保護猫の里親になって
家族に迎えたキッカケ
とても大切にしていた猫が突然死。ずっと悲しみから立ち直れない私を心配した家族が、とある猫カフェに連れて行ってくれました。人馴れしている猫達が多い中、キャットタワーのボックスの中で存在感に気づかないほどスッポリ入り、じっとしていた小柄な縞三毛が目に留まりました。
その子の保護経緯と聞くと、猫島とされる石垣島の公園に子猫の時に捨てられ、地元のボランティアさんが保護し、その後大阪のボランティアさんが引き取り、この保護猫カフェにやって来たとのことでした。
カフェに来て3ヵ月はケージから出ず、ケージを使う別の猫がやって来た時にキャットタワーのボックスを見つけ移動しても、ご飯以外はそこから動かない子で。撫でさせてはくれるけど、鳴くこともなく、他に猫と遊ぶこともなく、ずっと静かに過ごしています。との説明も受けました。
小柄で大人しいこの子なら家族で対応できると思い、我が家に迎えることになったのです。
慣れるまでの時間
我が家に来た時は全く動かず、借りてきた猫状態でした。さらに、とても臆病で警戒心が強い子だったので、子供が撫でようと上から手を出すとビクッとし、ドアが閉まる音でも目を丸くしてビックリ。
ご飯を食べてる時に人が近くを通ると危険を察知したかのように逃げてしまい、ソファに下に隠れて小さな体をさらに小さく丸めてました。
新しい環境になれるまでは、ご飯と寝床は近くにし、マナの行動を観察し、撫でる時はいつも「大丈夫だよ」と家族で声をかけ続けました。
少しずつ危険がないことに気付き、日中も出て来てくれる様になりました。
ですが、本当に一歩ずつの慣れだったので、完全に心を開いてくれるまでは約2年かかりました。
マナに救われたこと
ある日私が1人で前猫の写真の前で泣いているときのこと。まだ新しい環境にも慣れていないマナが心配そうに顔を覗き込み、静かに手に頭を摺り寄せてくれたのです。
知らない所に連れて来られ緊張と不安で一杯なのに、私を癒そうとしてくれる姿にとても救われ、リラックスして寝ている姿にも癒され、少しづつ悲しみから立ち直ることができました。家に来てくれてありがとう、マナの里親になれて本当に良かったと思ってます。
家猫になった現在
上から手を出したりするのはとても怖がっていたマナでしたが、今では家族の手がどこから出てきても大丈夫になり、ソファに座ると定番のように側に来てお腹を出し撫でてアピール。名前を呼ぶと必ず返事をしてくれ、1人遊運動会をするまでになってくれたました。
大好物の鰹節の催促や撫でて欲しい場所への誘導なんかも上手になり、行動や表情も豊かになったマナは完全に家猫です。
まとめ
トライアルの時期は前猫を亡くした悲しみが深かったのもあり、マナと前猫を重ねてしまわないだろうか…と心配もありました。けれども、小さな体で一生懸命に慰めてくるマナの姿を見て、この子はこの子だと思えたのです。
時間はかかりましたが、マナのペースに合わせて過ごしてきた積み重ねがマナに伝わり、信頼関係を築くこともできました。たくさん慰めて癒してくれた分、これからもずっと元気で猫生を歩めるようにしてあげたいです。
もし、保護猫を迎えることをお考えでしたら「ただ可愛いとか可哀そうだから」だけの感情で家族に迎えるのではなく、辛い思いをしてきたその子を「本当に受け入れらるかどうか」しっかり考えてから家族に迎えて欲しいと思います。その思いはちゃんと猫にも伝わるはずです。