【私と愛猫との出会い〜かまぼこ太郎さんの体験談〜】
無条件の愛
冷たい秋雨降り続くある日、私は仕事で出入りする会社でダンボールに入った手のひらよりも小さい三毛猫姉妹と出会いました。
産まれたばかりで脚はしっかりしておらず、手足パタパタ、立てばコロコロと…ミーミー泣いていました。そして全てを見透かす様な青い瞳をしています(後にチトンブルーと呼ばれている事を知りました)。
経緯を聞けば、そこの会社の社員さんが連れてきているとのことでした。
4日ほど前に社員の娘さんが川にかかる橋で雨に濡れ捨てられていたのを見つけ、家に連れて来たのがはじまり。保護団体に問い合わせるも、1頭3万円ほど費用を払って受け入れてくれると…姉妹で計6万円になります。金銭的に厳しいため、里親を募集しましたが誰も居らず。お腹は空かせるし、産まれたばかりなので職場へ連れてきているようでした。
抱っこをさせてもらいました。100gに満たない子猫。壊れちゃいそうで手が震えましたが…ミーミー言いながら私の身体を登って来るのです。 猫を飼うのは初めてですが、全てを見透かす様な美しい瞳と境遇を知り、「ならば俺が里親になるよ」とその場で即決しました。
名乗り出たわけですが…さすがに姉妹でっていうのはヘタレな私には厳しいので、小柄でかまちょ…ヘナチョコっぽい方の子の里親になる事にし「ちびたん」と名付けました。
貴方は私を大切にしてくれますか?
正直、大変な事や問題はソレほど感じませんでした。無力な子を守り育てる為には、対応が必要な事が起こるのは当然の事。必死だったからでしょうか。
強いて言うのなら、温度管理と湿度。室温27℃以上をキープし湯たんぽを用意しました。そして、ちびたんの為に良いという物は試しました。散財してしまうほどに。
初めての子育てなのでコレで合ってる?うんちを出すって言うけど、ミルクなのに出るの?等の地味な疑問が、子育てパパとしては重大な疑問でした。
他の猫飼いさんに聞いたりネットで調べたりしました。
幸せだなぁ
起きて元気に生きてる!ミルクを飲んだ!おしっこ出した!なにかわからないけどミーミー訴えてる…可愛い!などの感動が勝り、3時間おきのミルクの寝不足などは苦労と感じさせない幸せを与えてくれました。
ちびたんと生きて成長していると感じる事が、世知辛い世の中で揉まれ疲れた心を癒してくれるのです。ちびたんという1つの存在が加わっただけで…漢数字の「一」が「辛」に加わり、「幸」へと変わった感じでしょうか。
なんだかんだで一年
三毛猫らしく、神経質で臆病だけど、寂しがり屋のかまってちゃんで、おてんば娘。
パパが医食同源だと無添加御飯に拘った結果か、毛はサテン生地の様にスベスベ。獣医さんも不思議がるほどです。うんちも皆が言う様な激臭って程でもなく、うんちらしい臭い…食は大切と実感です。
まとめ
もちろん最初は戸惑いもありました。全てを見透かす様な瞳が「貴方は私を本当に大切にしてくれますか?」と問いながら見極めている様に感じ正直怖かったのえです。何か、あの目力が脳裏に残り、必死で無意識のうちに応えようとしていたのかもしれません。
尊い唯一無二の命。それを遺棄する行為…私は血の通っている同じ人とは思えないです。
我々人間でも生きる為にお金が必要です。それと同じ…当然、命ある自分以外の存在でもお金はかかります。可愛いだけでは駄目です。その事を踏まえ、覚悟を持ち犬猫等を迎えて欲しいと思います。
少しでも不幸な境遇にあう犬猫等が減る事を願います。