多頭飼育のお家からやって来た"がんも"
友人からのレスキュー依頼
今から5年前、私は元保護猫のあめと暮らしていました。ある日友達から、「ノルウエージャンとマンチカンのミックスが増えすぎて飼育崩壊している知り合いがいる。マンチカンの強い短足の子を1匹迎えてもらえない?」と連絡を受けました。
猫の写真を見せてもらい、飼育されている環境状況も聞いた上で覚悟を決め、迎えることにしました。名前は、寒い時期に迎えたこともあり、私の好きなおでんの具の"がんもどき"から「がんも」と命名しました。
先住のあめの反応が一番気がかりでしたが、月齢が近いこととあめが女の子、がんもが男の子というのも良かったのか、がんもが落ち着くまで隔離した後、いよいよ、あめと対面させてみると、こちらが拍子抜けするほどすんなりと優しく受け入れてくれて、嬉しかったです。そしてこの日から人間1人と猫2匹の共同生活が始まりました。
体調不良が物語る厳しい生活環境
我が家にがんもを迎えた次の日、動物病院で健康診断をしてもらったところ、無理な交配繁殖を繰り返した影響で足の変形や、それに伴う炎症数値の異常、お腹の回虫、ノミがいることがわりました。投薬などの治療をしつつ、その日から数週間、あめとの接触を避ける日々が続きました。
よほど衛生環境が良くなかったためか、がんもの体からはきつい糞尿の臭いがしたので、細心の注意を払いながら初シャンプーに挑戦。大きな声で叫びながらも、がんもはよく頑張ってくれました。
さらに、がんもは栄養状態も良くなく、すぐに低血糖を起こすような状態だったので、家で皮下点滴をして必死で元気になることを願いました。
当時は、家猫だったことは思えないほど、ひどく警戒しながら慌ててご飯を食べていたがんも。そんな様子を見て「誰も取らないからゆっくり食べてね」と、胸が苦しくなるのを感じながら声をかけていたのを覚えています。
家族の癒しとなったがんもの現在
過酷な生活環境から我が家の一員になったがんもは、ノルウエージャンの血統があると言われているものの体格は小柄で健康、争いごとが嫌いでマイペースな子です。がんもどきのように丸くて愛くるしいお顔で、今では、我が家で一番笑わせてくれる存在になりました。
しばらくして迎えた弟猫の"こんぶ"のことも受け入れてくれ、あめ、こんぶの2匹と一緒に走り回っているがんもを見ると、足の炎症を心配しつつも元気になってくれて良かったと感謝の気持ちでいっぱいになります。
私の結婚と同時に、猫3匹と主人のもとに引っ越しをして、あめ、がんも、こんぶの3匹は、私だけでなく、主人の癒しにもなってくれています。
まとめ
がんもは「可愛いから」というだけで、ノルウエージャンとマンチカンの間で無理な交配を強いられ、その結果、繁殖し過ぎて避妊・去勢手術ができなくなったために多頭飼育崩壊した元飼い主さんからレスキューされました。
お世話をしきれないほどの動物を不衛生な環境で飼育することは、動物虐待ではないかと私は考えます。
小さな命に責任持ってお世話し、共に楽しく生活していくため、また不幸な子たちが増えないように、避妊・去勢手術をすることは病気のリスクを減らすために必要だ思います。
また、猫を家族に迎えるにはフードやトイレをはじめ、最低限必要な医療費がかかることを理解した上で、覚悟を持って迎えて欲しいです。
本来は守れるはずの小さな命が人間の勝手な都合で消えないように、また不幸な子が出ないように心から願っています。