ホテルの植木に捨てられていた生後1日齢と見られる子猫を引き取った飼い主さん。獣医師から告げられたのは、「育たないかもしれない」という衝撃の言葉でした…。
手のひらにおさまるほど小さな子猫を育てあげた1ヶ月間を記録したこちらの投稿は、YouTubeで177万回以上再生され、500件を超えるコメントが寄せられています。
大切に育てよう…懸命に命をつないだ1ヶ月間の記録
白い毛色の子猫がきょうだいとともに捨てられていたのは、とあるホテルの庭の植木。宿泊客が見つけた3匹の子猫は、箱に入れられることもなく、裸のままで置かれていたそうです。
ホテルのスタッフがなんとかお世話をしてくれたものの、3匹のうち1匹は夜間のうちに亡くなり、もう1匹は別の家族に引き取られていきました。そして、たった1匹残っていたのが、後に「ハク」くんと名付けられ、飼い主さんの家族となる子猫だったのです。
目も開いておらず、人の片手にすっぽりとおさまるほど小さいその子猫は、生後1日齢ほどのようでした。飼い主さんは、幼い子猫が捨てられているという情報を聞きつけ、家族で相談し、保護することに決めたそうです。
段ボール箱の中で鳴いていた子猫は、飼い主さんが手をそっと差し出すと、離れまいとぴったりと寄り添ってきます。
さっそくミルクもあげてみますが、母猫のお乳を吸う間もないまま捨てられたのもあってか、ほんの少しずつしか飲んでくれません。
また、お尻を刺激して排泄させると、出てきたのは黄色いおしっこ。きちんとミルクが飲めている子猫なら、透明に近い薄黄色のおしっこが出ますが、この時の子猫の尿色は濃く、脱水状態であることを示していました。
家に着いてから翌日の朝、子猫は安心できたのか、ぐっすりと眠れているようです。この日は動物病院へ連れて行き、診察を受ける予定でした。
しかし、いざ診察を受けてみると、獣医さんから「育たないことを前提に育てていただいた方が…」という衝撃の言葉が告げられます。体重わずか70g強しかなかった子猫は、母猫からの免疫を含む初乳を生まれてすぐに飲めていない可能性が高かったからです。
この「育たないかもしれない」という言葉は、この時の飼い主さんにとって忘れられないものとなりました。
しかし、病院からもらった薬を混ぜながら懸命にミルクを飲ませるうちに、子猫もだんだんとミルクの飲み方が上手になっていきます。また、飼い主さんの手のひらに抱かれている間は、安心して眠ることができるようになりました。
小さな子猫を手のひらで温め、優しくなでる飼い主さん。
飼い主さんの愛情に守られた子猫は、次第に哺乳瓶からミルクを飲むことを学んだり、ミルクを飲む量を増やし、活発な動きを見せてくれるようになります。
ごく少量を舐めるようにしか飲めなかった初日に比べると、夢中でミルクを飲む子猫の姿からは大きな進歩を感じられるほどです。
体重も100gを超え、お腹もポンポコリンになりました。毎日しっかりとミルクを飲めているサインです。
この頃には子猫の顔も少し丸みを帯びて、飼い主さんの手のひらでくつろぐ時に、猫らしく伸びをする仕草も見せてくれています。
飼い主さんが子猫のお世話をしているお部屋の前には、先住猫のアメリカンカール「あお」くんの姿もありました。
子猫の匂いや、飼い主さんが度々別のお部屋にいる状況が気になるようではありますが、のんびりとマイペースに受け入れて、飼い主さん家族の癒しとなってくれています。
すくすくと育っている子猫の目も、ついに開きました。飼い主さんの胸に抱かれて、存分に甘える顔は、より可愛さが増したようにも見えます。
やがて子猫のミルクを飲む勢いはどんどんと増して、哺乳瓶めがけて「待ちきれない!」とジタバタする元気な姿を見せ始めます。
育たないかもしれないと言われ、あんなにも弱々しかった子猫を記憶している飼い主さんにとっては大きな喜びです。
そしてこの頃に、子猫の名前が「ハク」くんに決まりました!
ハクくんは、飼い主さんに添い寝をしてもらったり、大好きな飼い主さんの手に抱っこをしてもらって存分に甘えながら、少しずつ大きくなっていきました。
ハクくんの部屋となっていた段ボールの箱を、いつのまにか自力で乗り越えられるほどの筋力も発達していたようです。
自分でよじ登り、ダンボール箱から抜け出たハクくんの元気な成長ぶりに、「すごいやん!」「登っちゃったよ」と飼い主さん家族みんなで微笑みます。
歯も生えてきたハクくんは、離乳食にもチャレンジ。はじめは離乳食に慣れず、嫌がっていたハクくんのため、飼い主さんは指からあげています。
しかし、徐々に離乳食のおいしさに気づいてくれたようで、ハクくんは自ら食べてくれるようになりました。
鼻の頭にご飯をくっつけたり、こぼれたご飯を足で踏んづけながらも食べる姿や、食後にご飯の余韻を味わうハクくんの様子に、ミルクから離乳食を食べるまでに育て上げた飼い主さんの喜びもひとしおです。
そして、ハクくんを育て始めてから1ヶ月が経ち、ハクくんは立派なサイズに成長しました。
当初は人の片手ですっぽりと包み込めるほどだったのが、1ヶ月も経つと、両手でもおさまりきらないほどです。
子猫らしい丸々とした体つきで、安心できるお家の中、飼い主さんの手から夢中でミルクを飲んでいるハクくんはとても満足そう。生まれてすぐに命の危険にさらされたハクくんがここまで大きくなれたのは、奇跡のようなものだったのかもしれません。
ハクくんを保護してからの1ヶ月を映したこちらの投稿には、『優しい家族に助けられてハクくんは幸せ者やなぁ』『一つ一つの表情や仕草、まん丸お目目、ミルク飲む姿全部可愛い』『ハクちゃんの生きようとするチカラも素晴らしい』といった、感動した人からのコメントが多く寄せられました。
また、『お世話も成長や体調に合わせて試行錯誤、細やかな工夫が随所に見られて愛情があふれている』『ママさん達1ヶ月すごく大変だったと思います。ママさん達もハクちゃんも素直に凄いと尊敬します』といった称賛や共感の声も続出しています。
ハクくんのその後の成長ぶりや、先住猫のあおくんとの触れ合い風景、飼い主さんとの日々は、他の投稿でもご覧いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。
ハクくん、飼い主さん、この度はご協力いただき誠にありがとうございました!