近所の団地をさまよっていた子猫のみーちゃん
みーちゃんとの出会いは保護猫カフェでした。
寝てばかりの子。それがみーちゃんの第一印象でした。
猫をお迎えしたくてネットで調べて訪れた保護猫猫カフェ。店内には子猫から大人猫まで、総勢10匹以上の猫ちゃんたちがいました。その中でも、寝てばかりでほとんど遊んでくれない子がみーちゃんでした。
スタッフの方にお話を伺うと、母猫とはぐれて何日も団地をさまよっている子猫がいると地域の方から連絡があり、この施設のスタッフが保護をしたとのことでした。地域猫の母親が生んだ子猫なのか、あるいは人間によって捨てられてしまった子猫なのか、今となってはわかりませんが、みーちゃんが母親と離れてひとりで辛い思いをしていたことは確かです。
その団地が近所だったことに縁を感じたこともあり、私はみーちゃんのかわいい寝顔に心を動かされ、2週間のトライアル期間を経て正式に我が家にお迎えすることになりました。
最初は病気がちだったみーちゃん
我が家にお迎えした当初、みーちゃんは意外と病気がちでした。食欲は旺盛で何でもよく食べる子だったのですが、お腹がゆるくてよく軟便を繰り返していました。病院で下痢止めと整腸剤を出してもらいましたがあまり改善がみられず、とても心配だったのを覚えています。
みーちゃんの場合、軟便の原因はフードにあったかもと思いました。最初の頃はネットでも評判の、ちょっと値段の高い海外のフードをあげていました。お肉が中心で少し脂っぽい感じがしますが、猫にとってはおいしそうな高級フードです。
そのフードからいくつかのフードを経て、国産のあっさりめな健康志向のフードに変えたところ、みーちゃん軟便はすっかり治りました。もしかしたらみーちゃんにとっては脂肪分多めのフードが体に合わなかったのかもしれません。
その時から同じフードを食べ続け、4年たった今でもお腹の調子を崩すことはめったにない健康優良児です。
みーちゃんはその他にも、何度か目が腫れて片目が開かなくなってしまったり、声がかすれて超ハスキーボイスになったりすることがあり、お迎えしてからの数か月は病院に何度も通っていました。まだ子猫で体力や免疫力が低かったのと、それにプラスして急に環境が変わったせいもあるかもしれません。
最初の頃は意外と病気がちで心配したみーちゃんでしたが、お迎えして半年後くらいからはほとんど体調を崩すこともなく、元気いっぱい、食欲めいっぱいな毎日を送っています。
癒し系男子なみーちゃん
みーちゃんが我が家にやってきて一番変わったことは、家族で一緒に過ごす時間や会話が増えたことです。みーちゃんのあまりの可愛さとぐうたらな行動に、何かと家族を呼んで一緒に眺めたり、「今日のみーちゃんはこんなに可愛かった」、「こんなに変なことをしていた」と報告しあったり。みーちゃんの可愛さと大らかさにはいつも家族中が癒されています。
当のみーちゃんはというと、お迎えしたころは緊張して周りを警戒する様子もありましたが、今となっては警戒心ゼロ。家中いたるところでひっくり返って寛いでいます。
大らかを通り越してちょっとぐうたらなんじゃないかと思うこともあるくらいですが、今はお外にいた頃と比べて敵がいない、食べるものの心配がない毎日なので、食いしん坊なみーちゃんにとってはそれが一番の幸せなのかもしれません。
ダイエットに成功したみーちゃん
我が家にお迎えしたばかりのみーちゃんはまだ体重が2キロ代のほっそりとした体つきの子猫で、大きな耳と長い首がチャームポイントでした。そこから毎日ご飯に困ることのない幸せな生活のおかげでどんどんと成長していきました。やがて7.5キロとちょっと成長しすぎたみーちゃんになりました。
大きな耳や長い首は面影もなく、普通サイズの猫ちゃんの2倍はあろうかという体重。動物病院の健康診断では、「もともと体格のいい大型猫なのである程度は体重があっても仕方ないけれど、それにしても増えすぎだ」と言われてしまいました。
「みーちゃんには長生きしてもらわないと困る!」ということで家族みんなの意見が一致し、本人の意に反して『みーちゃんのダイエット大作戦』がスタートしました。まずは、ついついあげてしまうおやつは厳禁に。その代わりご飯を1日3食から1日4食に変更し、回数を増やすことでお腹が空く時間を減らしました。
フードは同じメーカーのダイエット用に変更し、量はそのままでカロリーを減少。そしてなるべく運動。この生活を続けることで、半年後には7.5キロから6.5キロまで体重を減らすことができ、ちょっとスリムなみーちゃんを取り戻すことができました。
このダイエット方法のメリットは、食べる量を減らさずに済むので、食いしん坊なみーちゃんがイライラすることなく減量できたことです。デメリットは1日4食になるので人間にとっては少し手間が増えることでしょうか。でもみーちゃんの健康には代えられないので、現在もこの方法を続けてみーちゃんの体重をキープしています。
まとめ
5年前の夏、母猫とはぐれてひとりでお腹を空かせてさまよっていたみーちゃん。その時のみーちゃんの姿を想像すると今でも涙が出てきます。どんなに心細くて、どんなに辛かったでしょうか。
そんなみーちゃんが今、我が家のソファーでひっくり返って豪快に眠っているところを見ると、私は心から幸せな気持ちになります。みーちゃん、うちに来てくれて本当にありがとう。
猫好きな人には、"保護猫と暮らす"という選択肢もあります。猫も人間も一緒に幸せになれるこの選択を、ぜひ多くの方に知ってもらえたらと切に願っています。