【みんなの保護猫物語〜タイショーくんのお話〜】
突然やって来た元気はつらつな子猫
飼い主さんとタイショーくんの出会いは、2016年7月初旬、とても暑い日だったといいます。
6年前のタイショーくんがウチに来た日 pic.twitter.com/HHWhfX4661
— 保護猫タイショーくん (@noranecotaisho) October 23, 2022
「息子が1人で留守番をしている時でした。息子の友達が「道端でカラスと戦ってる子猫がいたから助けてやった、お前んちで飼ってくれ」と言い、なかば強引にうちに置いて行ったそうです」と、予想外の展開で飼い主さんのお家にやってきたタイショーくん。
外出をしていた飼い主さんが帰宅すると、「タイショーは、逃げ惑う先住猫(10歳、3兄妹)を嬉々として追いかけ回し、正直なところ黒い悪魔の子のように見え、全くかわいくありませんでした」と、タイショーくんは飼い主さんを戸惑わせてしまったそう。
全力ハイパワーな子猫、先住猫に変化も
画像提供:@noranecotaisho
飼い主さんのお家で、新しい生活がはじまったタイショーくんは、「とても活発な子で、いつも先住猫を追いかけ回してました」と、子猫ならではの怖いもの知らずな様子だったそう。
「本人は遊んでるつもりですが、先住猫達は歯肉炎になったり、食欲がなくなったりで、みるみる体調を崩してしまいました」と、お兄ちゃんやお姉ちゃんにとっては少々、困った存在でもあったのだとか。
そのため、タイショーくんを迎えた当初は、後悔することもあったという飼い主さん。我が道を行くタイショーくんに、いつしかお子さんたちも構うことが少なくなってしまったといいます。
家から飛び出したタイショーくん
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タイショーくんとご家族の間にみぞができるようになって半年経った頃、ある事件が発生したのだとか。
「あまり歓迎されてないと感じたのか、タイショーは、真冬のある日、一瞬のすきをついて窓から脱走してしまいました」と、お家からいなくなってしまったタイショーくん。
当時の状況について、「極寒の中、一度も振り向くこともなく逃げてしまったので、やっぱり、うちにいたくなかったのかな、今まで我慢してたんだね…とタイショーのことを少し可哀想に思いました」と、振り返る飼い主さん。
タイショーくんがいなくなって3日後の夜、事態が急展開を迎えます。
「いつものように窓を開けてタイショー、タイショーと呼び続けていると、ニャーっと答えて何事もなかったようにサッと家に入ってきた」のだそう。
帰って来たタイショーくんは、「体も足もあまり汚れてなかった」といいます。
飼い主さん曰く、「遠くには行かず、何も食べずに、家の近くでじっとしてたのだと思います」と、教えてくれました。
パプニングを経て、深まった家族の絆
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タイショーくんの脱走事件を経て、「家族みんながタイショーをかわいがるようになりました」と変化が訪れたそう。
その理由について、「タイショーが自分で我が家に戻ることを選び、家族もそれを受け入れたのだと思います」と、飼い主さんは語っています。
お家にタイショーくんが戻って来てからは、「先住猫たちも体調を崩すこともなくなり、やっとタイショーも家族の一員となりました」と、ようやく家族がひとつになったそう。
猫との共同生活で学んだもの
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猫ちゃんとの暮らしについて、「我が家は共働きです。先住猫を16年前に迎え入れた当時、子どもたちは、まだ小学生でした」と、振り返る飼い主さん。
「子どもたちは、学校から帰って来ると、家で猫達とずっと一緒に過ごしてました。そんな子どもたちもお陰様で社会人になることができました」と、お子さんたちは猫ちゃんとともに成長してきたのだそう。
これまでの猫ちゃんとの日々を通して、「子どもたちが持つ他人や動物の心の痛みを理解できる優しい心は、猫たちとの共同生活から学んだものだと信じています」と、教えてくれました。
猫ちゃんも人間も、同じように、お互いを理解をし合い、少しずつ歩み寄りながら、“家族”になっていくのかもしれませんね。
タイショーくん、飼い主さん、ご家族の軌跡が伝わってくる素敵なエピソードをシェアしてくださり、本当にありがとうございました!
※この記事は、取材協力者さまのご了承をいただいたうえで制作しています
取材/ねこちゃんホンポ編集部
文/サトウミジー
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