【私と愛猫との出会い〜ふくたろうさんの体験談〜】
青い目の子猫
秋も深まってきた11月の半ば、見た事のない白トビ猫に追いかけ回されている子猫がいました。
子猫は駐車場の車の下に逃げ込みました。逃げていく後ろ姿の毛色から、シャム系の雑種だなと推測。この辺りではシャム系は見かけた事がなかったので、興味が湧いて見に行きました。
覗きこむと、想像していたシャム猫とは違い、顔の半分だけポイントがありました。「あれ?思っていたのと違う…」それが第一印象でした。
見た感じ生後3ヵ月か4ヵ月位に思えたので、独り立ちするにはまだ小さいし親猫とはぐれたのか育児放棄されたのかな…ひとりで冬を超すのは厳しいだろうな、どうにかしてあげたいなと思いました。
思っていたシャム猫とは違いましたが、初めて見た時から子猫が気になって仕方がありません。一度捕獲を試みましたが、あと少しというところで逃げられました。かなり怯えていたので、もう姿を見せないかもしれないと思いました。
4日後の夜、また子猫がご飯を食べに来ました。「怖くないよ、あなたを助けたいだけ」そう話しかけながら少しずつ近づきます。ご飯を食べて眠くなったのか、動きが鈍くなりました。そっと音を立てないように更に距離を縮めます。15センチ位まで近づき、そのまま様子を伺います。
今だ!子猫が目を瞑った瞬間、サッと抱き上げました。予め用意しておいたキャリーに入れます。
既に5匹の猫がいる我が家。これからどうするのか何も決まってはいませんでしたが、その時はとにかくこの子を放ってはおけないという気持ちしかありませんでした。
保護猫6匹
子猫を保護した次の日、病院で健康状態を診てもらいました。先生の見立てでは生後4〜5ヵ月、体重は1.4キロ程でした。
シラミがいたので駆除薬を滴下してもらい、念の為2〜3週間後にもう一度滴下する事になりました。その間は他の猫と接触させないようにと言われたので、別の部屋で隔離生活となりました。
青い目に魅了され、保護してすぐに名前も閃いて飼う気満々でしたが、我が家には既に5匹の保護猫がいました。
5匹のうち4匹は兄妹猫で生後6ヵ月。月齢も近いので仲良くなれるのではないかと、さほど心配はしていませんでしたが、問題は古参のもう1匹です。人好きの猫嫌いで、4兄妹にも威嚇します。半年近く生活を共にしても子猫達に心を開く事はありませんでした。
猫の性格もありますが、やはり6歳という年齢差があるので、仕方がない事なのかもしれません。それでもどうにかなるだろうと淡い期待を持ち、隔離生活に入りました。
隔離期間を終えて同じ部屋にケージを置くと、古参猫は凄い剣幕で、4兄妹は控えめに威嚇していました。新入り子猫も負けてはいません。シャーシャーと応戦します。
この先、どうなる事かと不安になりましたが、1ヵ月程で子猫同士は追いかけっこをするくらい打ち解けました。古参猫は相変わらず我が道を行くで、誰とも仲良くはなりませんが、それも個性と見守る事にしました。
実は血縁
4兄妹(ハチワレ、茶トラ、白ブチ、三毛)とシャム系、一見全く関係ないように思われますが、おそらく血縁関係にあります。
なぜなら4兄妹の母猫とシャム系猫が姉妹だと思われるからです。つまりシャム系猫の方が歳下にもかかわらず、おばさんになります。元々、ご飯を食べに来ていたさび猫が4兄妹の母猫(長毛三毛猫)を産み、その子が4兄妹を産みました。
シャム系猫がさび猫の子供だという確証はありませんが、長毛三毛猫とその子である三毛と耳の毛色が半分黒と茶色という共通した点があり、シャム系猫が生まれた時期は既に長毛三毛猫のTNRが済んでいたので、おそらくさび猫の子供だろうと推測しました。
それから
発情期
保護して2ヵ月経った頃、ずっと大きな声で鳴き続け、ご飯もほとんど食べませんでした。
どうしたんだろう?とインターネットで検索してみました。発情期が来るとご飯も食べなくなる事があると書いてあり、病院で診てもらうとやはり発情期との事。1週間後に避妊手術をしてもらえる事になりました。
この子を保護していなかったら、また可哀想な猫達が増えていたでしょう。そう思うと命を助ける事が出来、これ以上増えるのを未然に防ぐ事が出来た事は、本当に良かったと思いました。
お転婆と色変わり
保護当初はどうなる事かと思いましたが、子猫達はすっかり打ち解け、毎日走り回っています。なかなかのお転婆で、教えてもいないのにはしごを使ってロフトに登ったり、高い所から飛び降りたり、怪我をしないかと見ているこちらがヒヤヒヤします。
思い返すと、保護して初めて病院に連れて行った時も、普通の猫なら鳴いたり暴れたりするものですが、この子は待合室でグーグー寝ていました。小さいながら肝は据わっているようです。
そして、シャム系(サイアミーズ)遺伝子を持っているからか、毛色がかなり変わりました。
SNSで『シャム猫の色変わりすぎ選手権』というものがあり、そこで紹介されている猫達には及びませんが、アイボリーだった背中が薄茶に、半分だけだった顔のポイントも濃くなり、もう半分にも薄いオレンジ色が出始めました。
やはり、さび猫の遺伝子も持っているのだなあと納得しました。これから先もまだ変化があるかもしれません。どうなっていくのか楽しみです。
まとめ
経済的な理由から避妊手術を躊躇していた事もあり、野良猫が増えていった経緯があります。可哀想だからと餌を与えるのであれば、避妊去勢をするのもセットで、という事を4兄妹保護の時に学びました。
今回も命を助ける事が出来てホッとしましたが、まだこれで終わりではありません。さび猫も出来ればTNRをしたいと考えていますが、来たり来なかったりで、タイミングが合わず難しい所です。
私が関わった猫達のTNRをしていく事が責任を取るというか、罪滅ぼしになるのではと考えています。