子猫のためならち地中にももぐります…。
通報・発見
打ち上げ花火に驚いた子猫が、驚きのあまり、まっすぐに4.5mの深さがある排水溝に転がり落ちてしまいました。救助依頼を受けた保護団体Hope for Paws がかけつけました。穴には重い金属製のフタがしてありますが、水を流し込むためのすき間(グリッド)から落ちてしまったようです。
助けを呼んだ女性は寿司店で働いているので、子猫の興味をひくために、店から生のサケを小さく切って持ってきてくました。まずははしごを穴に降ろして、排水溝の中へ。底にはにごった水がたまっています。子猫はどうなったのでしょう。
底の近くに排水を通す狭い横穴が続いていました。子猫はここにはい上がったのでしょう。懐中電灯で照らすと、奥に黒猫が見えました!
どうする?
子猫は突然の訪問者におびえて、さらに奥へと去って行ってしまいます。やばいよ、やばいよ。この子が自力で外へ出ることは不可能です。何としても助け出さなければ。今、はしごを下ろした場所の横穴の開口部を捕獲ネットでふさぎ、30m先の反対側の開口部から子猫をそのネットに追い込む作戦を立てました。
狭く、汚く、暗い穴でものすごく苦労してネットを取りつけてふさぎました。
いざ、作戦決行
そしてはしごを登って地上へ。今度は横穴の反対側につながる垂直の穴を降りていきます。
ここから彼は、狭い横穴を子猫の方へ30mほふく前進するのですよ!穴に降りたはしごは、反対側に張ったネットで子猫をつかまえた時に使うので、そちら側に再び戻して設置しておきます。はしごは1台しかないので、つまり、横穴の中に寝そべる彼の後ろからはしごは取り払われ、退路を断たれたようなかっこうです!ヒー!!閉所恐怖症の人にはまずムリ。しかもすんごく汚れている上に、濡れたヘドロがたまっているんですよ…。ウェェェェー!
さらにさらに、ロスアンジェルスは体感できる大小の地震が頻発(ひんぱつ)しているそうです。ほふく前進している最中にグラグラッと来たら…。想像しただけで恐怖です。
色んな危険な状況、危機的な状況に対応して動物たちの保護活動に従事するHope for Pawsですが、今回ばかりは精神的にも肉体的にもキツイ!
意を決して、いざ!
全身しながら、グチのひとつも出るってもんです。そして…いた!
ネットの前で縮こまる子猫。子猫にとっても、まるで巣穴で大蛇が迫ってくるような気分でしょう。モゾモゾとネットを頭で押して、逃げるすき間を探し始めました。はいつくばってそこまで到達し、子猫をネットの中に閉じ込めてしぼります。
ここまでしてくるヒトに、子猫の方があきれてしまったのか、案外おとなしくしてくれていましたが、あ、手を咬んだって。手袋をしているからよかったけれど。
もう1人の職員がキャリーバッグを横穴に押し込みます。ネットを移動して、子猫をその中へ放り込むのがまた、ひと苦労!やりましたよ!横穴から出て、キャリーバッグを抱えながらはしごを登り、ファァアア!やっと地上!
…なんですが、実は小さい手持ちの網を横穴に置いてきてしまったんですってー。はしごをもう一度降ろして…以下、省略。
ケア
やっとの思いで病院に到着。子猫の名前は「スシ」に。
スシは元気そうです。さっそくお風呂へ。イヤー!とひと声鳴きますが、ほら、排水と違って、この水は温かくてきれいだよ。
それから
この後、ごはんをもらうと、疲れて空腹だった子猫はガツガツと食べながら、猫語で「ウマイ、ウマイ」を繰り出しました。そしてやっと恐怖から解放され、おなかが満たされて安心すると、ゴロゴロゴロゴロ、のどを鳴らしながら人に甘え始めるのでした。見ていると癒されます。
この瞬間のために、この人たちは日夜、苦労をいとわずに活動を続けているのですね。でもこれで終わりではありません。スシは幸せ街道の入り口にようやくたどり着いたところです。
- スシの救出ストーリーはこちらからどうぞ。
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