過酷な外の暮らしで行き倒れた猫…保護され安心した寝顔に涙

過酷な外の暮らしで行き倒れた猫…保護され安心した寝顔に涙

弱ってうずくまっている猫をケージトラップで保護しようとしますが、トラップの動作不良や暴れる猫に手を焼きました。シェルターに保護すると、猫の態度は一変します。

窮鼠(きゅうそ)猫を咬む、弱った猫は人をひっかく!

発見・保護

ギリシャ・クレタ島の動物保護施設タキス・シェルターのフェンスのすぐ外で弱っている猫を見つけました。この猫の前にケージトラップを設置して猫が自発的に中に入るのを待っています。しかしまったく食欲がないのか動けないのか、猫はケージトラップのすぐ目の前にうずくまったまま、微動だにしません。シェルターに保護された犬たちの吠える声が少し距離を置いて響いています。

タキスさん:「ほら、シェルターからほんの数メートルの所ですが、このあたりはなーんにもないんですよ。」

カメラが地中海気候の乾燥した丘陵地帯を映し出します。

カメラを持ったタキスさんも、猫からほんの10メートルほどの距離に立っている様子。「おかしいなあ。食べ物が置いてあるのに反応しませんよ。私が近づいたらきっと逃げてしまうだろうし。」

それからしばらく経った様子。道の反対側からケージトラップを映します。ようやく猫が中に入ったのです!でも残念、ケージトラップがうまく作動せず、フタが開きっぱなし。ただごはんをあげているだけになってしまいました。「うそだろー。まいったなぁ。」タキスさん大きなため息。

こうなったらもう最後の手段。ずんずんと歩いて猫に近づいていきます。やはり猫はケージからするりと抜け出して、また茂みの中に入ってしまいました。

さらに近づいたら、あぁー、やっぱり逃げちゃった。小走りできることはわかりました。

改めて隠れた猫を見つけて、声をかけながら近づきます。猫は疲れ切っている様子で、目をほとんど閉じてうつむいています。

やっと見つけたその場所は、最初にシェルター近くで見つけたところよりもずいぶん上の方まで丘を登ったところです。よく再発見したなと、感心します。

他に手立てもないので、もう一度、猫の近くにケージトラップを置くことにしました。猫はまわりにまいた食べ物を口にしますが、ケージの中には入ってきません。しばらく膠着(こうちゃく)状態が続いた後…カメラが別方向を映していると、「ガチャン!」と音が響きました。急いでケージを見に行くと…。

いたー!入ってる!そしてパニーック!タキスさんが取っ手に手を伸ばすと、猫は「カーッカッ」と威嚇(いかく)。その元気がうれしい!…けど、タキスさん、グリッドのすき間から爪を立てられて流血してしまいました。

「ひっかかれちゃったけど…でもつかまえることができてよかったですよ。」

感染症予防のワクチンは色々、打っているのでしょうね。でもどうか気をつけて!

シェルターへ

さあ、丘をくだってシェルターへ。ケージの中でまだまだブシッとかカァーッとかがんばっています。シェルターの猫部屋に馴染めるのかしらん。

まずは落ち着けるプライベートルームに猫を放しました。ケージが開いたことに気づいた猫はさっと飛び出して、このカゴの中に座りました!

安住の地、かも

つかまった時、ケージの中であんなに暴れてタキスさんの手をひっかいた同じ子とは思えない。弱っているところに暴れて疲れ切っていることもあるでしょうけれど、この場所は安全と察したのかもしれません。

「この子は猫エイズに感染しているかもしれませんね。衰弱しているので生きのびることができるかどうかわかりませんが、薬をのませて、最善を尽くしてみます。」

3つめの動画では、安心した茶トラ猫ちゃんの様子も。これからは、温かいベッドでゆっくり体を休めてくれるでしょう。

  • 茂みにうずくまる茶トラ猫ちゃん

  • 保護直後の様子は?

  • ベッドでくつろぐ茶トラ猫ちゃん

※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
 掲載YouTubeチャンネル:Takis Shelter

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