ワナにかかって大ケガをした養豚場の猫を保護。飼い猫への覚悟

ワナにかかって大ケガをした養豚場の猫を保護。飼い猫への覚悟

大きな声では言えないけれど、養豚場にはネズミがいて、ネズミを獲るネコもいます。ネコは、人に慣れていることも多く、従業員の癒しの存在でもあります。そんなネコの1匹が、ある日ワナにかかり、大ケガをして帰ってきました。その子を自分で保護して、飼う 話です。

726view

部署はネズミ獲り

兄妹2匹

子猫時代

山に囲まれた某養豚場でトラは生まれました。

妹ネコと2匹で生活していたトラ。大きくなってきて、徐々に豚舍のある方へ行くようになりました。たまに、子ネズミを人からもらっていたけれど、誰に教わるわけでもなく、ネズミ獲りができるように!頭からバリバリ食べていました。

トラは、人懐っこく甘えん坊。私たちの癒しの存在になりました。

増える家族、そして

翌年2匹増えました。この頃には、他所から通ってくるネコもちょこちょこ見られました。その中にはメスもいたため、子猫も生まれ、最大で7匹が同じコミュニティにいたためか、トラは次第に居場所を変えていきました。あまり誰も来ない方へ、来ない方へと。少しずつですが、皆と一緒に生活しなくなっていきました。

穏やかな性格で、頭の良いトラでしたが、何故だか受難続きなのでした。

トラくんへの試練

事務所でくつろぎ中

ある時、日に日に元気がなくなり、食欲もなくなっていきました。体を触るとマダニがたくさん!ピンセットで取ったら、元気回復しましたが、けっこうマダニをつけて来ました。

またある時は、胸にシコリの様なものができ、触ると嫌がり、弱っています。さすがに病院に連れていこうと思っていたら、なんと自分でそこを噛み、膿を出し、そして元気になりました。

最大の試練

そんなこんなで3年ほどたちました。トラは大体昼頃になると事務所に姿を見せて餌をねだり、昼寝していきます。1日2日姿を見ないことはよくあったけれど、その時は姿を見せなくなって7日が過ぎていました。

他の場所に流れて行ったのか、死んでしまったのかどちらかな~と思っていました。

その日の夕方、事務所で声がしました。トラがいる!!駆けつけると、両足にひどいケガを負っています。まともに歩くこともできません。

すぐに抱き抱え、休憩小屋へ。そこは、エアコンがあり、他のネコは入って来られないようになっていました。餌を与えると、しっかりと食べたので、少し安心しました。

しっかり療養&静養

休憩小屋の屋根の上から

帰ってきた日

姿を見せなくなったのは、梅雨明けしてすぐの頃でした。

ケガの状態から、恐らく野生動物を捕えるためのワイヤー系のワナにかかったのだと思われました。上手く抜け出し、どこかで身を潜めていたのでしょう。多分、水は飲める所だったのだろうと思います。そして、真夏で動物たちの動きもあまりなかったのが幸いしたのか?野生動物やカラスが多いこの辺りで1週間生き延び、帰ってきたのです!

私が療養する場所として選んだのは、従業員の休憩小屋で、ここには何度もトラは入ったことがありました。その日の夜は、休憩小屋にトラを置いて帰りましたが、翌朝死んでしまっていないか心配でたまりませんでした。

初めての病院

翌日、仕事を終えてから病院に連れて行きました。

キャリーも車も病院も初めてのトラ。でも、弱っていて、あまり反応はなく、こちらも不安でいっぱいです。

先生は一目見て、「これはひどい」という表情をされました。右足のキズは治ってきているものの、骨折。左足のキズはひどく、腫れあがっていて、骨まで菌が行っている可能性があり、壊死が始まるようなら断脚、という診断でした。

強い抗生剤を注射し、やや脱水状態だったため点滴もして、飲み薬を頂きました。

室内飼いのネコになる

3日目のキズ

帰ってきた日から、しばらく休憩小屋で生活することにしました。ここでは、一緒に昼寝をしていたこともあり、場所には慣れている様子。

ネコ用のトイレも買ってきて設置。トラは今までずっと屋外で生活していて、あちらこちらで用を足しているのを見てきました。トイレ使えるかな?心配は無用でした。トイレを朝設置して、昼頃ソワソワしていたので、抱っこでトイレに連れていくと、そのままウンチ!その後は、毎回自分でトイレに行っていました。

10日間くらいは、昼夜ずっと寝ていました。良く餌を食べ、寝ての日々でみるみるキズがふさがっていきました。

この後どうしよう?

最近のトラくん1

選択肢

トラは、人懐っこくて可愛いネコだったので、ボロボロの状態で帰ってきた時は、ただただまた会えたのが嬉しくて、なんとか元気になってほしくて病院に連れて行きました。断脚かも、と言われ、冷静に考えた時、いくつかの選択肢があがりました。

  • ネコの保護活動をしている知人を頼る
  • 以前と同じように屋外に放す
  • ペット可物件に引っ越して自分で飼う

結論

選択肢をあげてみたものの、すぐに結論は出ました。

保護活動をしている知人には連絡をとってみたけれど、コロナの影響や高齢化、といった事情で難しそうでした。

屋外に放す、は私の中では一番あり得ない選択でした。ケガが治り、以前と同じように動けるならば良かったのですが、トラの足は元には戻らず、何らかの後遺症があることが予想されたからです。そんな状態では、再びケガを負うか、他のネコによって追い出されるだろうし、何よりネズミ獲りが出来なければ養豚場で暮らすことは許されないのです。

なので、ペット可物件に引っ越して自分で飼う方向で考えることになりました。

今のトラくん

休日

一緒に寝るトラくん

私が今住んでいるのはペットNGの物件のため、仕事が休みの日だけ車で2時間ほどかかる実家で一緒に過ごしています。休憩小屋に丸2日放置、は難しかったため、車移動はトラにとってストレスになるのもわかっていましたが…。

実家初日は、流石に怖がって隠れていましたが、2度3度帰るたびに慣れて行きました。実家では一緒に寝て、お昼寝して、甘えの限りをつくしています。

今までの生活とのギャップ

そんな室内飼いのネコの幸せと、自由気ままに山を動ける幸せ。どちらがトラにとって良いのかだいぶ自問しました。

でも、膝の上で寝たり、仰向けで寝ているトラを見ていると、このままで良いのかな、とも思います。

回復

キズ口ほぼ完治

大ケガをして帰ってきてから1ヵ月がたちました。ケガは先生も驚くほど良くなってきて、もうすぐ完治です。断脚も免れました。

キズはほとんど目立たなくなったのですが、右足は関節あたりを骨折したため、変な向きになってしまいました。それでも、後ろ足も使って歩けるようになり、多少なりとも跳躍できるようになりました。最初ケガを見た時は、もう後ろ足は使えないと思っていたので、すばらしい回復です。

まとめ

最近のトラくん2

トラとは保護する前から関係が築けていたので、薬を飲ませることも普通にできました。トイレもすんなり覚えてくれて、『飼う』こと自体は楽に出来ました。

後は、こちらの覚悟次第。

今はペット可物件を探している最中です。あんな状態でも帰ってきたトラを、こちらを信用してくれているトラを、裏切ることはできません。

まだトラは4歳半。これから『飼い猫』として、去勢、ワクチンを行っていきます。

トラが良い猫生だった、と思えるような環境を作っていけたらな、と思っています。

スポンサーリンク