車のすき間に落ちた子猫……心の距離が縮まった瞬間に感涙

【みんなの保護猫物語〜桜子ちゃんのお話〜】

車のすきまに落ちた子猫を緊急保護

2021年6月、車体の隙間に落ちていた桜子ちゃんを発見した飼い主さん。

保護当時の様子について、「生後約2ヶ月でした。車から救出して、病院へ直行し診てもらったところ、少し汚れているぐらいでわりとキレイだったので、直前まで親猫に世話されていたのだろうと言われました」と、振り返っています。

また、飼い主さんとお家に帰った桜子ちゃんは、「親猫とはぐれて寂しかったのか、一晩中、鳴いてました」と、突然の環境の変化で落ち着かない様子だったそう。

子猫の未来のために。自分への“問いかけ”

思いがけず、子猫を保護することになった飼い主さん。猫と暮らした経験が無く、また独身かつ男性ということから里親募集サイトでの譲渡条件にも合致しない状況だったため、「私が飼っていいのか、本当に悩みました」と、その複雑な心境を明かしています。

さらに、「猫アレルギーも持っていたため、どうにもならなければ里親を探すことも考えていました」と、桜子ちゃんに幸せな猫生を送ってもらうために、あらゆる可能性を模索したそう。

当面の間、桜子ちゃんをお家に迎え入れるために、「保護した日は、病院でケージを貸していただけたのですが、2日後にはケージ、トイレ、キャリーなど全て買いそろえました」と、環境を整えたそうです。

子猫を迎えて変わった生活リズム

桜子ちゃんを迎えてからの生活について、「保護して3ヶ月ほどは、ご飯を4〜5回に分けて食べさせていたので、早朝に起きたり、なるべく昼に家へ帰ったり、と大変でした」と、大きく生活のリズムが変わったと語る飼い主さん。

一方で、「トイレもすぐに覚えてくれて、ご飯以外はあまり手がかからないことに驚きました」と、桜子ちゃんのおりこうさんな一面に触れることもあったようです。

心が通じ合った、“感動の瞬間”とは？

桜子ちゃんの性格についてうかがうと、「少し神経質ですが、とても甘えん坊でかわいいです」と教えてくれた飼い主さん。チャームポイントは、「両手両足の白い靴下です」と、愛らしい桜子ちゃんにメロメロのよう♡

今では、すっかりラブラブな桜子ちゃんと飼い主さんですが、お迎えした当初は不安もあったよう。飼い主さん曰く、「最初の頃は、桜子が私をどう思っているのか、嫌われたりしていないかとても不安でした」と、明かしています。

そんな飼い主さんの気持ちを察したのでしょうか。桜子ちゃんを保護して3ヶ月ほど経ったある日、「ブラッシングをしてあげると、初めて私の指を舐めてくれました。信頼している相手にしかしない行動を初めて見せてくれて、とても嬉しかったのを覚えています」と、“心が通じ合った瞬間”ともいえるようなエピソードを教えてくれました。

“我が子”になった桜子ちゃんへの思い

猫との暮らしについて、「桜子は、かなり手のかからない方だと思いますが、昔はなかなかご飯を食べてくれなかったり、今は早朝に必ず起こしてきたり、ティッシュをめちゃくちゃにしてイタズラしたり、ケージに足を引っ掛けて怪我しかけたりと、大変なことも多くありました」と、振り返る飼い主さん。

その上で、「楽しいことばかりでは無いですが、その何倍もかわいいので本当に癒されていますし、何かある度に、試行錯誤して対策をするのも楽しくなってきています」と、桜子ちゃんとの暮らしを通して得られるものも多いよう。

「今後も、桜子が健康で長生きできるように、責任を持って一緒に暮らしたいと思います」と、語っています。

飼い主さんにとって、桜子ちゃんは、「私は独身なので子供はいませんが、実の娘のようにかわいくて大切な存在」だといいます。

きっと、桜子ちゃんにとっても、飼い主さんはかけがのえない人生のパートナーになっているのではないでしょうか。

桜子ちゃん、飼い主さん、素敵なエピソードをシェアしてくださり、本当にありがとうございました！

※こちらの記事は、取材対象者の許諾を得て掲載しています

取材・文／サトウミジー

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