鳴き声が途切れ、見つからない…
通報・捜索
ロサンゼルスの保護団体Hope for Pawsに緊急保護依頼がありました。自宅の台所の壁の中から子猫の声がするというのです。
壁に取り付けられた換気口を外し、中の金属の筒を引っ張り出します。ダメージをなるべく小さくするように注意しながらの作業です。できた空間に小型カメラを差し込んでみましたが、この場所では子猫を発見できませんでした。子猫の声はかすかに聞こえているのですが…。
屋根裏に上がったり、戸棚を開けてその天井から中をのぞいたり、小さな鳴き声をたよりに数時間必死に探し回りましたが、居場所の特定にはいたりません。
そのうち、鳴き声はぱったりと途絶えてしまいました。その後2時間、静かに聞き耳を立てていましたが、子猫の声が聞こえることはありませんでした。やはり間に合わなかったのか…?
居場所が特定できなければ手も足もでません。家主がもしまた声がしたら知らせると約束してくれて、いったん撤収しました。
6日後
1週間近くして、家主から、「子猫の声がした!」と連絡が入りました。生きていた!現場に急行し、今回は医師が診察に使うような聴診器を壁にあてて、鳴き声のする場所を探します。
天井に穴を開け、カメラを差し込むと、スクリーンを見ていた人たちが一斉に「いた!いた!そこ、そこ!」と叫びました。残念ながらスクリーンをカメラで映した映像では白飛びしてまったく見えませんが、ここ、ここ!と指をさしています。
2匹いるようで、スクリーンを見て興奮ぎみの人たち、中にはすでに泣きそうな人も。もっと子猫に近い場所から再度天井裏を確認すると、はっきりとはわかりませんが、ブチ模様や伸びたシッポが見えます。
リーダーは「子猫たち、息してる?」と確認をしたところ、女性は「あー…はいはい、呼吸してます、してます。」と答えました。
壁を叩き壊して穴を広げ再びカメラを入れると、目の前にいました!ガンガンと大きな音、衝撃、粉じんに恐怖で固まっています。
腕を伸ばして1匹をつまみ出し、キャリーケースに入れました。この子は「ジンジン」と呼ぶことにしました。
やっかいなことに、もう1匹はここから逃げ出してしまったようなのです。あの騒音と振動、無理もないですね。声も立てずに天井裏のどこにひそんでいるのか…。
なんと、逃げようとして2本の柱の間の狭いすき間を3メートルも落下してしまっていました。鳴いている姿をカメラでとらえることができました。また新たに穴を開けることに…。今度は床近くの戸棚の中です。
ピンポンボールのような小さな丸い頭に手を伸ばして…つまみ出しました!すぐに顔から粉じんを払いました。元気に鳴いています。「ジャンミー」と名づけました。みんなすでに、ジャンミーにメロメロです。
ケア
これで終わりのような気になってしまいますが、まだ母猫が見つかっていません。ケージトラップを設置して、家主に確認してもらうことにしました。まずは急いで子猫たちを病院へつれていかなければなりません。
どうやら子猫たち、健康問題はなかったようです。つまり母猫はしっかり授乳していたのですね。ジンジンのお顔がやっとしっかり見えました。
臨時のベビーシッター登場。犬、小型犬が2匹です。
それから
残念ながら、母猫が戻ってくることはありませんでした。怖がらせてしまったのでしょう…。この地域にはいるでしょうから、いつかまたこの親切なご夫婦に発見されるといいですね。
非常に小さなすき間からも、猫やネズミ、アライグマ、オポッサムといった小動物は入り込みます。屋根裏や床下の空間に続く通気口などの開口部は、グリッドなどでしっかりふさぐことが大切です。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel
Hope for Paws
▼▼ 公式サイトはこちら ▼▼
https://www.HopeForPaws.org
▼▼ Facebookページもあります ▼▼
https://www.facebook.com/HopeForPawsCalifornia
▼▼ YouTubeチャンネルはこちら ▼▼
https://www.youtube.com/c/hopeforpaws/videos
動画を見ることは保護活動支援につながります。