道路で保護した子猫「余命一週間」を乗り越えて

道路で保護した子猫「余命一週間」を乗り越えて

私が保護した小さな子猫の生命力と、その子に何とか生きてほしいと願い、分からないなりに必死にお世話をしたお話を書かせていただきます。現在も通院中で、頑張っています。

私と保護した子猫「チビさん」の出会い

保護後すぐ

道路で保護した子猫と生活しています。自宅から電車で1時間ほどの町にある工場を経営している実家で、月に1週間ほどお手伝いをしています。

私と子猫の出会い

去年の9月の終わり頃の事です。我が家は小さな町工場を営んでおり、一緒に働く叔父が事務所に入って来て言いました。「子猫がいるよ」その一言で直ぐに事務所を飛び出すと、小さな白い子猫が、私に向かって一目散に走り寄ってきました。

なんて可愛いの!と抱き上げると、その小ささに驚きました。

片手で軽々持てる位の大きさでした。叔父の話によると、会社の近くの道路の真ん中にいて、タクシーが通れずに立ち往生していたそうです。そのままでは危ないからと叔父が子猫を道路の脇に連れていくと、くっついてきたとのこと。

顔を見ると何の汚れか分かりませんが、黒く汚れてぐちゃぐちゃで、目やにも出ているし、恐らく猫風邪を引いているのだろうと思いました。あまりに小さいその子を放置する事も出来ず、取り敢えず事務所に保護し、籠にタオルを敷いて寝かせることに。

ノミまみれ

お昼で動物病院も昼休みなので、取り敢えず昼食を食べる間は隣に籠を置いて様子を見ました。疲れていたのか安心したのか、ぐっすりと眠っていました。食後にチビさんの状態を詳しく見ると、ビックリするほどノミまみれ!でした。白いのでノミが良く見えました。

それで、急いで近くのホームセンターへ車を飛ばし、子猫にも使えるノミ取りシャンプーや、ノミ取り用の櫛を買い、必死でノミ取りをしました。

動物病院で処置

午後、近くの動物病院に連れていくと、恐らく生後3~4周目くらいとのこと。おまけにまだ小さすぎて病気があるか検査は出来ないと言われ、顔の汚れを拭いてもらい、栄養材とミルクを飲ませられただけで終了。調子が悪そうなら、また連れてくるように言われてその日はチビさんを連れて実家へと帰宅しました。

保護した子猫の元気がだんだんなくなる

実家で他の猫と

家に連れて帰ってすぐは元気で、先住猫に興味津々で付いて回っていたチビさん。ビックリしたのが、自力で食事が出来なかった事です。歯は生えていたのですが、母猫の母乳しか飲んでいなかったのでしょう。食べ物を認識すら出来ませんでした。

病院で子猫用のミルクを購入していたので、注射器を使って飲ませるのですが、書いてある分量の半分も飲んでくれませんでした。それでもチョロチョロしていたので、あまり気にしなかったのですが、、でも、日を追う毎に何だか元気がなくなってきました。

数日後、仕事を終えて私は自宅に帰らなくてはいけなくなります。実家には他にも猫が5匹いるので、病気の可能性のあるチビさんを預ける事は出来ず、保護した責任もあるので連れて帰る事に。

その頃には体温も低くなってきているようだったので、猫リュックに小さい毛布とお湯を入れたペットボトルを入れて、電車で1時間の道程をガタゴト揺られて自宅へ。

保護した子猫を動物病院へ連れて行く

病院にいる子猫

どんどん元気がなくなるチビさん。これはいけないと、自宅に帰った翌日、以前飼っていた猫でもお世話になっている動物病院へすぐに連れて行きました。

子猫の体調不良とノミ

ここで先生に言われたのは、まず、ノミを駆除! でした。ノミは血を吸って体力を奪うので、一番に駆除しないといけないそうです。私が地道にノミ取り用の櫛で取っていたくらいでは間に合わなかったんですね。反省です。

本来ノミ駆除の薬は子猫には投薬出来ないのですが、そこは先生の経験値で、量を加減して投薬していただきました。その時に先生に言われた言葉が衝撃でした。

「この1週間が勝負だよ」

なんと、チビさんはそこまで危険な状態だったのです‼その日から、私とチビさんの戦いが始まりました。

保護した子猫の看病

汚いメモ

チビさんはまだ自力で食事が出来ないので、とにかく栄養を。と思い、お高いドライフードをミルクでふやかし、擂り潰したドロドロの流動食を3時間おきに与えました。嫌がっても無理やり飲ませました。生きる為だ、頑張れチビさん!!

風邪もやはり引いていて目にもダメージがあったので、点眼薬も抗生剤も投与します。私がもっと早く気付いてあげれば、ここまで酷い状態にはならなかったかも知れないと、罪悪感でいっぱいになりました。

とにかく栄養栄養とミルクを飲ませ、汚れた目を拭き、目薬をさし、薬を飲ませ、トイレのチェック。この頃はまだトイレは覚えてくれず、部屋中に敷いたペットシーツの上や私の布団でおしっこをしてました。

保護した子猫余命の1週間を乗り越えて

撫でられる白い猫

検便をした結果

ノミもすっかりいなくなり、少しずつ元気を取り戻してきたチビさん。再び病院に行った時に検便をすると、なんと虫がお腹にいました!しかも強力な虫らしく、うんちをしたシートはすぐにビニル袋に入れて処分するように言われました。どおりで下痢をしていたはずです。

他の猫にもうつるらしいので、実家で接触した猫の心配をしたのですが、元気一杯で、問題ありませんでした。頑丈、健康で良かったです。チビさん、一体君はどんだけボロボロなの?と心配になりましたが、どんどん食欲も出てきました。

睡眠時間を引き換えにしても、チビさんが元気になっていく姿を見ると、本当に嬉しくなりました。ついでに目薬を指すのもミルクを注射器で飲ませるのも無駄に上手になりました。

まとめ

流動食

今はもうすっかり元気に走り回っていて、私の手をボロボロにしてくれますが、生き延びてくれて本当に良かったです。捨て猫や野良猫を保護する際は、信頼できる動物病院にすぐに行って、出来るだけ早く適切な処置をしていただくことが大切ですね。

他にも先住猫がいる場合は、病気などがはっきりするまでは接触を避け、トイレや食器も別にした方が安心です。チビさんは保護した時の栄養不足や風邪の後遺症で、片目が白く濁り、鼻水くしゃみ涙と、いまだに薬を飲んでいて通院中です。

ミルクから流動食、ウェットフード、ドライフードと、自分でご飯を食べられるようになっていく姿を見るのは感動でした。病院に行く度に体重が増えるのにホッとしていました。

通院でお金は掛かりますが、チビさんが気持ち良さそうに寝ている姿を見たり、朝、顔を踏み踏みして起こしに来ると、可愛くて仕方がありません。幸せかどうかはチビさんに聞くことは出来ないので未確認ですが、私はチビさんを保護して良かったと、心から思います。

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