小さなダンボール箱に入れられ、捨てられていた4匹の姉妹猫たち。飼い主さん夫婦と巡り会い、すくすくと育っていく姿に幸せを祈る声がたくさん届けられました。
YouTubeでは218万回以上再生され、550件以上のコメントが寄せられた、姉妹猫たちの成長物語をご覧ください。
4姉妹猫の行く末は?捨てられた猫たちが幸せになるまで
飼い主さんご夫婦が4匹の子猫たちと出会ったのは、夏も終わりを迎える8月末のこと。しかし、この日は屋外の気温が37℃を観測する猛暑日でした。
飼い主さんは、その日たまたま仕事のために早く家を出ました。仕事場に到着すると、隣の建物には警察官がいるのが見えましたが、「いつもの巡回連絡かな?」と一度は通りすぎます。
ところが、すぐ後に仕事場にやって来た奥さんは、ダンボール箱をあおって風を送る不思議な警察官の姿を目撃します。
その話を聞いて、なんとなく飲み物を買いに行くついでに見に行ってみると、そこにはなんと小さな子猫の姿が!警察官たちは、遺棄された子猫の捜査に来ていたのだと気づきました。
警察官と話し、ダンボール箱をのぞいてみると、中には4匹の子猫たち。敷物は汚れたチラシだけで、中には目やにでまぶたが開かない子もいます。
ダンボール箱に入れられた子猫たち
そして、捨てられていた時には、テープで表面がぴっちりと閉じられていたことも知りました。あと少しでも発見が遅れれば、こんな猛暑日の中、子猫たちが生きていられたかはわかりません。
飼い主さんは警察官と話す中で、このままだと子猫は処分せざるを得ないことも聞きます。しかし、すでにお家にはシニアの先住猫もいて、これから仕事も始まる、多頭飼いも経験がない…。
4匹もの子猫と、ゆっくり考える時間もないことに飼い主さんご夫婦は迷いましたが、「1匹だけを選ぶことはできない」と、全員を保護することを決意します。
診察時間外だったため、まずは子猫たちをお風呂に入れる飼い主さん。体にはたくさんのノミがつき、体もキレイとは言えませんでした。
幼い子猫たちの負担にならないように気をつけながら、手早くシャンプーをしていきます。
さっそくお風呂だ!
洗い終わった子猫たちは人を怖がる様子もなく、捨てられていた状況から、人にお世話されていたことが予想されました。(しかし、結局子猫たちを捨てた人はわからずじまいだったそうです)
ご飯をあげると勢いよく食べ、仕事終わりに向かった獣医さんでの診察も無事に終えることができ、ひとまず安心です。この頃の4姉妹は、自転車のかごに入るサイズのキャリーにみんなで入ることができるほど、小さな体つきでした。
飼い主さんは、ハチワレ模様の黒白猫を「クロ」ちゃん、おでこに黒い点がある白猫を「テン」ちゃん、頭にぶち模様がある白猫を「マロ」ちゃん、模様のない真っ白猫を「シロ」ちゃんと仮で名づけましたが、最終的には里親に出すことはなく、そのままこの名前が定着しました。
ご飯をよく食べ、よく遊び、日々過ごす中で、子猫たちはどんどんと元気な姿を見せ、先住猫のアントンくん(本名・アントニオくん)にもやんちゃっぷりを発揮するようになります。
お兄ちゃんが気になる子猫たち
子猫たちを迎え入れた当時15歳だったアントンくんは、急に4匹もの姉妹猫のお兄ちゃんとなったため、戸惑いもあったようです。
しかし、鼻先を子猫に近づけて優しく挨拶をしてあげたり、アントンくんがくつろぐそばで子猫たちがパワフルに遊んでも、穏やかに受け入れてくれました。
こうして、一緒に過ごす日々を重ねるうちに、子猫たちの個性もどんどん見え始めました。
抱っこされてくつろぐ子猫たち
運動神経抜群でお転婆なクロちゃん、一番小柄だけどご飯をモリモリと食べるマロちゃん、遊ぶ時には相手を一撃必殺!なテンちゃん、おっとりしていて穏やか・お世話好きなシロちゃんと、個性豊かな4姉妹です。
そんなやんちゃな4姉妹は、遊びの中でアントンくんに威嚇のポーズを見せる強気な瞬間もありましたが、アントンくんは年上の余裕を見せてのんびりと受け止めてくれます。
お兄ちゃんにも強気な一面
ちょっかいを出されてやれやれ…なお兄ちゃん
なんでもおもちゃにしてしまいつつ、元気に遊んで体も少しずつ大きくなる姉妹猫たち。遊んだ後は「ゴハンコール」も忘れません。
「体も大きくなってきたし…」と、飼い主さんは即席ケージから広めの立派なケージを用意してあげますが、姉妹の中でも小柄なマロちゃんはするりと隙間から抜け出てきてしまうというプチ事件もありました。
保護から2か月も経つと、子猫たちはずいぶんとたくましくなり、4か月後のクリスマスには、手作りの猫用クリスマスケーキを並んで食べた思い出も加わります。
メリークリスマス!
保護から5か月後には避妊手術も無事に終えることができましたが、先に手術を終えたマロちゃんとテンちゃんをクロちゃんが警戒して、仲良し姉妹の関係が変わってしまうのではと心配される事態も起こります。
しかし、飼い主さんご夫婦が生活環境を整えながら4姉妹を見守り、全員の避妊手術が終える頃には、以前と同じ仲良しの関係に戻れたのでした。
体が大きくなっても、4姉妹たちが元気にじゃれあって遊ぶ「にゃんプロ」も、にぎやかにご飯の催促をする「ゴハンコール」も変わりません。
お腹すいたー!ご飯はまだ?
ですが、保護されてすぐの小さな体ではできなかった階段の上り下りをする成長した姿を見て、ここまで無事に大きくなってくれた飼い主さんの喜びもひとしおです。
階段でも元気に遊ぶぞー!
2020年に保護された4匹の子猫たちも、今年で3歳を迎えました。
もしもあの暑い日に、飼い主さんご夫婦が遅い時間に家を出ていたら、警察官の不思議な動きに気づかなかったら…。この子たちがこうして穏やかに過ごす日々や、家族になれる機会はなかったかもしれません。
これからも、4姉妹たちが仲良く元気に過ごせますように。
元気に大きくなってくれてありがとう!
4姉妹猫が保護されてからの1年間を映したこの投稿には、『幸せになった姿を見るのは私も胸がいっぱいになった』『猫ちゃん達の幸せに満ちていて愛がたくさん。みているこちらも幸せになる』『愛されて育ってるのがお顔からも伝わってくる』と絶賛するコメントがあふれました。
4姉妹猫の保護直後から現在までの様子は、他の投稿でもご覧いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。
シロちゃん、テンちゃん、マロちゃん、クロちゃん、アントンくん、飼い主さん、この度はご協力いただき誠にありがとうございました!