長い棒2本を1人で操って
通報・発見
壁の上に丸2日間うずくまっている猫がいると保護依頼を受けて、ロスアンジェルスの保護団体Hope for Paws が向かったのは、連絡を受けた翌日。つまり、まだそこにいるとしたら、もう2日半経過していることになります。
壁の上とは…映像で見ると、なるほど。コンクリートで固めた大きな水路の真ん中に突き出すコンクリートの壁状の構造物の先に、猫が。下手に手を出すと、水路の底に飛び降りてしまうかもしれません。2日半もじっとしているということは、ケガか病気でしょうし…。どうするのでしょうか?
レスキュー
保護依頼をした人の家族の男性が救助活動に協力してくれますが、犬も一緒でした。いったん帰宅して犬を置いてくるようにお願いしました。
犬の背後に見える突き出したコンクリートの壁の先端に猫がうずくまっています。
金網のフェンスを乗り越えてコンクリートの川床に降り、猫に近づきます。高さは、2m以上ありそうです。猫が飛び降りてしまいませんように…。
下から網を伸ばして猫の反応を探っています。同時に壁の上に設置したカメラがとらえた猫の様子も確認できます。
伸びてきた網を嫌って立ち上がり、体をかばいながらカメラの方に前進してきましたが、前足にかなりのケガをしているようで、まともに歩けません。ほふく前進のような状態です。
猫に食べ物を投げてみると、少しですが口にしました。空腹であるのは保護に有利です。食べ物でケージにおびき寄せることができそうです。
ケージを設置して、下から猫を前進させるように網で誘導。
猫がケージの横のすき間をすり抜けようとした時、バランスを崩した猫が壁から落ちそうに!
間一髪。ケガをした猫は力を振り絞って、壁の上にはい上がりました。やはりケージに入ることを、ためらってしゃがみこんでしまいます。
網の棒をもう1本追加。1人で2本を持ち、壁の両側から回して猫がまっすぐケージに入るか試します。
入った!でも猫が踏み板をしっかり踏んでくれないので、ケージのフタが落ちません。どうする!
…網でフタをたたいて落としました。これで無事に保護が完了しました。よかったよかった。「やったー!ユーフー!」
初対面。大丈夫だよ。安心して。
ケア
病院に到着。突然のことに戸惑い、頑張ってシャーシャー言う猫。名前は「フォーチュナ」になりました。
右前足が使えないにもかかわらず、手前に突進してケージにガツンと体当たり。気力は十分!処置のためフォーチュナに麻酔を打ちました。
フォーチュナのケガの処置が始まりました。前足は骨折ではなく神経が麻痺しているようです。その他に骨盤の複数の骨折や、他の箇所の脱臼なども見つかりました。自動車事故にでもあったのでしょうか。
医師の判断は、骨折によって内臓が締め付けられているために排泄ができなくなっている状態なので、体の外側に金属の枠を作って支え、内臓の位置を戻しつつ骨折をなおしてゆくというもの。難しい手術です。
よく頑張って生きていたね、フォーチュナ。
手術後の目覚め。骨盤と内臓の回復を優先して、右前足はまずは様子を見ることになりました。
それから
その後、順調に回復をとげたフォーチュナですが、前足は良くならず切断となりました。3本足で元気です。
それに、すっかり人に慣れました。おやつをもらいながら、素手でなでられるフォーチュナはまだちょっと緊張気味ですが、場面が変わる毎にどんどんリラックスしてゆく姿が見られます。
大丈夫、もうすっかり家庭猫!早く来て、里親さん。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel
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