2匹の姉妹猫と暮らす飼い主さんが出会ったのは、買い物に行く途中でたまたま見かけた、ガリガリに痩せている1匹の野良猫。「そのままにはしておけない!」と急いで保護した際の緊迫感ある動画が注目されています。
YouTubeでは229万回以上再生され、780件ものコメントが寄せられた、飼い主さんの猫に対する優しさに満ちた投稿をご覧ください。
「助けて…!」懸命に鳴いて存在を知らせた野良猫への優しさ
公園で生活していた保護猫である「うすくち」ちゃんと「こいくち」ちゃんという姉妹猫と暮らしていた飼い主さんが、買い物へ行く途中で偶然出会ったのは、ガリガリに痩せたハチワレ柄の1匹の白黒猫。
パッと見ただけでもわかるほどの肉づきの悪さと、浮き出た背骨、汚れが目立つ体からは、良い健康状態ではないことや、屋外で過ごしてきた時間の長さが確認できます。
痩せた猫が車の下でじっとしている
衰弱していそうな野良猫でしたが、車の下から「ミャオ…ミャオ…」と、飼い主さんたちの方を見つめたまま鳴き続けていました。
元気はない様子ではありますが、残った力を振り絞りながら必死に鳴き、助けを求めるかのようなその姿に、飼い主さんは心を動かされます。
飼い主さんは「このままだとこの子は死んでしまうかもしれない…」と見捨てることはできず、保護した後にどうするのかは一旦置いておき、この子を保護することを決意します。
近寄ってみても逃げずに鳴き続けている…
助けを求めるかのように鳴いていた野良猫も、弱っていて動く元気がないのもあるかもしれませんが、そのまま逃げずに留まっていました。
保護することを決めたとは言え、あくまで相手は野良猫。いきなり抱っこをしては驚かせてしまったり、保護をする側も猫もケガをするリスクがあったため、まずは緊急保護のための準備からスタートです。
近くのスーパーへ、保護のために必要な洗濯ネットや軍手などを購入しに行き、保護の準備を進めます。買い物が終わるまでの間も、猫は逃げることもなく車の下にいました。
少しでもこの猫の気持ちをほぐして落ち着いてもらおうと、まずは液状のおやつを混ぜた水を与えてみます。
おやつ入りの水を差しだしてみると…
すぐに飲み始めてくれた!
よほどお腹が空いて、のども乾いていたのか、痩せた野良猫はぺろぺろと夢中でおやつ入りの水を飲み始めます。過酷な環境で生きてきたことを示すその姿には、飼い主さんも心が痛むほどでした。
夢中で飲み続ける猫を観察してみると、被毛はボサボサで、耳の中もかなり汚れているようです。
少し落ち着いた猫は周囲をキョロキョロ
一通りおやつ入りの水を飲み、落ち着き始めた野良猫を見て、飼い主さんはさっそく捕獲を試みます。
野良猫の保護は3回目と経験はある飼い主さんでしたが、どんな反応を見せるのかはその猫によっても異なるため、やや緊張気味。
無理をすれば、この弱った野良猫にどんなストレスがかかるのか、予測もつきません。これから緊急保護の様子が本格的に始まるシーンには、緊迫感があふれています。
まずは車の下にいる猫に、体に触れる距離に来てもらうため、液状おやつを食べさせながら誘導していきます。お腹が空いていた様子の猫は、順調に出てきてくれました。
おやつにつられて少しずつ姿を見せる猫
そのまま夢中でおやつを食べてくれる猫を見ながら、一瞬だけ首の後ろをつかみ、すばやく購入してきた洗濯ネットへ。
首の後ろをつかんでしっかり確保!
飼い主さんも猫も、どちらもケガをすることなく、さらには最小限の負担に抑えながら、無事に保護することができました。
おやつや水の入れ物を片づけてから急いで連れ帰り、その後は動物病院へ。受診し終わって飼い主さんの自宅に戻りますが、すでに先住猫が2匹いるため、お互いの健康を守るためにもしばらくは隔離生活の始まりです。
実際に、隔離部屋に用意されたケージに入れられた野良猫には、最初は気づかなかったノミもたくさん寄生していました。
飼い主さんは、洗濯ネットに入れられた猫を出そうと、優しくジッパーを開けていきます。
洗濯ネットから顔を出せたものの…
洗濯ネットから顔を出せるようにしてあげますが、保護された猫は緊張しているのか、車の下で見せた鳴く様子もなく、じっとしたままです。
動物病院では、体重をはかってみると1.8kgしかなく、また、子猫ではなく出産歴のある女の子であることや、極度の脱水と貧血があることも告げられていたため、飼い主さんは心配そうに見守ります。
実際に、ここまで衰弱していたにも関わらず、この日に保護されていなかったら、この子の命はどうなっていたのか予想もできてしまうほどでした。
この日まで頑張って生き抜いてきた猫を労わるかのように、飼い主さんは軍手越しに優しくなで続けます。
猫の頭や体を優しくなでなで
車の下ではよく食べてくれたおやつや、お皿に入れたご飯も、緊張のせいか、衰弱している体調のせいか、なかなか食べられない状態が続きます。
再びおやつをあげてみるも…
それでも、「なんとか生きてくれ…!」という飼い主さんの思いが伝わるこの投稿には、『見捨てず最大限の優しさで保護をし、できる限りを尽くすことはそう容易いことではないので頭がさがる』『助けを求める声に心が刺さりました。助けてもらえて本当によかった』といった、称賛の声があふれました。
また、『どんなに不安な毎日を一人ぽっちで外で暮らしていたのかと思うと、胸が張り裂けそうになった』『子猫くらいの体で大人とは…どれだけ過酷な日々を送ってきているのかと思うと泣けてくる』など、外で生きる猫たちの厳しい現実にも、注目が集まっています。
その後、この猫は「くろまめ」ちゃんと名付けられ、先住猫だったうすくちちゃん・こいくちちゃんとともに、飼い主さんの家族となりました。
体調は一進一退を繰り返しつつも、甘えん坊になって安らいだ顔をしているくろまめちゃんのその後の姿や、今では飼い主さんの笑いも誘う元気な様子は、他の投稿でもご覧いただけます!
ガリガリに痩せて衰弱していたくろまめちゃんがどのように生まれ変わっていったのか、ぜひその後の姿も追ってみてください。
くろまめちゃん、飼い主さん、この度はご協力いただき誠にありがとうございました!