【私と愛猫との出会い〜ハクさんの体験談〜】
出産間近の白猫母ちゃんとの出会い
子猫4匹を保護するきっかけは、2019年2月頃、家の周辺で明らかにお腹の大きい白猫を見かけるようになったのが始まりです。
家の周囲をうろついていた白猫は、家族が餌をあげていたせいか、そのまま家族になつき家族が家に帰ろうとするとそのままくっついてきて、家の中まで入ってくるようになってしまいました。
白猫とそんな関係になり、何日かたった2019年3月17日。白猫は我が家で4匹の子猫を産みました。そして産んだ10日後、白猫は様子を見ていた家族の隙をついて外へ逃亡し、行方不明になってしまったのです。
白猫のことはもちろん心配でしたが、その時一番心配だったのは子猫達。元野良猫の白猫であればどこかで生活する術があるかもしれませんが、子猫達は誰かがお世話しないと飢え死んでしまいます。
そのため私は「とにかく放っておいてもどうにもならない!」という思いで、4匹の子猫を保護し世話することを決意したのです。
体力的に辛い子育て
子猫達を育てるのは、想像以上にしんどいものでした。なんせお世話する相手は4匹なのに対して、お世話する側は私と、時々手伝ってくれる家族くらいしかいなかったのです。
続いた寝不足の日々
まだまだミルクしか飲めない子猫達。そんな子猫達は大体3時間置きにミルクを飲ませなければいけません。そのため私は、昼夜問わず3時間置きに起床し、子猫達にミルクを与えていました。
また、ミルクを与えるだけでなく、ミルクの前にはトイレのお手伝いをしていましたし、ミルクが終わったら運動不足にならないように部屋をお散歩させていました。
そのため、ミルクを与えるとは言っても起きてただミルクをあげてまた3時間後に起きて、と単純な無限ループを繰り返していたわけではありませんでした。
ましてや相手は4匹。4匹分の排せつをさせてミルクをあげて、お散歩をさせて排せつ物などのゴミを片付けて…と1人でしていたら、次のミルクの時間になっていた、なんてこともありました。
そのせいか、当時の睡眠時間は5時間取れるか取れないかのラインだったように思います。
ミルクが好きなの、離乳食は嫌!
子猫4匹は不慣れな私が育てたのにも関わらず、すくすく大きくなり「今度は離乳食に移行を…」と考え始めるくらいになっていました。そのためまずは、試しにスプーンですくって鼻に近付けて食べるかどうかを確認してみることに。
すると、4匹の内3匹は驚く程すんなりと離乳食を口にしてくれました。「お、このままスムーズに全員移行出来るか?」と安心したのも束の間、最後の1匹が離乳食に興味も示さず、ミルクを求めるように鳴き始めたのです。
もちろん私もその子をいじめたいわけではなく、その鳴き声に答えて、大好きなミルクを気の済むまであげたいと思いました。ですが、ずっとミルクだけでは子猫の成長に必要な栄養が足りなくなってしまいます。
とは言え手荒なことは出来ず、ミルクにほんの少量の離乳食を混ぜて飲ませてみたり、離乳食を少し温めて匂いを強くしてみたり、スプーンの角度や離乳食の種類を変えてみたりなど、様々なことを試し続けました。
しかし、それでもその子は離乳食を食べてはくれません。「これ以上どうすれば…」と悩むこと2日。ダメ元でスプーンに乗せた離乳食を鼻の近くに持っていくと、吸い付くような感じになってしまってはいるものの、きちんと食べ始めたのです。
その後、少しずつミルクの量を減らし離乳食に完全移行することに成功。何故急に食べる気になったのかは、私の永遠の謎です。
落ち込んでいる時は傍に
正直言って、子猫4匹の子育ては想像以上にしんどいものでした。それでも私は「この子達がいてくれて良かった」と自信を持って言えます。
この子達は私が落ち込んでいると、私が驚くくらいの心配顔で私の顔を覗き込んできたり、子によっては「こうしたらいつも笑ってくれるでしょ?」と言わんばかりに目の前で体をゴロンとさせてお腹を見せつけてきたりして、私を一生懸命励まそうとしてくれます。
そんな一生懸命励まそうとする動作を見ると、「え、可愛い。天使なのかな?」と思って自然と口角が上がってしまうのです。
そのおかげか、落ち込みやすいタイプだった私の立ち直りが大分早くなるようになりました。そんなこともあって、4匹が我が家の子になってくれて本当に幸せです。
2歳を越えました!
育てると決めた時はたった生後10日だったからか、大きめの段ボールの中だけがテリトリーだった4匹も、2歳を越えた今では段ボールから飛び出し元気に家中を駆け回っています。
元々体格が小さめだった4匹。今も平均よりは小さめの体格で、それに伴って体重も少なめではありますが、大変な病気や怪我はありません。
見た目も、可愛らしいコロコロした状態から男の子はキリッとカッコよくなり、女の子はお美人ちゃんに育ちました。
また、この4兄弟は小さい頃からかなり仲がいいらしくよく4匹でくっついて寝ているのを見かけます。全員少々甘えたな所はありますが、そこがまた可愛くてつい甘やかしてしまう毎日です。
まとめ
もし白猫が我が家に来なければ、もし我が家が猫に関心がなく子猫達を保護しないような家庭だったら。この子達が今のように生活している確率は低かったのではないでしょうか。
そう思うと、今この子達が私の目の前にいることが奇跡のように感じるのです。そんな思いと同時に、この子達のようにきちんと保護され温かい家の中で生活出来る命はほんの一握りだということを思い知らされます。
少しでも多くの命が温かい家で生活出来るようになって欲しいと願いながら、私は目の前のこの子達に愛情を注ぎ続けることを誓おうと思います。