、すやすやと眠り始めました。
生後5日目ほどに突入すると、倉庫で鳴いていた時と同じくらいの大きな鳴き声を響かせながら、あるみちゃんは室内をおぼつかない足取りでうろうろするほど元気な様子を見せました。
ミルクもよく飲んでくれて、小さな体からあふれる生命力に、保護主さんも嬉しそうです。
生後7日を過ぎると少しずつ目も開いてきて、あるみちゃんの部屋であるキャリーケースを登るパワーも発揮!そして、今まではシリンジから飲んでいたミルクも、生後10日が経つ頃には哺乳瓶から上手に飲めるようになりました。
保護主さんは犬猫の保護団体のスタッフでもあり、迎え入れた子たちと暮らすだけでなく、他の預かり犬・猫たちもいるにぎやかなお家。あるみちゃんにとっての先輩犬・猫が身近にたくさんいます。
ブリーダーの元から保護団体にレスキューされ、少し前に保護主さんの家族となっていた黒いラブラドールレトリーバーの「ジオ」くんも、あるみちゃんの先輩です。
ジオくんはあるみちゃんのミルクの匂いにつられてやって来たようでしたが、ご飯の時間を終えたあるみちゃんの顔を優しくなめて拭いてあげています。
そんなジオくんに、あるみちゃんも積極的にアプローチ。ジオくんは初めて出会った自分よりも小さすぎる子猫に戸惑い気味に固まっていましたが、腕に登るのを邪魔せず、好きにさせてあげました。
まだ生後約2週齢のあるみちゃんは、つきっきりで愛情をくれる母猫を必要とする時期です。その後も、お世話をしてくれるジオくんの元へよく行くようになりました。
ジオくんは男の子なのですが、おっぱいを探してお腹にくっつくあるみちゃんに、片足をあげて授乳を促す姿勢をしてみせたりと、優しく受け入れています。
また、猫の「ゆう」ちゃんは、お腹がいっぱいでそばでうとうとし始めたあるみちゃんを引き寄せ、寄り添い方を教えてくれました。
母猫やきょうだい猫がおらず、いつもひとりで寝ていたため、他の犬や猫と寄り添って眠ることを知らなかったあるみちゃんを切なく感じていた保護主さんにとって、嬉しい出来事だったようです。
あるみちゃんの本当のお母さん猫はいませんが、保護主さん以外にもお母さん代わりになってくれる犬や猫たちがいたことは、あるみちゃんの寂しさを和らげてくれる大切な存在でした。
生後3週齢を過ぎる頃には、1回あたりに飲むミルクの量も増え、ずいぶんと歩けるようになり、歯も生えてきました。保護子犬の「白豆」ちゃんにちょっかいを出されて興奮したのか、最近始まった甘噛みで保護主さんの指先を夢中で噛み噛み。
誰に教えられるでもなく毛づくろいをするなど、あんなに小さかったあるみちゃんが猫らしい動きや仕草をしてくれるのも、ここまで育ててきた保護主さんにとっては感慨深い姿です。
生後1ヶ月齢を超えると、毛づくろいをしてくれていたゆうちゃんに向かって、じゃれるように初めての猫パンチを繰り出す瞬間も!
成猫のゆうちゃんにとっては痛くもない可愛い攻撃でしたが、先輩らしく優しい反撃もして、あるみちゃんに猫同士の接し方を教えてくれています。
自分より体が大きいゆうちゃんにもまったくひるまない姿から、保護主さんはあるみちゃんの負けん気の強さを垣間見ました。
活発に動くようになったあるみちゃんのため、新しい広めの寝床も準備します。母猫やきょうだい猫とくっついた時の暖かさを感じられるよう、湯たんぽも用意してあげると、ぐっすりと眠れたようです。
生後5週齢を過ぎた頃には、離乳食にもチャレンジ!はじめは食べ物だとわからなかったようですが、保護主さんが指で口の中に入れてあげると、おいしさを実感できたようです。
あるみちゃんは、食べて、寝て、よく遊んで、少し小柄ながらも順調に大きくなっています。ジオくんは相変わらず、あるみちゃんのそばでのんびりとその成長を見守ります。
自分よりも少し体の大きな他の保護子猫とも活発に遊べるようになり、後ろから飛びかかってみる勝気でたくましい姿や、みんなと遊びたくて高い柵をよじ登るほどのやんちゃっぷりも披露しました。筋力もどんどん発達している証です。
また、お父さんの腕の中でヘソ天でぐっすり眠る姿からは、保護した当初の不安そうな様子はなく、心から安心して過ごせていることを周りに示してくれました。
生後2ヶ月齢になる頃のあるみちゃんには怖いものなし!先輩子猫たちが遊んでいる最中に乱入してみたり、ジオくんの上に乗ってしっぽをおもちゃにしてみたり。
お母さん猫を探して鳴き、恋しがっていた様子は、今はまったくありません。
狩りも覚えて、先輩子猫の「キウイ」くんの耳に噛みついたり、顔をホールドしてじゃれついてみます。
狩りの真似事を優しいお兄ちゃんで実践してからは、そのまま寄りかかってすやすや。
保護されたばかりの頃、他の犬や猫と寄り添って寝ることを知らなかったあるみちゃんでは見られなかった、幸せそうな寝顔です。
自由気ままに過ごすあるみちゃんの特等席は、ジオくんの体の上。寒さを和らげるためにも、他の保護子猫たちと一緒にくっついています。
その後、風邪をひいて体調を崩してしまったこともありましたが、治療を受けて無事に治り、心配そうにしていたジオくんもほっと一安心だったようです。
やがて、あるみちゃんの妹分となる保護子犬2匹がやって来ました。大好きなジオくんが子犬たちと遊んでいる時には、自分も仲間に入れてほしそうな様子でアピールします。
寝床を成猫たちのいる部屋に移ってからも、先輩相手にも遠慮なしで、機嫌が悪い時には妹分の子犬たちとじゃれて遊んでストレス発散!ティッシュ箱もいたずらして、楽しく遊び、気ままなあるみちゃんです。
保護主さんがやれやれ…とあるみちゃんを見ると、眠っているジオくんの体に乗り、「何か?」という表情で見つめ返していました。
そんなあるみちゃんに、「ジオ、あるみちゃんがママに見放されたからって、ちょっと甘やかしすぎたんじゃない?」と、保護主さんは苦笑しているようです。
しかし、ジオくんをはじめとしたみんなが、あるみちゃんの元気さを優しく見守ってくれたおかげで、人間・犬・猫が暮らすにぎやかな環境でも動じない子猫に育ってくれたことを、保護主さんはきちんと理解していました。
その甲斐もあり、あるみちゃんは、猫2匹と犬が暮らす「ずっとのお家」に迎え入れられることになります。倉庫でひとり懸命に鳴いて、運を自分で手繰り寄たあるみちゃんは、無事に幸せをつかむことができたのです。
あるみちゃんが保護された日から、里親さんの元へ旅立つ日までを映したこちらの投稿には、『なんて優しい時間と空間なんでしょう。人も犬も猫もみんな小さい命を受け入れて優しく包んでくれてる』『皆のお陰で、あるみちゃん幸せいっぱい貰えて、可愛く大きくなれて良かった』など、感動した人からのコメントが多く寄せられています。
あるみちゃんだけでなく、他の保護犬・保護猫たちの記録も、他の投稿からご覧いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね!
あるみちゃん、保護主さん、この度はご協力いただき誠にありがとうございました!