引っ越しで捨てられた黒白猫が幸運の鍵しっぽで巻き起こしたミラクル

引っ越しで捨てられた黒白猫が幸運の鍵しっぽで巻き起こしたミラクル

ぽかぽか陽気のある日、歩いていたらいきなり呼び止められた! 私に恋した(?)黒白猫。幸運の鍵しっぽをもつ黒白猫が我が家に巻き起こしてくれたミラクルなお話。

ある日、一匹の猫に呼び止められた!

ガードレール下にいたときのバロン

それは2015年、春のある日のこと。買い物へ行くためにいつものバス停に向かう坂道を下っていたところ、何やらニャーニャーと私を呼ぶ声が…。

「えっ?猫?どこにいるの?」とあたりを見回すと、ガードレールの下にちょこんとお座りした黒白猫が私を見て鳴いているではありませんか!その場所は普段、猫がいる様な場所ではないのでびっくりしました。

近づいてみるとその猫は「ヤッホー!」という様にしっぽをピン!とさせこちらへ寄ってきました。

「どこから来たの?」という問いかけに猫はなんだか嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らしています。体もそんなに汚れていないし、人懐っこい…もしかしてどこかで飼われていた子なのだろうか?と色々な考えが頭をグルグルとまわりました。

「でもまあ、そのうちまたどこかへ行っちゃうのだろうな」と思い、猫に別れを告げその場をあとにしました。

それから次の日も、また次の日もその場所を通ると私を呼んで近づいてくるのです。近所の人によると、誰かが引越しの際に捨てていったとの事でした。

それから季節は進み、あっという間に冬になりました。台風や大雪の中でも寒さに耐えながら頑張っている姿に心を打たれ、ついに保護する事を決意しました。キャリーを持ってきた私の姿を見て走ってきたその子は「はいはーい、待ってたよー」という様に自らキャリーケースの中に入り、あっさり保護となりました。

そして厳しかった生活から解放され一気に疲れがでたのか、2日間程よく眠っていました。

さてその黒白猫、模様がなんだかタキシードを着ているかのようだったので最初は「男爵」と呼んでいましたが、英語読みの「バロン」に改名しました。

私の家庭内ストーカー?僕を見て!!

私に対して呼ぶバロン

第二の猫生をスタートしたバロン。

家での生活経験があったからか、一通りのマナーを身につけてはいました。しかし困ったことがひとつ。それは過去に捨てられてしまった寂しさからか、それとも元々の性格からなのか、なんと私の家庭内ストーカーになってしまったのです。

最初は色々あったし仕方ないかなと思っていましたが、私を想うあまり先住猫を追いかけていじめるという暴挙に出てしまいました。また、私の姿が見えなくなってしまうと鳴き続けるという事も。

猫のストレス対策の記事を読んだりして何とか改善を図ろうと思いましたが、状況は変わらぬまま…

一時期は軽いノイローゼ気味になってしまいましたが、別の先住猫の雄猫で元野良の子がバロンの面倒をみてくれる様になり、段々と問題行動も減少していきました。

私自身もバロンとの接し方を工夫したりして、現在ではだいぶ良くなりました。それでも相変わらず私の姿が見えないと不機嫌モードにはなりますが、うまく調整をして過ごしています。

幸運の鍵しっぽで恩返し?!

得意げなバロン

バロンと出会った当時、実はマイホーム購入を検討していて毎週の様に土地探しをしていました。

不動産屋さんと土地をみて回った後は必ずバロンに会いにいき、「良い土地があって引越すことになったら一緒にくる?」と毎回話していました。

中々良い土地が見つからず半ば諦めかけていた頃、ある土地との出会いがありました。しかし予算よりも高く、せっかくの理想の土地なのに手が出ないと見送ろうとした時、かなりの金額で値下りしたのです。

実はそれはバロンを保護して一週間後の出来事であり、不動産屋さんも驚いていました。これはもしやバロンが運んできた奇跡(?)と思い、すぐに契約を結び無事家を建てることができました。

ちんまり座りのバロン

バロンは幸運の鍵しっぽなのですが、もしかしてそこに土地代を引っかけてきてくれたのかもしれません。

今は家の中で気持ち良さそうに眠っている姿を見ると幸せな気持ちになると同時に、あの時保護してよかったなと思います。

現在は子猫の預かりボランティアをしているのですが、バロンも子猫達に家猫とは何かを良き先輩として指導してくれています。

バロンに感謝

手を重ねるバロン

ある日いきなり呼び止められたあの時から色々とありました。外での生活で、バロンの身の危険を感じる出来事もありました。何故、前の飼い主はバロンを捨てる前に里親を探すなどしなかったのか怒りを覚える事もありました。しかしバロンはその過去を振り返るでもなく、今ある私との生活を楽しんでいる様にも見受けられます。

保護した当初は大変な時期もあり、かなり悩んでしまいました。しかし今となってはそれは正式に家族になるために必要な過程だったと思います。今、この瞬間も私の膝の上でスヤスヤと寝ているバロン… あの時、あなたは私に一目惚れしてくれたのかな?

バロン、家族になってくれてありがとう!

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