【私と愛猫との出会い〜パセリさんの体験談〜】
郵便を出しに行く際に、横を通った公園にうずくまった猫を発見しました。大人の猫が鳴くこともなくフェンスの横でジッとしていたので、不思議に思って近づいてみましたが、逃げませんでした。おかしいなぁと思いながら撫でていると、顎にケガをしていました。
公園のフェンスの外側から撫でていたので公園の中に回って入ると、その間に小学校中学年か高学年くらいの自転車に乗った男の子が、その猫の横に来て心配そうに見ていました。
「その猫ケガしているみたいだね」と男の子に声をかけると、「僕の友達の家でご飯をあげていた野良猫で、ケガをしてはじめは病院に連れていくって言っていたけど、公園に放すって言ってここに置いて行った。」と教えてくれました。
公園の横は片道2車線づつの交通量。うちの近所ではそこそこ交通量の多い道路で、それまでいた家は道路の反対側だそうです。自分の家に戻って来れないように道路の反対側に置いて行ったのかもしれません。
その男の子に「私が連れて帰るからいいよ。」と言うと、弾んだ声で「ありがとうございます!」と本当に嬉しそうにお礼を言われました。いつ置いて行かれたのかわかりませんが、その男の子は猫がかわいそうで気になって見に来ていたんだろうと思います。
顎のケガ
その日は夕方だったので、翌日の朝一で病院に連れて行きました。先生が顎を持ち上げると穴からドバっと膿が飛び出してきてビックリしました。ケガしてからだいぶ時間が経っていたみたいです。
抗生剤の注射をしてもらい、飲み薬と消毒液をもらいました。一日何度も消毒し、それで治るようなら手術しなくてもいいと言われたので、仕事を辞めて家にいる元看護婦の叔母に預けて、猫の消毒をしてもらうことにしました。
今後の猫の住む場所はというと、私は当時すでに保護猫を6匹飼っていたので、従妹に引き取ってもらうことになりました。
叔母の家で
ケガは消毒と投薬で回復するのが早く、すぐに元気になりました。
ですが、今までもらっていたご飯はキャットフードではなかったようで…。叔母の家に行ってから、夜中にアンパンやらまんじゅうの袋を破って食べていたようで、叔母が困っていました。家で唐揚げを揚げていた時は、匂いで大騒ぎしていたそうです。
従妹の家で
しばらくしてケガも良くなり、従妹の家に移動しました。
女の子なので避妊手術をするため病院に連れて行ったところ、寄生虫がいて健康状態が良くないので寄生虫を駆除してから手術することになりました。カエル等を食べいてたようで、マンソン裂頭条虫がいました。寄生虫の駆除はかなり大変で、薬を飲ませるのが特に大変だったようです。
だいぶ経ってからやっと避妊手術ができたようです。
体重も2.8kgくらいしかなく小さかったので、生後半年くらいかと思っていました。ですが、病院の先生によると3歳くらいとのこと。
しかも子猫も産んだことがあるんじゃないかということでした。
猫の序列
従妹の家では、従妹1人暮らしで女の子2匹を飼っていました。そして、3匹目として迎えてくれたのです。
しかし、先住猫2匹より年齢が上だからか、もともと性格が悪いのか、他の2匹を追いかけ回しいじめるそうで…。別部屋に隔離して飼うことになり、大変だったそうです。
一人暮らしで飼う以上終わりがない状態で、結局叔母の家に戻ってきました。現在は叔母の家の4匹目になり、平和に暮らしています。
まとめ
ケガをした状態ですべてを諦めたような猫を公園で見つけ保護した後、その猫が今までどんな生活をしていたか想像すると胸が痛くなります。お腹に寄生虫がいても、妊娠しても、食べても食べてもお腹がすく状態なのにご飯がない。ケガをしても助けてもらえない、むしろ公園に捨てられる存在です。
この猫を保護して連れて帰った日、公園から猫を抱えて徒歩で家に着いた途端雨が降り出しました。公園の屋根がないところにいたので、あのままだと濡れていました。この子は運が良い子だと思います。
こういう境遇の猫が一匹でも多く平和に暮らせるように、飼うときは保護猫という意識が広まってほしいと思います。